【2021年】ブラジルレアルの今後の見通し【お金マン】

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高金利・高成長の新興国通貨として人気を博していたブラジルレアル。

かつてはブラジル、ロシア、インド、中国を総称してBRICSと呼ばれ、その成長性に市場関係者は大きく期待を持っていましたが、近年では経済成長・為替推移も翳りが見られています。

今回の記事では、ブラジルレアルについて詳細に解説していきます。

この記事を読めば、
ブラジルの基本情報・特徴
産業構造や経済の状況
政策金利をはじめとした金融政策の方向性
2020年のブラジルレアルの動向
2021年のブラジルレアルの見通し

について理解を深めることができます。

ブラジルの基本情報・特徴

ブラジルはアメリカの南部に位置している、中南米地域最大の経済規模を誇る国です。

国土は日本の約22倍を誇り、人口も約3億人と、世界第5位の人口規模を誇ります。

中南米ではトップクラスの経済規模を誇り、世界第9位のGDPのため、新興国を代表してBRICSと呼ばれていました。

今では日本企業の多くはEPA(経済提携協定)を結んだメキシコに進出していますが、かつてはアジア圏を除けば日本企業の1番の進出先でした。



ブラジルの産業構造

ブラジル経済の約65%がサービス産業で占めており、次いで工業が21%、農業が7%で構成されています。

サービス産業の中でも、金融・情報通信・不動産がGDP全体の約50%を占めており、小売り・卸売、運輸、宿泊・観光業で約25%となっています。

広大な国土を持ち、世界第5位の人口規模を持つため、産業構造が内需主導となっています。

貿易については、大豆・食肉・砂糖など一次産業の農産物が輸出の上位になっています。

特に大豆については、アメリカに次ぐ世界最大規模の生産量を有しており、生産量も拡大の一途をたどっています。

砂糖についても、過去のプランテーション開発を軸に世界最大の生産量を誇ります。

GDP構成の割合としては少ない農業部門ですが、生産量はここ30年間で著しい成長をはたし、世界最大規模の生産量となっています。



ブラジルの経済状況について

ところが、近年ブラジルではかつての新興国のような勢いをなくしており、経済成長が失速しています。

大きな要因としては、

2003年以来政権を握っていた労働党によるバラマキ政策
バラマキ政策による財政赤字の拡大と、それによるインフレ圧力
数々の大統領の汚職事件

があげられます。

特にバラマキ政策の実行による財政赤字の拡大・インフレ圧力の増加はブラジル経済を圧迫し続けていました。

労働党は、約4,000万人もの貧困層に対し給付金を出し続けました。

短期的には貧困層を助け、個人消費の増加に貢献しましたが、財政赤字というツケが回ってしまい、インフレ圧力が高まってしまいました。

高まるインフレ圧力に対して危機感を覚えた政府・中央銀行は、政策金利の利上げで対応しようとしましたが、その影響で市中に流れているお金の循環がうまくいかなくなり、さらに経済失速を引き起こしてしまっています。

このように経済が失速している中で、2020年には新型コロナウィルスの感染拡大による更なる経済失速が発生します。

ただ、他の中南米諸国と比較すると新型コロナウィルスの拡大による経済への傷は浅く、2020年7月~9月には回復基調に移行しています。



ボルソナロ政権による構造改革について

今後の経済動向については、2019年に発足したボルソナロ政権の構造改革の動向を見る必要があります。

ボルソナロ政権においては、以下の経済構造改革案を掲げ、実行に動いています。

年金改革
税制改革
国営企業の民営化
メルコスール(南米南部共同市場)とEUとのFTA(自由貿易協定)交渉

大きくわけて、財政政策と経済政策の2つに分けて、改革を実現しようとしています。

これまでのバラマキ政策により財政赤字が拡大しているため、年金の支給年齢を引き上げ、所得税を単一税率に変更することで、財政収支の健全化を図ろうと計画しています。

国営企業を民営化することで経済効率をあげ収益を生みやすい体質に生まれ変わらせ、経済活動の活性化を狙っています。

また、メルコスール(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの共同市場)とEUとのFTA交渉をし、貿易を通してGDPの底上げを図ろうとしています。

特にEUとのFTAが実現すれば、約12兆円もの経済効果が生まれる想定のため、注目されています。



ブラジルの政策金利・金融政策の方向性

ブラジルレアルにおいても、かつては10%を超える高金利通貨でしたが、近年は当時と比較すると金利はかなり引き下げられています。

2016年には14.25%あった政策金利は、ここ数年の経済失速により段階的に引き下げられ、2018年~2019年には6.5%、2020年には新型コロナウィルスの影響も受けて2.0%にまで引き下げられました。

2021年の3月には2.75%、5月には3.5%とここ数か月で1.5%金利が引き上げられましたが、以前と比較すると低水準です。

最近の経済指標が堅調に推移していることと、利上げの基準となるインフレ率が上昇していることを受けて、利上げの方向に動いています。

ブラジル中央銀行は、6月においても5月と同水準の利上げを行うことを示唆しているため、ここまで段階的に引き下げられてきた政策金利は、今後利上げの方針が継続する見込みです。



2020年のブラジルレアルの動向

ここで、2020年のブラジルレアルの動向を振り返ります。

下記は2020年1月~12月のブラジルレアル/日本円のチャートです。

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2020年1月に新型コロナウィルスの感染が確認されてから徐々にブラジルレアルに売りの圧力がかかりはじめ、3月から売りが更に加速していきます。

1月では1ブラジルレアル=27円でしたが、5月には17円台にまで下がっています。

その後、6月にかけてこれまでの売りに対する買戻しが入ったため、ブラジルレアルは買われましたが、その後も18円台~20円台の範囲で徐々に値下がりの傾向にありました。

11月頃からようやく落ち着きはじめ、上昇に転じました。

新型コロナウィルスの拡大に伴い、全世界的にリスクオフの姿勢になったことから、3月~5月は特に下落の目立つ1年でした。

一方、年末頃からは予想よりも堅調に経済指標の改善が見られたため、11月からは上昇に転じています。

2021年のブラジルレアルの見通し

2021年のブラジルレアルの見通しは、一言でいうと横ばいを予想します。

2021年の3月以降政策金利の引き上げが継続的に実施されているのを考えると、ブラジルレアルにとってプラスの材料となります。

一方、世界全体を見ると、まだまだリスクに対しては敏感な相場と言えるため、新興国通貨への投資には慎重な見方があります。

プラス材料とマイナス材料が拮抗しているため、横ばいの相場を予想します。

また、2021年の年始には、新型コロナウィルスのブラジル型変異株が発見され、レアルの下押し材料となっています。

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こちらは2021年12月から5月までのチャートになります。

年初に新型コロナウィルスの変異株が発見されてからレアルの売り圧力に拍車がかかりましたが、3月・5月に政策金利が継続して引き上げられると、再度買い基調に戻りました。

このように、マイナスの材料とプラスの材料とが拮抗する可能性が高いと予想されます。

この1年間は、1ブラジルレアル=18円~22円程度で推移すると予想します。

まとめ

今回の記事ではブラジルレアルの経済状況や政策金利について、2020年の相場振り返りと2021年の見通しについて詳細に解説していきました。

2021年に入り継続的に政策金利が引き上げられている点はプラス材料ですが、金融市場の不透明感がまだ払拭できない状況を見ると、大きな下落はないものの大きな上昇も期待できない、と見ておいた方が良いです。

また、2019年に発足したボルソナロ政権による経済構造改革がどのように進んでいくのか、その展開によっても相場状況は変わってくるので、この動向も注視する必要があります。

世界的に金融緩和・金利引き下げの流れにある中、ブラジルは政策金利を引き上げる方向に動いていることは確かなので、スワップポイント狙いで一時的に買いのポジションで保有するのは有効かもしれません。

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著者プロフィール

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お金マン
2017年の仮想通貨バブルで投資の世界に参入。資産運用のためスワップポイント、自動売買に惹かれFXを開始。現在はスワップポイント等に限らず、レバレッジ取引、自動売買botの自作など、幅広くFXをしています。
サイトURL:https://imasugu-fx.com