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勝率を高める努力は必要!でもそこまで高勝率でなくても良い理由【鹿子木健】
今回のテーマは勝率です。高いほど勝てるのはその通りなのですが、勝率だけにフォーカスするのは良くない傾向です。一見して分かりやすい存在だけど、あまり理解されていない部分も多いこの勝率を、今回は掘り下げていきます。
1.勝率はたしかに分かりやすい
FXの手法や自動売買のスペックを測定する指標のひとつに、勝率があります。これは全トレードの中で、プラス収支で終わったトレードの割合のことで、勝ちトレード回数÷全トレード回数×100で求められます。
例えば、全部でトレードを10回して、プラス収支が5回なら、(5÷10)×100で勝率50%となります。
勝率は、投資の勉強をこれから始める人にとっても分かりやすい指標といえます。勝率が高いほど勝ちが多くて良いことは感覚的にも理解できますし、プロ野球の順位決定など投資以外のジャンルでもよく用いられます。
ですが、勝率だけ追求してもうまくいきません。拙著「勝てない原因はトレード手法ではなかった FXで勝つための資金管理の技術」
では、資金管理に欠かせない4要素のひとつとして、勝率をピックアップしています。
①リスク許容
②勝率
③ロスカット
④リスクリワード
の全てが機能して、初めて合理的で有機的な資金管理が実現します。これまで何度も書いてきた通り、資金管理=トレードですから、勝率だけで戦うのは現実的ではありません。
2.大数の法則の理解から
勝率について考えていくとき、ベースには大数(たいすう)の法則があります。トライ回数が増えるほど、確率的に計算できる理論値に結果が近づいていくという法則です。サイコロの1〜6の目の出る確率はどれも同じですが、60回だけ振っても均等に目が出ないことも多いはず。しかし6万回振れば、どの目も1万回前後の出現数になるはずです。
このように、かなりまとまった量のトレード回数がなければ、勝率を測定し、評価することは不可能です。つまり、10回や20回程度のチャレンジで、勝率を判断するのはまだ早いというわけです。
3.勝率50%を基準に上げていく努力を
何も知識がない人が、何の条件も定めずにトレードをした場合、勝率が50%になると考えることにします。FXの取引には新規買い→決済売り、新規売り→決済買いの2パターンしかなく、これから上がるか下がるかは基本的に2分の1のランダムであると考えると、ランダムなトレードもこれを踏まえた結果になると思われます。
私はこの50%という勝率を、勝率を考える際の基準にします。そしてここから勝率を51%、52%と上げていく努力をしていくべきと考えます。
勝率をアップさせるためには、エントリーの精度を上げたり、値動きを見て手動でトレールをして、利益を順次確保していくことなどが有効です。
4.ただし勝率80%は必要ない理由
もちろん勝率は高い方が良いですが、極端な高勝率を求める必要もありません。勝率80%、90%ともなると、ごく短い期間にクリアしていることはあっても、年単位で持続することはできないと思います。
もしできるとしても、損切りをできるだけしない、僅かな値幅で利食いするなど、先に挙げた資金管理の4要素のうち、②勝率以外の、①リスク許容、③ロスカット、④リスクリワードを犠牲にする可能性が高いです。
私の感覚では、勝率は55%〜60%程度あれば十分です。高くても60%台です。それ以上の高勝率でなくても、しっかりと資金管理の条件を満たしていれば十分に資産は増えていくと思います。
5.直近の相場から勝ちパターンを探る
私はFXで利益を出すために、勝ちパターンという考え方を提唱しています。
勝ちパターンは何かというと、あえて抽象的に書きますが、「相場の方から、美味しい局面なのでぜひエントリーしてください」とお願いされている状態のことです。
「ここでエントリーしたら勝てるかな?」という迷いは一切生じません。儲かって当然と判断できる形になっていることが、すなわち勝ちパターンです。
勝ちパターンを構成するものは、チャート分析やトレード手法だけではありません。資金管理、相場の地合、メンタルやマインドなど、全てが揃った状態こそ、勝ちパターンです。
ですが、現在のFXの業界では、チャート分析やトレード手法のみが追い求められているように感じます。
もちろんチャートや手法は大切なのですが、それらを単体で見るのではなく、それらを含んだ総合的な判断をしていくことが、FXを資産運用としてとらえていくベースになる考え方になります。
私が皆さんにお教えしている勝ちパターンは1〜10まであるのですが、今回は勝ちパターン1の例を紹介します。
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