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2020/10/21
FX投資

金融政策って何?為替相場にどう影響するの?【お金マン】

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FXをはじめとした投資において、金融政策を理解し、相場の方向性を理解することは非常に大切です。

ところが、初めて投資をする方にとって、金融政策の記事やニュースは何か小難しく感じたり、わかりづらかったりするかもしれません。

今回の記事をお読みいただければ、金融政策にはどのようなものがあるのか、相場にどう影響を与えるのかなど、相場の方向性を読む上で大切な知識を得ることができます。



金融政策ってなに?

そもそも金融政策とは何でしょうか?

金融政策とは、中央銀行が行う金融面からの経済政策のことで、物価や通貨価値の安定、経済の持続的拡大を目的に行う政策です。

市場に出回る資金の供給量(マネーサプライ)を調整することで景気や物価を安定させることが、金融政策です。

例えば、急激に景気が良くなり経済成長が進むと、いずれその反動により急激な落ち込み・不況に陥ることになります。

日本でも1980年代にバブル経済となりましたが、その後の20年近くはバブル経済の反動で「失われた20年」と言われるほどの不況になりました。

このように急激な経済変動が起こらないよう、金融の側面から物価や通貨価値、経済状況を安定化させるのが、金融政策です。

通貨価値・物価・経済を安定化させるために、
・好況時⇒金利を引き上げたり、市場に国債などを売却したりすることで資金流通量を少なくする
・不況時⇒金利を引き下げたり、市場の国債などを購入したりすることで資金流通量を増やす
などの施策をし、バブル化の防止や、不況対策を行います。



金融政策は具体的に何をするの?

上記で金融政策の主な目的がわかりましたが、それでは具体的に何をするのでしょうか?

金融政策には、主に公定歩合操作をはじめとした『政策金利の操作』と、市場に出回っている国債などの売買により市場に出回っている資金の流通量を調整する『公開市場操作』があります。

金利の操作は伝統的金融政策、公開市場操作などは非伝統的金融政策と分類されています。

それぞれ具体的に見ていきましょう。

伝統的金融政策について

金融政策においては伝統的に政策金利の操作を金融政策のメインにおいていました。

好景気・物価上昇(インフレ)傾向にある状況では政策金利を上昇させることで、物価の安定化を図っていました。

一方、不況・物価下落(デフレ)傾向の状況では政策金利を引き下げることで、物価の上昇を狙ってきました。

新興国や資源国などではこうした伝統的金融政策を実施するケースが多いですが、アメリカやEU諸国、日本などの先進国では、金利をギリギリまで引き下げてしまっているので、近年は非伝統的金融政策をメインに据えて政策実行をしています。

非伝統的金融政策について

先進国では金利をギリギリまで下げているので、金利操作以外で資金供給量を増やす必要があります。

そのため、近年では先進国中心に公開市場操作を中心とした金融政策を取られることが多いです。

公開市場操作とは、各国の中央銀行がその国の市場に出回っている国債を中心に金融資産を購入・売却することで、市場に出回る資金流通量を調整します。

これまでは国債を中心に資産買入れ・売却がされてきましたが、近年ではETFや社債・外債・REITなど、買い入れ対象が拡大しています。

他にも、物価の上昇を目標数値前後でコントロールする『インフレターゲティング』や、マイナス金利の導入などが非伝統的金融政策として挙げられます。

このようにして資金流通量を増減させ、景気や物価が適切な水準で保たれるように政策を実施していきます。



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金融政策と為替相場の関係

ここまで金融政策についてみてきましたが、金融政策は為替相場に大きな影響を与えます。

金融政策を通してその国の資金供給量を調整するのですが、資金供給量が少なくなればその国の通貨価値は高くなり、反対に供給量が多くなればその国の通貨価値は低くなります。

つまり、
・金融引締策⇒通貨高
・金融緩和策⇒通貨安
になります。

また金融政策により発生する金利の上下が、その通貨の魅力度を増減させ、為替相場に影響を与えます。

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こちらの図は豪ドルの政策金利と為替相場の関係を示したものですが、2010年〜2011年にかけて、オーストラリアでは金融引締め策として、段階的に金利を上昇させました。

それに伴い、円安豪ドル高の相場になりました。

もちろん金融政策だけが為替相場の決定要因ではないのですが、今後の方向性を見るうえで金融政策の動きは非常に大切な要素の1つになっています。

金融政策と相場の関係を理解するために、直近10年間で行われた金融政策と為替相場の動向を具体例として見ていきましょう。

アメリカによる大規模金融緩和QE1・QE2

2007年頃にアメリカで端を発したサブプライムローン問題により、2008年9月にリーマンショックが発生しました。

リーマンショックが引き金で金融不況に入りましたが、この大恐慌をいち早く抜け出すためにアメリカで大規模な金融緩和政策が実施されました。

それが、QE1(2008年11月〜2010年6月)、QE2(2010年11月〜2011年6月)と呼ばれる大規模な量的金融緩和政策です。

QE1では1兆7,250億ドル(約155兆円)、QE2では6000億ドル(約54兆円)もの資金が投入されました。

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大規模な金融緩和が行われることで米ドルの価値が目減りしていき、円高ドル安の為替相場のトレンドが継続していきました。

アベノミクスによる金融緩和

一方、2011年の東日本大震災の影響で経済の回復が遅れている日本では、2012年末からアベノミクスと呼ばれる安倍政権による大規模な金融政策が行われることになります。

市場に出回っている国債やETFを大量に購入することで市場に大量の資金が供給されるようにし、不景気な経済にテコ入れを図ろうとしました。

当時民主党政権でしたが、自民党による『金融緩和による景気回復』という強いメッセージが市場関係者や有権者に評価され、自民党が政権を再度勝ち取りました。

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このように自民党が政権を再獲得した2012年末から、金融緩和路線の継続がなされ、現在まで円安・ドル高トレンドが継続しています。



今後の金融政策・為替の見通しについて

金融政策が為替相場に大きな影響を与えることは、ここまででご理解頂けたと思います。

それでは、今後の金融政策の方針はどのようなものなのか、そして為替の見通しはどうなのかを見ていきましょう。

日本の金融政策の方針

20年8月に安倍首相が辞任を発表し、後任として菅政権が確立しましたが、当面は日銀を含めて金融緩和の路線を維持していくことが発表されています。

特に今年はコロナウィルスへの対応も含め、市場に供給する資金を積極的に増やしていこうという姿勢で、政府と日銀とが協調している状態です。

アメリカの金融政策の方針

一方アメリカにおいても、本記事の執筆時点では、積極的な金融緩和路線を継続していく方針だと発表しています。

コロナウィルスに対する経済政策を積極的に打つという方針は、トランプ政権のもと積極的に進められている状況です。

また、アメリカの中央銀行であるFRBの方針によると、2023年までは現状の実質ゼロ金利である政策金利を維持し続け、金融緩和路線を続けていくようです。

為替の見通しについて

日本、アメリカ共に金融緩和路線が続く方針のため、ドル円相場は大きな円安/円高トレンドなどは形成されず、ある程度の値幅で拮抗しもみ合う相場展開になると予想されます。

コロナウィルスの影響により世界中の経済が不安定な状況にある中、日米をはじめ各国の中央銀行では金融緩和政策の方針が続いています。

その中で、日銀やFRBも金融緩和路線を継続して崩さない方向だと発表しています。

そのため、一時的に円安/円高方向に傾いたりはするものの、中長期的に見るともみ合い相場が続くのではないでしょうか。



まとめ

このように、各国の中央銀行による金融政策について理解することは、為替相場を理解するにおいて非常に大切です。

FX投資においては、「為替動向を読んでトレードをして利益を出す」というやり方と同時に、「高金利通貨に投資して、スワップポイントを得る」というやり方もあります。

どちらの手法を取るにせよ、その国の金融政策の方針の現状についてや、中央銀行の考え方などについて理解しておくことで、投資の勝率を高めることが出来ます。

まずは日本とアメリカの金融政策の方向性だけ、情報を追いかけていくのでも良いです。

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著者プロフィール
お金マン
お金マン

2017年の仮想通貨バブルで投資の世界に参入。資産運用のためスワップポイント、自動売買に惹かれFXを開始。現在はスワップポイント等に限らず、レバレッジ取引、自動売買botの自作など、幅広くFXをしています。