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2024/04/04
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『マイナス金利政策』の解除が決定!17年ぶりの利上げで生活やドル円は今後どうなる?

#FX
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日銀は、2024年3月18日、19日に開催された金融政策決定会合で、長年続けてきたマイナス金利政策を解除することを決定しました。

マイナス金利の解除は、日本の景気への影響はもちろん、私たちの生活に大きな影響を及ぼす重要なニュースです。

そこで今回は、マイナス金利政策とはどういったものだったのかということからマイナス金利政策解除による私たちの生活への影響についてわかりやすく解説します!

 

マイナス金利政策とは?

そもそもマイナス金利政策とはどういうものだったの?という方もいらっしゃると思いますので、簡単におさらいしていきましょう。

マイナス金利政策とは、日本各地の銀行が、「銀行の銀行」とも呼ばれる中央銀行「日銀」にお金を預けるとき、通常であれば利息を受け取るところ、逆に0.1%のマイナスの金利を支払うという政策です。

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私たちが銀行にお金を預けると、通常は、わずかでも利息を受け取ることができるはずです。
このように金利は、お金を預ける側が利息を受け取れる「プラス」の状態が普通で、各銀行が日銀にお金を預けるときもこれは同じです。

しかし、これをあえて逆にするのがマイナス金利です。

マイナス金利になると、各銀行は、日銀にお金を預ければ預けるほど金利を支払わなければいけないので不利な状態になります。

実は、これがマイナス金利政策の狙いの1つで、マイナス金利になると、各銀行は日銀にお金を預けるよりも、安い金利で民間企業などにお金を融資したり、投資したり、または個人にローンを提供することを選ぼうとします。

すると、市場にお金が出回りやすくなることから、日本が長年抱えている「景気低迷」や「デフレ」から脱却して、個人消費の回復が期待できるのです。

こうした狙いで、日銀の黒田総裁時代の2016年2月以降、「異次元の金融緩和」の一環としてマイナス金利政策がおこなわれてきました。

現在に話を戻すと、2024年3月18日、19日に開催されていた金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除17年ぶりの利上げを決定しました。

具体的には、日銀当座預金に適用する金利をプラス0.1%としながら、長期金利を操作する政策=イールドカーブコントロールの撤廃が発表されました。

最近では、大企業で賃上げの動きがみられ、物価の上昇も確認されます。
そんななか、日銀の植田総裁はマイナス金利政策について、「異次元緩和の役割は果たした」という見解を示しています。

 

マイナス金利政策解除のメリット

マイナス金利政策を解除するとどんなメリットがあるかについて考えてみましょう。

メリット① 銀行預金の利息が増える

まず1つ目のメリットは、「私たちの銀行預金の利息が増える」ことです。

マイナス金利政策が解除されると、各銀行が日銀に預けているお金にプラス0.1%の利息が付くようになります。

これにより、私たちが直接お金を預けている各銀行の預金金利にも反映されることが期待できます。

銀行に預金をしているという人にはメリットといえるでしょう。

メリット② 輸入品が安くなる

2つ目のメリットは、「円高に転じ、輸入品が安くなる可能性がある」ことです。

マイナス金利政策が解除されることで日本円から得られる利息が増えます。
そのため、円を保有する旨みが増え、為替市場で円が買われ、円の価値が上がり、円高に転じやすくなります。

今後、円高に転じれば、日本円建てでみた輸入品が実質的に安くなり、店頭でみかける、
● 輸入食品
● 海外製スマートフォン
● 海外製の高級ブランド品
● ガソリン
など、多くの商品が値下がりする可能性があります。

 

マイナス金利政策解除のデメリット

一方で、マイナス金利の解除にはどんなデメリットがあるかについて考えてみましょう。

デメリット① ローン金利の上昇

1つ目のデメリットは、「ローンの金利が高くなる」ことです。

今まではマイナス金利のもと、低金利でお金を借りることができました。

しかし、マイナス金利政策の解除を銀行からの立場でみると日銀への預金という新たなお金の運用先が生じることになります。
日銀の政策金利は世の中の会社の融資やローンといったお金を借り入れるためのコストの基準となるため、住宅ローンや自動車ローンなどの金利も高くなることが予想されます。

これから新たにローンを組む人だけでなく、変動金利でローンをすでに組んでいる人も、返済額が増える点に注意が必要です。

デメリット① 輸出産業への打撃

2つ目のデメリットは、「円高に転じ、輸出産業への打撃となる可能性がある」ことです。

日本の大企業は、海外への製品の輸出が主な事業となっている会社が多いです。

しかし、マイナス金利の解除により円高に転じた場合、外貨建てでみると日本企業が作った製品が値上がりします。
そのため、海外での価格競争力が低下し、企業によっては、業績が下がる可能性が出てきます。

 

為替への影響はどうなる?

ここまでのお話で、マイナス金利政策の解除が為替レート、特に円相場に大きな影響を与えることがおわかりいただけたかと思います。

先ほど解説したように、日本円を保有した場合に得られる利息が増えれば、円を保有したいと考える人が増えて、円高の要因となります。

では、今回のマイナス金利の解除はどの程度大きな円高要因になるのでしょうか?

マイナス金利解除後の日本の政策金利はプラス0.10%ですが、米国の5.50%、英国の5.25%、欧州の4.50%など、諸外国と比べると依然として低い水準です。

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マイナス金利の解除は象徴的な出来事ではあるものの、利上げの幅からいえば、円相場に大きなインパクトを与えるほどではないといえます。

事実、日銀の植田総裁は、マイナス金利を解除しても、「預金や貸出の金利が大幅に上昇するとはみていない」と話しています。
また、「当面は緩和的な金融環境を続ける」とも発言していることから、直ちに、大幅な利上げがおこなわれる見通しもありません。

一方で、米ドルの政策金利はすでに5.5%と高い水準にあり、米国の中央銀行にあたるFRBが今後、利下げを決断するのも時間の問題との見方が強まっています。

米国が利下げをすると、米ドルを保有するメリットが低下することから、米ドルは売られやすくなります。 このとき、米ドルの逃避先として利下げ余地の少ない日本円が買われれば、「米ドル/円」の通貨ペアでは、相対的に円高方向へ変動することが考えられます。

もちろん為替相場は、複数の材料を織り込みながら変動していますので、あくまでマイナス金利政策の解除だけを考慮したシナリオの一例として、参考にしてみてください。

まとめ

今回は、2024年3月に日銀が決定した「マイナス金利政策の解除」を中心に解説してきました。

マイナス金利政策が解除されることで、
● 私たちの預金の利息が増える
● 円高に転じて、輸入品が安くなる可能性がある
などの明るい見通しがある一方で、
● ローンの金利が高くなる
● 円高の程度に応じて、輸出産業の打撃となる可能性がある
といった点には注意が必要です。

また、為替レートは複数の要因で変動しているため、必ず円高になるわけではありませんが、日銀が17年ぶりに利上げに踏み切ったことは歴史的な転換点です。

FX取引をしている方は、マイナス金利政策解除の影響も頭の片隅に置いたうえで投資判断をしていきたいところだといえるでしょう。

 

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