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2025/05/19
山中康司

「ループイフダン研究室」5月の戦略(月中版)〜主要通貨でBS運用〜

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「ループイフダン研究室」5月の戦略(月中版)

 

1.最近のトピックス

国の関税問題について個人的に感じていることは「マーケット概況」で説明しましたが、米中関税協議開始後のリスクオンの動きは、トランプ大統領の相場操縦発言とそれに乗っかった米国の証券会社による作られた相場としか思えない状況です。

今回は日米金利差(10年債利回り差)と円相場との相関について見ておきましょう。週足ベースの長期的な相関は依然として利回り差に沿った円相場の動きになっていますが、日足ベースの相関は3月下旬から異変を生じ、特に4月以降はこれまで見られなかったような動きとなっています。以下のチャートはドル円日足(ローソク足)に日米金利差(ライン)を重ね、サブチャートのその相関係数を示したものです。

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【↑画像をクリックすると拡大します】

相関係数は+1が全く同じ動き、-1が全く逆の動き、0が相関無しで±0.5以上は相関があり、±0.7以上は強い相関があると見られます。3月中旬までは強い相関がみられましたが、相関が弱まり4月に入り相互関税が発表されてからは一時強い負の相関が見られ、その後は相関がみられない状態となっています。

負の相関というのは金利の上下ではなく債券価格の上下とドルが同じ動きをしたこととなりますが、株安、ドル安、債券安となったトリプル安現象のうち、ドルと債券が同時安となった動きが相関係数からも見て取れます。

 

2.マーケット概況

5月に入ってからも金融市場はトランプ関税関連ニュースに振り回されています。金融関連の風刺画で以前はファンダメンタルズやテクニカルが材料とされていたのが、今ではトランプ大統領の発言だけが材料になってしまっているというものを見ましたが、市場参加者としてもそんな感じだというのが最近の市場と言えます。

そうした中で5月上旬の最大のトピックスは米中関税交渉が始まり、90日間の猶予期間中は双方が115%関税を引き下げ米国の対中関税が30%、中国の対米関税が10%となり、市場参加者はポジティブサプライズと捉えリスクオンの動きが強まりました。しかし、その後はリスクオンも一巡し少しずつネガティブな見方も増えつつあるという状況ですが、考えてみれば当たり前のことだと思います。

関税交渉が始まる前の双方の報復関税自体があまりに非現実的であり、米国というかトランプ大統領の発言はとても大国の大統領とは思えない子供じみた報復であったと思います。それが、ようやく協議のテーブルにつき当面は現実的な関税が適用されるということになりましたが、それでも3月以降の一連の個別関税(鉄鋼・アルミなど)と4月の相互関税を考えるとそれ以前と比べれば明らかに高関税です

関税引き上げが大統領選の公約であったことから以前と比べ高関税になるのは当然なのですが、米国経済だけでなく世界経済に与える悪影響から景気が悪くなることもまた当然です。そのあたりを考えると米中協議が始まったことや現在の現実的な関税が猶予期間以降も継続されたとしてもとても楽観的になれる材料とは思えません。

引き続き他国との交渉も続きますし、現状では楽観的なリスクオンといった動きが出てくる場合にはカウンターでリスクオフに動くという方が正しいのではないかと感じています。

 

3.全体評価

【現在の戦略】
  ドル円=  BS100(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)
  ユーロ円=  BS80(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)
  ポンド円=  BS100(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)
  豪ドル円=  BS80(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)
  ユーロ米ドル=BS60(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)

【5月15日までの損益合計】
  確定損益= +54,008円
  含み損= ―114,099円
  時価評価= -60,091円   

【必要目安資金】
  当初取引時= 2,098,161円(4月10日)

各通貨ペア内のネットポジションについて

ネットポジションとは、同一通貨ペアの未決済のポジションを相殺して残った実質的な保有ポジションのことです。売りポジションが多い場合はマイナス表記で、買いポジションが多い場合はプラス表記で表します。

 

4.米ドル円

【チャートとポジション状況】
ドル円.png

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【現在の戦略】
5月の戦略=BS100(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)

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  ネットポジション(※)=-2
  確定損益=+17,576円
  含み損=-24,153円
  時価評価=-6,577円 
 

  

5.ユーロ円

【チャートとポジション状況】
ユーロ円.png

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【現在の戦略】
5月の戦略=BS80(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)

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  ネットポジション(※)=0
  確定損益=+8,816円
  含み損=-5,924円
  時価評価=+2,892円 
 

 

6.ポンド円

【チャートとポジション状況】
ポンド円.png

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【現在の戦略】
5月の戦略=BS100(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)

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  ネットポジション(※)=-4
  確定損益=+11,841円
  含み損=-40,927円
  時価評価=-29,086円 
 

 

7.豪ドル円

【チャートとポジション状況】
豪ドル円.png

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【現在の戦略】
5月の戦略=BS80(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)

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  ネットポジション(※)=-2
  確定損益=+6,118円
  含み損=-20,301円
  時価評価=-14,183円 
 

 

8.ユーロ米ドル

【チャートとポジション状況】
ユーロドル.png

【↑画像をクリックすると拡大します】

【現在の戦略】
5月の戦略=BS60(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)

img5-5png
 

  ネットポジション(※)=+4
  確定損益=+9,657円
  含み損=-22,188円
  時価評価=-12,531円 
 

 

9.現在の運用方針について

現在の運用は、アイネット証券が公開している運用ランキングの中から長期的な運用に向きそうな戦略をピックアップしています。具体的にはドル円、ユーロ円、ポンド円、豪ドル円、ユーロドルで過去半年のパフォーマンスをチェックの上で最大ポジション数が25となっているストラテジーを選びました。詳細は各通貨ペアの項目をご覧ください。

今後もパフォーマンスをチェックしながら運用開始から3か月後(6月末時点)に継続運用に問題が無いかの評価を行う予定です。

 

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著者プロフィール
山中康司
山中康司

1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析と独自のサイクル分析を融合させたトレンド分析には定評がある。ループイフダン関連書籍『マンガでわかる FXの新常識ループ・イフダンでらくらく稼ぐ』を監修。