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2025/10/15
鹿子木健

「投資で収入を増やす」というのは誤解です【鹿子木健】

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投資で失敗してしまう人にありがちなのが、「投資の目的自体の勘違い」が挙げられます。投資は失敗して資産を減らしてしまうリスクもある行いである以上、定期的に入ってくる収入を補う副業として始めるのは間違っているといえます。

ですが、投資に抱くイメージや、SNSに溢れる「投資への誘い文句」から、今すぐ投資を始めて高収入!という誤った理解で市場に飛び込み、結果的に資産を減らしてしまう人は後を絶ちません。

今回は、「何のために投資をするのか?」という目的意識を、改めて確認していきましょう。

1.給料だけでは生きていけない時代

多くの大企業で副業の解禁が進んでいます。中小企業は大企業と比較して勤怠管理が緩やかであることが多く、副業を積極的に容認するケースや、消極的に黙認しているケースなどさまざまです。

高度経済成長も過去のことになって久しいですが、日本経済が右肩上がりに成長する前提で、年功序列型賃金制度は構築されてきました。しかし今やそれも実質的には終焉を迎えており、これもまた過去の遺物になっていくと思われます。

2014年には安倍晋三首相(当時)が「年功序列型賃金の廃止」を公式に言及し、この動きが加速するきっかけとなりました。「同一労働同一賃金」という標語も世の中に広まり、2020年4月からは大企業で、2021年4月からは中小企業でも、これらが義務化されました。

正規雇用、非正規雇用の格差縮小という名目で導入された制度は、実際には正社員の給与上昇を抑制することが目的だと見なされても仕方がありません。

なおかつ、能力給という大義名分の下では経験や知識が足りない若者が高評価を得るのが難しく、結果的には中高年層の賃金が抑制されるという結果に終わっているのが実情です。


 

2.投資で「収入」を増やそうと考えるのは危険です

「日本証券業協会調査部「証券投資に関する全国調査(2021年度)」の調査結果によると、証券投資を必要と思う理由として最も多いのは「将来・老後の生活資金として準備できる」が約60%です。さらに「現在の保有額では将来の生活に不安」という回答も約32%。

これらを合わせると、約92%もの人々が、「投資は将来の準備」と考えていることが分かります。今の生活の足しにするためではなく、将来の生活の備えとして投資を捉えている人が多い実態が見えてきます。

投資とは本来、「余剰資金を使って資産を増やすための手段」であり、日々の生活費や給与の補填として行うものではありません。ところが、多くの人が「副収入になるはず」と考えて始めた結果、逆に生活を圧迫してしまうというケースが後を絶ちません。

これは、投資を「働いて得る収入」と同列に考えることが大きな原因です。

労働収入は時間や労力に応じたリターンが得られますが、投資は相場や景気といった外部要因に左右され、努力と結果が比例しないこともしばしば。むしろ、短期的な利益を狙えば狙うほどリスクが高まり、損失が膨らんでしまう可能性があるのです。

さらに注意すべきは、収入の「穴埋め」として投資を使おうとする心理です。給与が伸びないからといって、生活費の一部を元手に投資へ回せば、損失が出たときに家計が直撃を受けることになります。

その焦りが冷静な判断力を奪い、「取り返そう」とする無謀な売買(リベンジトレード)や、リスクを顧みないレバレッジ取引につながりかねません。こうした悪循環が、投資で人生を崩してしまう人たちの典型的なパターンです。


 

3.では、何のために投資をするのか?

相場に人を引き込むために「少額投資」という言葉がまことしやかに用いられています。実際、FXの場合は、それこそ財布の中に入っている数千円からでも投資を始めることができてしまいます。

もちろん、少額投資にもメリットはあります。投資の練習、経験を積むという意味では、デモトレードの次のステップとして有意義です。しかし、それ自体で生活を変えるほど資金を増やそうとするのは、現実的ではありません。

少額投資のハードルの低さから勘違いされてしまいがちですが、投資元本が多くなければリターンも大きくならないのが現実です。1年間で利回り10%の投資に1万円の元本を投じても、得られる利益は1年で1000円。雀の涙ですよね。

ですがこれが元本100万円となれば、1年で10万円。もしも1000万円なら、1年で100万円。こう並べてみるだけでも、投じた資金の重要さがお分かりいただけると思います。

収入が少ない人は、まず生活基盤を整えるのが先決です。身も蓋もない話ですが、収入を削って投資をしても収入は増やせないという結論に辿り着いてしまいます。

投資の本質は、収入を増やすことではなく「お金の使い方・守り方を学び、長期的に資産を形成していくこと」にあります。生活費と切り離せる余裕資金をもとに、5年、10年といった時間軸でじっくりと資産を育てる意識が大切です。

短期的な収入を求める姿勢から脱却し、「お金に働いてもらう」という発想へと切り替えることこそが、投資を成功へと導く第一歩になるのです。まずは労働で得られる収入の中から時間をかけて投資資金を作り、その間にしっかり投資の勉強を積み上げましょう。


 

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著者プロフィール
鹿子木健
鹿子木健
お金を扱う能力を高めるための普遍的な知恵を伝えることがライフワークとして、 2004年から個人投資家として活動。投資分野は、FXを中心に、不動産、株式、商品CFD、株価指数CFD、保険、暗号資産など多岐に渡る。 代表を務める株式会社メデュは、2020年5月に金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録が完了。現在、外国為替投資助言「FX UNLIMITED」、FX学習コミュニティ「勝ちパターンFXの学校」を提供中。