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投資に関する情報はあなたの成功を願って発信されているとは限りません【鹿子木健】

FXや投資に関する情報源として、今やほとんどの人がネットを利用していることと思います。
ネットであれば情報の即時性が高いですし、特に情報の鮮度が重視されることが多い投資の世界においてはネットからの情報が有益であることも事実です。
しかし、ネット上にある情報は必ずしも、あなたの成功のために発信されているわけではないことを留意しておく必要があります。
今回は、ネット上の情報を正しく活用するために必要な情報リテラシーについて解説します。
1.ネット上にある情報は大きく3つに分類される
ネット上にはFXや投資に関する情報が溢れていますが、これらの情報は大きく3つの種類に分類できます。その3つとは、以下の通りです。
①有料サービスや高額サービスに誘導するための情報
②アフィリエイトなど広告収入を目的として発信する情報
③発信者が使命感をもって発信する情報
これらの中で純粋に発信者が有益だと思って発信している情報は、③のみです。それ以外は何らかの形で金銭的な利益を目的として情報を発信しています。そして③の情報はおそらく、膨大な情報のうち10%にも満たないのではないかと思われます。
もちろん、こうしたビジネスモデルはネット上以外にも存在しており、否定するものではありません。ここで重要なのは、あたかも読者の利益になるような設えになっている情報であっても、そこには発信者の利益を目的とした何らかの意図があるかもしれないと意識しておくべきである、ということです。
ある商品やサービスに注目が集まるようになると、その人気に乗じて利益を得ようとする情報発信者も集まるようになります。それはFXや投資だけに限ったことではなく、ブームになっている商品や人気タレントなど全般に言えることです。
ビジネスチャンスを求めて集まってくる人や会社の目的は、さまざまです。FXの初心者に高価でありながら価値の低い情報商材を売りつけようとする悪徳業者から、純粋にFXに興味を持った人を証券会社の口座開設に誘導してアフィリエイト収入を狙うアフィリエイターなど、目的や悪意の度合いにも違いがあります。
2.発信者の意図、目的を読み解く
FXの人気が高まるにつれて、ネット上にはFXに関する情報が溢れることになります。ネット上でFXに関する情報を発信することで利益を狙う主なプレーヤーを挙げてみました。
①口座開設者を増やして手数料収入を増やしたい証券会社
②トレード手法などの情報商材を売りたい業者
③受講生を獲得したい投資スクールやセミナー会社
④自分のサイトからの広告収入を狙うアフィリエイター
⑤自分の知名度を高めたいトレーダー
⑥読者、閲覧者を獲得したい投資系メディア
おそらくまだあると思いますが、代表的なプレーヤーを挙げただけでもこんなにあります。これらのプレーヤーはとても多層的で、さまざまな角度からFXに関わり、利益を狙っています。
それではこれらのプレーヤーが集客やビジネスをしようと考えた場合に起こり得ることを、挙げてみましょう。
①証券会社(FX会社)の比較サイトやFX情報サイトが乱立する
②自称プロトレーダーのFXブログやSNSアカウントが乱立する
③FXに関連するポータルサイトや投資系メディアなどにFX情報商材の広告が大量発生する
④「短期間で〇億円!」といった刺激的なキャッチコピーを使用した詐欺まがいの情報商材やEA(自動売買プログラム)の広告が大量発生する
これらの現象は未来の出来事を予測しているのではなく、すでに現実に起きていることです。まさに玉石混交ですが、これらに該当するサイトやSNSアカウント、広告などをネット上で見聞きしたことがあるのではないかと思います。
明確に広告と銘打っている情報であれば広告を見る人も一定のフィルターをかけることができますが、FXに関連するキーワードを検索した際の検索結果には、ある程度有益に見える情報を発信しているサイトが多く表示されます。
しかしそれらのサイトが純粋に投資家の利益になる情報だけを発信しているとは限らず、投資家が知りたがっている情報やキーワードを入口にして、自分たちの利益に誘導するための情報である可能性のほうが高いと考えたほうが良いでしょう。
3.情報リテラシーを磨くことで、投資に強くなる
ネット上には溢れる情報に紐づけられた「意図」を見極め、自分にとって必要な情報を取捨選択するスキルのことを、情報リテラシーといいます。FXに限らず投資に関連する情報がこれだけ溢れているなか、情報リテラシーは自分の財産を守るきわめて重要なスキルといえます。
ネット上にある情報は、どこかの他人が発信している情報です。その情報には多かれ少なかれ「意図」があり、そのために制作されたコンテンツであるという構図を知っているかどうかで、情報の読み解き方が大きく変わるでしょうし、投資の結果にも影響を及ぼします。
情報リテラシーを身につけると、「ネットの記事に書いてあったから正しい」「有名なトレーダーが紹介しているから間違いない」といったように、他人の言説を鵜呑みにしてセールスに乗ってしまうリスクを遠ざけることができます。
さらに、「短期間で〇億円!」といった刺激的なキャッチコピーに惑わされて詐欺まがいの商法に引っかかってしまうこともなくなります。
これはよく言われていることですが、本当に有効性のある儲け話であれば、わざわざそれを他人に教える人はいない、ということです。悪徳商法は論外としても、ネット上で無料で触れられる情報には何らかの形で情報発信者の利益が紐づいていると考えるようにしましょう。
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