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2021/11/03
シストレ活用事例

山中康司のループイフダン戦略レポート(2021年11月①)

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ループイフダン「2021年11月の戦略」

●移動平均で攻めるループイフダン戦略(戦略概要)

長めのポジション保有を前提に「週足終値が20週移動平均線よりも上にあるか、下にあるかでトレンドを判断」します。ダマシを回避するため「実際の売買は、2週連続で終値が上か下というフィルター」をかけます。リスク管理はこれまで同様で最大ポジション数はドル円が10(その他は5)、損切設定はあり、とします。(*下線部分は昨年11月からの変更)

使用チャートは日々の動きを明確にするため、複数時間枠表示という手法で日足チャートに週足移動平均線を重ねています。階段状になっているのはそのためで、1週間(5営業日)単位で移動平均線の値が変化していることがわかります。また、週足終値の位置を間違えないよう、日足を1週間ずつ青い四角で囲ってあります。つまり、青い四角の中の最後の日足終値が週足終値と同じです。また紫の四角で1か月を囲み、各月の値動きもわかりやすくてあります。

ポートフォリオ全体の資金管理としては、以前の戦略と同様「1か月の最大想定損失額25万円以上に到達した通貨ペアに関しては、いったん全てのポジションを仕切った上で月末まで運用見送り」というスタンスです。なお、この状態で「ポジションが無い状態での翌月のエントリーは、2週連続で終値が上か下かというトレンドが確定した週末を待つこと」としています。つまり、再エントリーの場合でもフィルターをかけます。

ポートフォリオ全体としては、証拠金の6%を超える損失(当レポートでは30万円超の損失)で、全ての利益が出ているポジションも含めて成り行き決済とし、その場合は月末まで一切ポジションを持ちません。これは、複数通貨ペアで25万円以上の損失が出ることが無いようにするためのセーフネットです。

*ユーロドルにのみ適用するフィルター

ユーロドルも基本的戦略は同じですが、以下のように更にフィルターをかけることでエントリーの回数を減らす代わりに勝率を上げることとしました。

「移動平均線の傾きもフィルターとします。つまり、移動平均線の上抜け・下抜けが2週連続で確定した時に、上抜けであれば移動平均線の傾きが上昇している、下抜けであれば移動平均線の傾きが下降しているということを追加条件とします。」

つまり移動平均線と終値の位置関係、移動平均線の傾きの双方が一致していれば売買を行い、一致しない場合は売買を見送ります。状況によってはポジションを持たない期間が長期化する可能性がある戦略で、収益機会はかなり減りますが損失の機会も減るため、長い目で見れば効果が出てくると考えます。なお、今後の状況によっては見直す可能性はあります。

●ドル円

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※赤い線が移動平均線です。

10月のレンジ=110.82〜114.68

現在の設定:B50 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数10 損切あり

11月の戦略=B50を再開

ドル円は「B50」で継続運用していましたが、前回の中間レポートに示した通りポートフォリオ全体のストップロスに引っかかったため、全てのポジションを決済しました。よってそれ以降のポジションは無く、10月の確定損益も変わらず33,421円の利益です。なお、ポートフォリオ全体の損益は312,920円の損失となりました。単月の数字としては30万円程度であれば取り返せる前提で運用していますので、許容範囲内の数字です。

11月から「B50」で運用を再開しました。現時点でのポジションは1単位(平均コスト114.068)、370円の含み損となっていますが、上昇局面での利食いを待っている状況です。

●ユーロ円

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10月のレンジ=128.32〜133.47

現在の設定:B80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

11月の戦略=B80で再開

10月のユーロ円は、ユーロドルの動き以上にドル円でのドル高が進んだ結果として、ユーロ円も大きく上昇することとなりました。米金利上昇によるドル買いがもっとも緩和縮小に遠い円により反応したこと、またドル円でのテクニカルな節目を次々と超えたことにより、ユーロ円だけでなくクロス円全般での円安が目立った一か月だったと言えます。

ユーロ円は「S80」で継続運用していましたが、中間レポートに示した通りポートフォリオ全体のストップロスに引っかかったため、全てのポジションを決済しました。10月の確定損益も変わらず38,221円の損失です。

11月からは「B80」で運用を再開しました。現時点でのポジションは1単位(平均コスト132.295)、440円の含み損となっていますが、上昇局面での利食いを待っている状況です。

●ポンド円

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10月のレンジ=149.22〜158.21

現在の設定:S100 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

11月の戦略=B100で再開

ポンド円もユーロ円と同様にドル高の勢いが対円で目立ったことが大幅高の最大の要因ですが、英中銀は米国FRBよりも先に利上げに動くとの思惑も急速に膨らみ、早めれば11月4日の英中銀MPCで利上げが行われるとの見通しもポンド買いを支え、テクニカルにも長期的な節目を超えたことが大きかったと言えます。

ポンド円は「S100」で継続運用していましたが、中間レポートに示した通りポートフォリオ全体のストップロスに引っかかったため、全てのポジションを決済しました。10月の確定損益も変わらず141,946円の損失です。

11月からは「B100」で運用を再開しました。現時点でのポジションは1単位(平均コスト155.781)、360円の含み損となっていますが、上昇局面での利食いを待っている状況です。

●豪ドル円

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10月のレンジ=79.89〜86.24

現在の設定:B80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

11月の戦略=B80で再開

豪ドル円も他のクロス円と全く同様で大幅に円安が進んだ一か月でした。豪州は資源国ということで特に天然ガスや石炭価格の高騰が豪州の貿易収支大幅改善に寄与し、ロックダウンによる景気減速も打ち消すほどの勢いがありました。世界の火力発電の主力はいまだに石炭で3分の1が石炭火力ですが、今年に入ってからの石炭価格は3.8倍もの急上昇となっています。引き続きエネルギー価格の高騰は豪州景気にとっては好材料となります。

豪ドル円は「S80」で継続運用していましたが、中間レポートに示した通りポートフォリオ全体のストップロスに引っかかったため、全てのポジションを決済しました。10月の確定損益も変わらず166,174円の損失です。

11月からは「B80」で運用を再開しました。現時点でのポジションは1単位(平均コスト85.885)、450円の含み損となっていますが、上昇局面での利食いを待っている状況です。

●ユーロドル

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10月のレンジ=1.1524〜1.1691

現在の設定:S60 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

11月の戦略=S60で再開

10月のユーロドルは月初はドル買いの動きとともにユーロ売りが先行しましたが1.15の大台を前に下げきれず反転、最終週はECB理事会後のラガルド総裁会見で景気は順調、インフレ率の高止まりは長期化といった発言をきっかけにユーロが月間高値へと上伸しましたが、月末のロンドンフィキシングで実需の大口ユーロ売りが出たことから急反落しての月末となりました。

ユーロドルの戦略ではエントリーなしの状況が続いていましたが、今月は全ての通貨ペアで新規に再開することとなったため、ユーロドルも現時点で再開すればという観点からS60で運用を再開することとしました。今後の決済や新規ポジション等は冒頭の戦略通りです。

現時点でのポジションは1単位(平均コスト1.15959)、217円の含み損となっていますが、下降局面での利食いを待っている状況です。

●カナダ円(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:S80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

11月の戦略=B80を継続

●スイス円(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:S80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

11月の戦略=B80を継続

●ランド円(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:S50 10ロット(10万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

11月の戦略=B50を継続(11月5日の終値次第でS50に転換も)

●トルコリラ円(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:S50 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

11月の戦略=S50を継続

●メキシコペソ円(チャートのみ、ゾーンのみ)

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現在の設定:B50 10ロット(10万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

11月の戦略=B50を継続

(注)メキシコペソ円はデータ配信元の仕様でバーチャート表示となっていますが、移動平均線の計算には影響しません。

●NZドルドル(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:B80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

11月の戦略=B80を継続

●豪ドルNZドル(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:S80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

11月の戦略=S80を継続

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著者プロフィール
山中康司
山中康司
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析と独自のサイクル分析を融合させたトレンド分析には定評がある。ループイフダン関連書籍『マンガでわかる FXの新常識ループ・イフダンでらくらく稼ぐ』を監修。