山中康司のループイフダン戦略レポート(2025年4月)
ループイフダン「2025年4月の戦略」
1.セミナーのお知らせ
今回は「移動平均で攻めるループイフダン戦略」の運用停止のお知らせとなります。
2022年から続けてきた20週移動平均線をベースにしたループイフダン戦略ですが、2月、3月と連続で月途中での運用停止に追い込まれ、運用開始以降の総損益が+151,855円まで減少、これ以上続けるとマイナスに転落するリスクが高まって来ました。本来であればもっと早い段階で運用を停止すべきだったのでしょうが、ループイフダンのようなリピート系の場合、損益の見通しが立てにくく結果が出て見ないとわからないという面も大きいため、プラスが残っているうちに新たな戦略での運用に切り替えることとしました。
ただ、新たな戦略というのもなかなか難しく、リピート系の場合考えた戦略のバックテスト(過去のパフォーマンスの検証)が困難で、現在の戦略もその前の戦略も相当な時間をかけて手作業で検証した結果から運用方針を決定し、フォワードテスト(運用開始後のパフォーマンスの検証)の中で、主にリスク管理面で運用方針を微調整してきました。
アイネット証券のホームページをご覧になった方であれば以下の文章に「おやっ!」と思ったことがあるかもしれません。
5年間の平均損益額 136万円のプラス ※1
※1 2019年4月1日〜2024年3月31日にループイフダン口座で運用中のお客様を対象とし、各口座の損益額を平均した金額です。(当社調べ)
これはなかなかすごい数字で、こうした数字と比較しても現在の戦略を続ける優位性はまったく見いだせないという結論に至りました。そこでアイネット証券が公開している運用ランキングの中からこれまでと同程度のリスクとなるストラテジーの中から長期的な運用に向きそうなものをピックアップしていこうと思います。
詳細については4月12日セミナーで解説した上で4月15日から新規運用を開始、その報告は4月中旬レポートで報告させていただきます。
オンラインセミナーは4月12日(土)13:00から開催します。詳細は以下のページにてご確認ください。
多くの皆さんの参加をお待ちしております。
※本セミナーの内容には「アイネット証券」の受託及び勧誘を目的とするものが含まれますのでご了承の上、ご参加ください。
2.米ドル円
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※赤い線が移動平均線です。
3月のレンジ=146.54〜151.29
4月の戦略=4月12日セミナーで発表
【市況】
3月の米ドル円は月を通してトランプ関税に振り回された一か月だったと言えるでしょう。関税が4月から発動するのかしないのか米国内でも見方が分かれ、対象国の金融市場もそれとともに上下に振らされる展開となりました。ただ1か月を振り返ってみると米金利が目先の底を打って上昇、それに伴い米ドルもじり高の1か月となりました。ただ、トランプ関税の発表が4月2日となっているため、その後のことを考えると株安によるリスクオフが円買い戻しのきっかけとなる可能性もあり注意が必要です。
【確定損益】
米ドル円はS100で運用していましたが、3月26日時点でポートフォリオ全体の月間ストップ金額に達したため、全てのポジションを閉じました。3月の確定損益は14,772円の損失となりました。(利益額:23,413円、損失額:-38,185円)
3.ユーロ円
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3月のレンジ=155.58〜164.18
4月の戦略=4月12日セミナーで発表
【市況】
3月のユーロ円は米ウ首脳会談決裂後の安値から欧州としてウクライナを支援する方針が示されたことで急反発、ドイツの財政パッケージ協議がまとまるとの思惑からドイツ金利が上昇したこともユーロ買いの材料となりました。月後半は対米黒字額が大きいEUへのトランプ関税の影響が大きいことも懸念材料となり上値が重たい展開が続きました。テクニカルには164円超えが強いレジスタンスとして意識される流れとなりました。
【確定損益】
ユーロ円はS100で運用していましたが、3月26日時点でポートフォリオ全体の月間ストップ金額に達したため、全てのポジションを閉じました。3月の確定損益は89,175円の損失となりました。(利益額:43,379円、損失額:-132,554円)
4.ポンド円
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3月のレンジ=188.24〜195.95
4月の戦略=4月12日セミナーで発表
【市況】
3月のポンド円はユーロ円同様1週目は大きく上昇、2週目の週前半には下げる動きを挟んだもののすぐに買い戻され、月後半に向けても強い地合いを維持しました。これはEUに比べて英国では対米黒字が大きくないということもありそうです。欧州通貨内のクロスでも2週目以降はユーロ売り・ポンド買いが目立っていました。
【確定損益】
ポンド円はポートフォリオから外して様子見のスタンスを継続しています。4月15日以降はポンド円のストラテジーもポートフォリオに組み込む予定です。
5.豪ドル円
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3月のレンジ=91.84〜94.71
4月の戦略=4月12日セミナーで発表
【市況】
3月の豪ドル円はトランプ関税が中国に与える影響を懸念し中国との貿易量が大きい豪ドルにも売りが見られました。92円割れでは買いも根強く反転しましたが、月後半は逆に95円台半ばでの戻り売りが目立ちました。月間レンジもそれほど大きくなく、全体としては四半期末前の様子見になっていた様子です。ただ、引き続き米国による対中関税のことを考えると豪ドルの上値は抑えられやすいと言えるでしょう。
【確定損益】
豪ドル円はS100で運用していましたが、3月26日時点でポートフォリオ全体の月間ストップ金額に達したため、全てのポジションを閉じました。3月の確定損益は1,923円の利益となりました。
6.ユーロ米ドル
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3月のレンジ=1.0376〜1.0954
4月の戦略=4月12日セミナーで発表
【市況】
3月のユーロ米ドルは、ドイツの財政パッケージ協議に向けての思惑からドイツの長期金利が上昇しユーロ買いにつながりました。しかし2週目以降はEUの対米黒字が大きく米国による相互関税発動、自動車関税発動とEUに与える影響がおおきくなるであろうことから、米金利上昇の動きも手伝ってユーロの上値は抑えられる流れが続きました。
【確定損益】
ユーロ米ドルはS100での運用をB100に転換していましたが、3月26日時点でポートフォリオ全体の月間ストップ金額に達したため、全てのポジションを閉じました。3月の確定損益は106,390円の損失となりました。(利益額:3,046円、損失額:-109,436円)
7.現在のポートフォリオ運用について
「移動平均で攻めるループイフダン戦略」
使用チャートは日々の動きを明確にするため、複数時間枠表示という手法で日足チャートに週足移動平均線を重ねています。階段状になっているのはそのためで、1週間(5営業日)単位で移動平均線の値が変化していることがわかります。また、週足終値の位置を間違えないよう、日足を1週間ずつ青い四角で囲ってあります。つまり、青い四角の中の最後の日足終値が週足終値と同じです。また紫の四角で1か月を囲み、各月の値動きもわかりやすくしてあります。
長めのポジション保有を前提に「週足終値が20週移動平均線よりも上にあるか、下にあるかでトレンドを判断」します。ダマシを回避するため「実際の売買は、2週連続で終値が上か下というフィルター」をかけます。ポジションを閉じた後の再エントリーの場合もフィルターをかけます。
リスク管理としては、最大ポジション数が全ての通貨ペアで5、損切設定はあり、とします。ひとつの通貨ペアの資金管理として「1か月の最大想定損失額を証拠金の3%(当レポートでは15万円以上)に到達した通貨ペアに関しては、いったん全てのポジションを仕切った上で月末まで運用見送り」とします。
ポートフォリオ全体の資金管理として「証拠金の5%を超える損失(当レポートでは25万円超、現状4通貨ペアなので20万円)で、利益が出ているポジションも含め全て成り行き決済とし、その場合は月末まで一切ポジションを持ちません。これは、複数通貨ペアで想定以上の損失が出ることが無いようにするためのセーフネットです。
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