このエリアにHTML要素を追加する
勝ちパターンを今一度定義してみましょう【鹿子木健】

私はたびたび「勝ちパターン」を提唱しています。この考え方をひとりでも多くの人に知ってもらうことが、私のライフワークの一つです。
勝ちパターンとは普遍的な概念です。トレードだけでなく、勉強・受験・就活・人間関係・営業・恋愛・結婚・子育てなど、あらゆる物事における「成功の本質」と言い換えてもよいでしょう。
勝ちパターンには無駄がありません。シンプルで、再現性があり、普遍性もあります。もちろん、この世界に「完璧」は存在しません。ですが、一定程度、本質を外さず、余計なことをせず、自分の得意なやり方に絞れるならば、その人は成功できます。
今回は「トレード」に関する勝ちパターンを、今一度お話しいたします。
1.私たちが手法という名の蟻地獄にハマる理由
利益を出すことが投資の最大の目的といえますが、その道程を考えようとすると「手法」が真っ先に思い浮かぶかもしれません。
ですが、手法を決める前にもっと考えるべきことがあります。
現在の相場で利益になりそうな通貨ペアを考えようと思ったら、取引する前に相場を知らなければなりません。
また、自分の生活時間帯を考慮すると、中心に見るべき時間足も変わってくれば、相場に入れる時間帯も変わってきます。
通貨ペアやライフスタイルなど、手法を考える前に検討すべきことがあるにもかかわらず、手法探しから出発してしまう。これは、ヤカンしか手元にないのにステーキを焼こうとするようなものです。
「トレードにおいて手法とは、手段であり道具である」とよく言われます。ほとんどの人は表面的に同意するでしょうが、その実、手法信仰から抜け切れていないのではないでしょうか。
手段や道具は、状況に応じて取り替える必要があります。手法も相場や自分の置かれた環境に合わせて変えていくべきものですから、いま勝っているやり方をいつか切り替える時が来ます。
そうなっても勝ち続けられる人は、相場から利益をもらうノウハウが自分の「芯」にある人、つまり、勝ちパターンを身に着けている人ということになります。
2.トレード手法と勝ちパターンを区別しましょう
手法と勝ちパターンは同じものだと思われがちですが、これは大きな誤解です。
・手法とは、何かを達成するための手段・道具である
・勝ちパターンとは、うまくやるための道筋・展開である
これが、手法と勝ちパターンの最大の違いです。
「エントリーポイントを見つける手法」「移動平均線を活用する手法」など、具体性のある目的を達成するためのものが手法です。ただ「利益にするための手法」はありません。そこには具体性がないからです。
それに対して勝ちパターンは、成功をもたらすための道筋や展開です。最終的に成功するのであれば、どんな道具を使っても、どんな手段を使っても良い。言ってみれば「結果」にこだわる考え方が、勝ちパターンの指向する概念です。
求める結果にたどりつくには、どのような準備が必要で、どのような道具を選び、どのような展開運びをすればよいのか。
これらの事柄にフォーカスするのが勝ちパターンです。
3.勝ちパターンとは「仕組み」のことです
相場で利益を出したいと思うなら、まず必要なのは手法やトレードルールではなく「勝ちパターン」です。目的を達成するためならば、手法はそれこそ何でも良いのです。
もちろん、勝ちパターンに手法やトレードルールが不要と言っているわけではありません。勝つためのトータルな道筋としての勝ちパターンを確立するためには、むしろ必要不可欠です。
少し掘り下げてみましょう。
まず、勝ちパターンを確立するにあたって、手法(手段)から入ります。「どんなテクニカル指標を使うか」「どんな判断基準でトレードするか」を決めるわけですね。
次に、手法の特性を生かしたトレードルールを定めます。どのようなトレードルールの元で手法を運用するかを設定します。
トレードルールが決まったら、その後で、ルールに合った資金管理を決めます。①手法 ②手法にあったトレードルール ③トレードルールに合った資金管理、この3つは最低限必要になる要素です。
勝ちパターンは、これらに加えてメンタル管理など、トレードに関係するあらゆる要素を網羅して取り込んだ、一つの「仕組み」です。にもかかわらず、手法だけを学んですべてを習得できたつもりになってしまう人は後を絶ちません。
勝ちパターンを持っている人は、トレードの世界では本当に強いです。言い換えれば、勝ちパターンがなければ、相場で生き残っていくことは困難なのです。
【注意事項】
- 本レポートは筆者の主観及び経験に基づき執筆されており、内容の正確性や完全性を保証するものではありません。筆者及び株式会社アイネット証券は、本レポートの利用あるいは取引により生ずるいかなる損害の責任を負うものではありません。
- 本レポートはあくまでも参考情報であり、筆者及び株式会社アイネット証券は、為替やいかなる金融商品の売買を勧めるものではありません。取引を行う際はリスクを熟知した上、完全なる自己責任において行ってください。
- 当コラムにてループイフダンの実績を紹介する際に使われている「年利」は元金に対する年間の利益率を指しており、金利や利息を指すものではありません。
- 筆者及び株式会社アイネット証券の許可無く当レポートの全部もしくは一部の転送、複製、転用、検索可能システムへの保存はご遠慮ください。