スイスフランの特徴・為替動向を徹底解説【永世中立国】【お金マン】

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2015年に起こった「スイスフランショック」で有名な北欧の1国、スイス。

20分の間に40%もの下落し、このパニックに乗じて大きな利益を出した人もいれば、大きな損失を出した方もいます。

このような例があるので、スイスフラン=ボラティリティ・リスクの高い通貨という認識があるかと思いますが、そんなことはありません。

永世中立国であるスイスは、2015年のようなイレギュラーもあるので「絶対」ではないですが、比較的価格の変動が安定している傾向にあり、比較的安全な資産として認識されています。

今回の記事では、スイスフランの為替の特徴を解説していきます。

この記事を読めば、スイスフランの

  • 特徴
  • 経済や財政状況
  • 2015年のスイスフランショック
  • 今後の動向、何に注目すればいいか
を理解することができます。



スイスフランの特徴①~有事の際のフラン買い~

スイスフランの特徴は、大きく分けると

    • 永世中立国
    • 低金利政策
があげられます。

スイスは、北欧に位置する永世中立国で、EU諸国とも距離をおき独自路線を歩んできています。

多くのユーロ圏の国ではユーロを通貨として利用していますが、スイスではユーロは使われず、自国通貨であるスイスフランが使われています。

そして、永世中立国ということで、国際紛争などが発生したタイミングでも、軍事介入などは行いません。

つまり、永世中立国ということで、地政学リスクが発生した時に損害を受けにくい国であり、安定性の高い通貨であるといえます。

そのため、有事の際に「買い」が入りやすい通貨になります。

2001年の米国同時多発テロ時や、2003年のイラク軍事介入の際のような世界的に地政学リスクが感じられるようになったタイミングでは、スイスフランは大幅に買われています。

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勃発前までは1スイスフラン=70円~72円付近で推移しておりましたが、2001911日以降は年末年始に向かってスイスフラン買いが進行し、1スイスフラン=80円台まで上昇していきました。

また、2010年~11年のアラブ民主化運動が激化した際も、地政学リスクに反応し、スイスフランは大幅に買われました。

激化していた2月前後には1スイスフラン=88円台まで買われ、その後も上昇トレンドが継続し、91.8円にまで買われ続けました。

このように、リスクが顕在化するタイミングで、スイスフランは買われやすくなります。

スイスフランの特徴②~低金利政策~

2の特徴として、スイスフランは低金利政策を継続している点があげられます。

2008年のリーマンショック時には政策金利が2.75→0.25%まで大幅に引き下げられました。

リーマンショックを皮切りに、スイスは低金利政策を継続し続けています。

2011年に0.25%から0%に引き下げられ、ゼロ金利政策が導入されました。

その後、2014年には-0.25%と初のマイナス金利政策を導入、翌年2015年には-0.75%に引き下げられ、その後も-0.75%は継続されています。

このようなマイナス金利政策を継続しているスイスですが、背景としては「スイスフラン高」の警戒感があります。

スイスは国内の人口の少ない国であるため、輸出産業に依存しやすい経済構造になっています。

ということは、スイスフランが安ければ、経済構造上スイス経済に有利に働きます。

そのため、スイスとしてはスイスフラン安にするように為替介入を行い続けてきました。

マイナス金利政策の導入も、その一環です。

このように、非常に金利が低いため、スイスフランはキャリートレードの際の資金調達元として活用されることも多いです。

低金利のスイスフランを調達し、新興国通貨など高金利通貨に変換し、金利差益を狙う投資家も多いです。



スイスの経済・財政状況について

スイスの経済状況の特徴としては、

          • 1人当たりGDPが世界3位と、生産性が非常に高い
          • GDPの66%を占めるほど、輸出が多い
点が挙げられます。

スイスは全人口が約800万人と、先進諸国の中で比較的人口が少ないにも関わらず、1人当たりのGDPが非常に大きいです。

背景には、経済構造のうち、輸出が大きい点と、グローバル展開をしている多国籍企業の多さがあります。

スイスには、チューリッヒ保険、ネスレ、スウォッチなど、多くの日本人の方が聞いたことのあるようなグローバル企業の本社があります。

世界展開をしており、1社が生み出す経済的な付加価値の多さも、スイス経済の特徴といえます。

また財政的にも非常に安定性が高い国の1つです。

政府が抱える債務を見てみると、日本は対GDP236%もの大きな債務を抱えているのに対し、スイスは41%と、債務額が少ないです。

1年間のGDPでまかなえる額の債務しか抱えていないため、財政的にも安定性が高い国であるといえます。



2015年に起こったスイスフランショックについて

ここまでスイスフランについて解説してきましたが、スイス経済や財政上の安定性、永世中立国であることによる地政学リスクの低さなどが理解できたかと思います。

ところが、2015年に「スイスフランショック」が発生し、投資家に大きな損失(人によっては大きな利益)をもたらしました。

スイスはスイスフラン高を警戒しているため、為替介入をすることによって一定の価格ラインでスイスフランを安定させようとしていました。

それにも関わらず、数年来スイスフラン高の傾向はおさまることはありませんでした。

それまで継続的に1ユーロ=1.2スイスフランを下限としたスイスフラン売りユーロ買いを行うことでスイスフラン安方向へ相場を動かそうとしていたのですが、スイスフラン買いの圧力が収まりませんでした。

そして2015年に、1ユーロ=1.2スイスフランとする為替介入政策を辞める、とスイス側が宣言しました。

この宣言を受けて、ユーロ買いスイスフラン売りのポジションを持っていた投資家は損切りを行い、一時は一夜にして40%以上もスイスフランが買われ、(ユーロが40%以上も暴落し)投資家に大きな影響を与えました。

これまで安定資産として認識されていたスイスフランの流動性が乱れ、損失に巻き込まれた投資家も多かったようです。



今後のスイスフランの注目ポイント

今後のスイスフランの動向を占ううえでは、下記のポイントに注目することが大切になります。

  • 地政学リスク
  • 金融政策

ここまで解説してきた通り、スイスフランは地政学リスクが発生するタイミングで大きく上昇しやすい通貨です。

そのため、世界情勢を鑑みて、紛争・戦争や国際的な緊張が高まるタイミングに、資金の移動先として投資するのがベターです。

特に注目すべき情報は、中東の戦争・紛争リスクについてと、アメリカのバイデン政権の対中東、対中国への姿勢です。

これらのニュースは地政学リスクに直結するので、情報を欠かさず仕入れるようにしましょう。

また、金利政策、為替介入を含めた金融政策についても注目すべき点です。

スイスフランショックの時に、為替介入の上限を撤廃したものの、基本的にはスイスフラン高への警戒は続いています。

金融政策の方向性は、特にスイスフランへの投資にあたっては情報を仕入れておく必要があります。



まとめ

今回の記事では、スイスフランについて詳細に解説していきました。

永世中立国であり、財政面や経済状況としても非常に安定性の高い国であるため、基本的には通貨の安定性は高いです。

特に地政学リスクが発生したタイミングでは大幅に買われる傾向にあるので、トレードチャンスになります。

ただし、為替介入が行われる、という特徴もありますので、金融政策については日頃から情報収集し、リスクを取り過ぎないようにトレードを進めていきましょう。

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お金マン
2017年の仮想通貨バブルで投資の世界に参入。資産運用のためスワップポイント、自動売買に惹かれFXを開始。現在はスワップポイント等に限らず、レバレッジ取引、自動売買botの自作など、幅広くFXをしています。
サイトURL:https://imasugu-fx.com