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2020/01/15
シストレ活用事例

山中康司のループイフダン戦略レポート(2020年1月号②)

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ループイフダン「2020年2月以降の戦略」



●2月からの方針

前回1月月初のレポートでは、ユーロドルを除いた通貨ペアのパフォーマンス悪化により戦略を見直す必要があることを過去の成績とともに示しました。

そこで2月からの戦略では、ループイフダンの特性を活かし以下のような戦略へと大転換することとしました。

(1) これまでよりも長めのポジション保有をする
(2) 月初にはこだわらずトレンド転換に沿って見直しを行う

ここで問題となるのは何を基準に「長め」と「トレンド転換」を考えるのか、ということですが、今回はシンプルに週足の移動平均線を使った戦略を立ててみました。

過去を振り返るとそれなりにワークしているとはいえ、大きな戦略転換となりますので、3か月後と6か月後に戦略が有効なのかをレビューした上で、パフォーマンス的に結果が出ていない時には早めに見直すこととします。

●週足移動平均線

移動平均線によるトレンド把握と転換を考える時に、パラメータをどうするかが最初の問題となりますが、今回の戦略では20週単純移動平均線を使うことにしました。この移動平均線とローソク足との位置関係でシンプルにトレンドを判断します。

トレンド判断の基本は以下のようにわかりやすいものとしました。

上昇トレンド 終値が移動平均線より上にある状態
下降トレンド 終値が移動平均線より下にある状態

これだけですと、どうしてもダマシが出やすくなりますので、以下のフィルターをかけます。

終値と移動平均線の位置関係は2週連続で同じ状況となること、つまりトレンドの転換は以下のようになります。

上昇トレンドから下降トレンドへの転換 週足終値が2週連続で移動平均を下回る
下降トレンドから上昇トレンドへの転換 週足終値が2種連続で移動平均を上回る

わかりやすい例として、ユーロ円の週足チャートをご覧ください。

山中さん画像①.png

【↑画像をクリックすると拡大します】

左端から見ていくと、ピンクの⇔(両端矢印)の期間は移動平均線よりも終値が下側にあるので、それまでの下降トレンドが継続している期間です。

その後、黄色のラインマーカー部分を見ると1本目は移動平均線を上抜けていますが、2本目で下抜けていますので、ここでも下降トレンド継続です。その次の2本は移動平均線を上ヒゲでした上抜けていませんので、この段階でもまだ下降トレンド継続です。

変化したのは、黄緑の矢印で示した部分です。1本目も2本目も移動平均線よりも上側に終値が位置していますので、ここで上昇トレンドに転換となります。

しかし、上昇トレンドに転換した直後に赤い矢印で示したように、終値が2本連続で移動平均線を下回りましたので、ここで下降トレンドに転換となります。このようにフィルターを使ってもダマシとなることはありますが、大局的にトレンドを捉えていくことから、やむを得ないダマシです。

そして10月に入り2本連続で終値が移動平均線を上回りました(緑の矢印)。ここで、上昇トレンドに転換したこととなり、それ以降はチャートの右端まで上昇トレンドが継続していることになります。

●ループイフダンでの売買手法

(1)BとSの判断と転換

トレンドの継続と転換は上記の通りですが、ループイフダンでの売買手法としては具体的に以下のような戦略を取ります。

上昇トレンド B(買い)戦略
下降トレンド S(売り)戦略

そして、トレンドが転換した場合には戦略を切り替えます。

上昇トレンドから下降トレンドへの転換 BからSへ戦略転換
下降トレンドから上昇トレンドへの転換 SからBへ戦略転換

戦略転換の場合は、それまで運用していたポジションは全て仕切った上で、新たな運用開始となります。

(2)リスク管理

また、最大ポジション数は10として、損切設定はありとした上で、損切設定に引っかかった場合(最初のポジションが損切りとなった場合)には、運用STOPとします。その場合でも、移動平均線と終値との位置関係を重視しますので、思惑とは逆に動いた場合でも損切設定かポジションの転換により含み損が増え続けるということにはなりません。

そして、BとSの値幅ですが、これについては以前の戦略と同様の値幅を採用します。

ドル円   25銭
ユーロ円  40銭
ポンド円  1円
豪ドル円  20銭
ユーロドル 40pips

これらの値幅については、変動率に明確に変化が出てきた場合には、拡大縮小で対応します。

そして、ポジションサイズは以下の通りです。

1回の取引につき1万通貨単位、最大10万通貨単位
ポンド円は半分の5千通貨単位、最大5万通貨単位

ポンドについては、引き続きブレグジット後の協議進展次第では荒れる可能性を考慮した結果です。

この通りの運用を行う場合の推奨証拠金は500万円となりますが、上記の金額を2万通貨単位と1万通貨単位とするならば、推奨証拠金は100万円です。

今回の戦略では、難しいことはしていませんので、これまでの戦略よりもわかりやすくなっていると思います。また2月からのレポートでは、日足の動きが同時にわかるようなチャート表示として、以下のようなチャートを用います。

山中さん画像②.png

【↑画像をクリックすると拡大します】

これは日足チャートでの表示ですが、1週間ごとに青い枠で囲むことで週足の状況も同時にわかるようにしたチャートです。青い枠の中の最後のローソク足終値が週末終値となります。

今回の戦略は長続きして欲しいものですが、まずは4月末見直しを無事に乗り切らないとですね。ということで、今回は2月からの新戦略紹介でした。

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著者プロフィール
山中康司
山中康司
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析と独自のサイクル分析を融合させたトレンド分析には定評がある。ループイフダン関連書籍『マンガでわかる FXの新常識ループ・イフダンでらくらく稼ぐ』を監修。