スキャルピングは難しいが、覚えれば大きな武器になるという話

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こんにちは。為替研究所のYukiです。

今回は、裁量トレードの華とでもいうべきスキャルピングについて、その難しさを説明し、その上で大きく稼いでいるトレーダーの多くは、何故スキャルピングをやるのか、ということについて書いていきたいと思います。

 

スキャルピングは難しいというのを、数字で解説

スキャルピングというのは、人によって定義は異なりますが、おそらく

  • 1時間以内には完結する
  • 1日の中で何度も取引を繰り返す
  • 利益幅はそれこそ0.数pipsから、多くても10pipsくらいまで

というのはある程度共通する定義かと思いますので、その前提で話したいと思います。(人によっては20pipsくらいまでは狙うこともあるかと思いますが、今回は10pips以内で話します)

 

まず、FXではポジションを持った瞬間は、確実にスプレッド分の含み損からスタートします。スプレッドについてはドル円であれば0.3銭のところが多いかと思いますが、これは、スタートした瞬間は-0.3銭になるということを意味します。

 

 

その上で、例えばポジションを持った時から1銭動けば決済というルールでやると考えると、

  • 利益方向に動けば0.7銭分の利益
  • 損失方向に動けば1.3銭分の損失

ということになります。

 

ここで、仮に勝率を50%とすると、1回あたりのトレードの期待値は

 

-1.3銭×50%+0.7銭×50%=-0.3銭

 

というように、当然ながらスプレッド分だけマイナスになり、これを0にするためには、65%の勝率が必要ということになり、利益を出したければ、7割くらいの予想精度が必要となります。

 

ちなみに、これが2銭動けばというルールだと57.5%、3銭動けばというルールだと55%の勝率が0になる地点で、それでも6割くらいの精度は必要ということになります。

 

これは、利幅が大きくなればその中でスプレッドが占める割合が小さくなる一方、利幅が小さければスプレッドが占める割合が大きくなるためで、値幅を大きくすればするほど、必要とされる勝率は下がって行きます。

 

このことは、逆に言えば、値幅が狭いところでやるスキャルピングがいかに難しいかということでもあり、特に一瞬の値動きを取る、いわゆる「秒スキャ」の難易度の高さが分かるかと思います。

 

もちろん、こんな「開始時から〇銭動けば利益でも損失でも決済」なんてルールでトレードする人はいないと思いますが、まずはもっとも単純なルールでの運用で、いかにスキャルピングというのが難しいかを分かっていただきたいという点から、このような例を挙げました。

 

ちなみに、決済のルールについては、勝っている人の間でも結構分かれるところで、人によって「利幅>損失となるのが絶対」という人から、「勝率重視で、多少コツコツドカンになってもいいから利益を積み重ねる」という人までおり、その点については、「自分に合ったスタイルを確立する」のが大事かと思っております。

 

 

その上で勝ち組トレーダーは何故スキャルピングをやるのか?

私も色々なFX会社さんやトレーダーさんに取材させて頂く機会がありますが、そこでよく言われるのが、「大きく勝っているトレーダーの大部分はスキャルピングがメインである」ということです。

 

上でスキャルピングの難しさは解説した通りですが、その上で、何故皆スキャルピングをやるのでしょうか?

 

その理由はいくつかあり、

  • 相場は短期であればあるほど、「心理戦」であり、それに長けた人は勝てる
  • スキャルピングはレバレッジをかけやすいので、勝てれば大きく稼ぐことができる
  • 損切をきちんとできれば、実はスキャルピングはむしろリスクが低い手法となる

ということがあげられます。

 

まず、はじめの「心理戦」というのは、為替相場を動かすのは結局は人間の売買であり、そして人間が何故売買するかというと、「利益を出したい」という欲望、「損失を出したくない」という恐怖、そして「強制的にロスカットされる」という相場状況の3種類がありますが、熟練者は、この欲望や恐怖、強制ロスカットのポジションを、チャートやオーダーの状況、ファンダメンタルズの状況などから予想します。

 

これは、例えば「麻雀やポーカーはもちろん運の要素もあるが、強いプロの人は本当に強い」みたいなもので、その駆け引きは一朝一夕で身に付くものではなく、とにかくチャートを見て、何が相場に影響したかを考えて、自分でトレードして痛い目を見る、というのを繰り返して身に着けた、いわば熟練の技とでもいうべきものです。

 

こうした「欲望と恐怖とロスカットの溜まり具合」というのは、特に短期相場ではほとんどがそれによって動くと言っても過言ではないので、そうやって技術を身に着けることができれば、勝率を上げることができます。

 

次のレバレッジを大きくかけられるというのは、損切を必ずやるという前提であれば、例えば最大負け額を2銭とすると、100万通貨のポジションを持っても1回のトレードの最大損失は2万円で済みます。

 

ドル円を100万通貨であれば、おおよそ1.1億円分のポジションですが、レバレッジ22倍の500万円でやっても、一回あたり最大損失額が2万円であれば、250連敗しなければ大丈夫ということで、大きくレバレッジをかけることができます。

 

レバレッジは高ければ高いほど資金効率が良く、反面リスクが高くなるものですが、勝率が高い人にとっては、むしろ「試行回数が増えれば増える程、最終的にはその勝率に落ち着いていく」という、いわゆる大数の法則が働くので、最後トータルでは勝っている可能性が高まり、むしろリスクは下がります。

 

例えば長期投資であれば、1回負ければ資金の大部分がなくなるということはよくあり、それは「何か不測の事態が起こってしまえばある日突然起きるかもしれない」というものである一方、スキャルピングであれば、1回1回の負けは損失を限定して行うものであり、最後には大数の法則が働くという強みがあります。(もちろん、ちょうどスキャルピングでトレードしている最中にスイスショックみたいな自体が起こり、それが損失方向であれば大変なことになりますが、それは最早事故としか言いようのない事態だとは思います)

 

以上のように、スキャルピングは期待値的にはスプレッドの負担率が重い関係で難しい手法で、勝てるようになるためには一朝一夕では身に付かないものですが、そこで勝てるようになれば、リスクを抑えながら資金を効率よく運用できる手法であり、実際に大きく稼いでいるトレーダーは大体がスキャルピングをしているように、有効なものだと考えております。

 

私自身もまだ修行中の身ですが、今後もたまにスキャルピングについても書いていこうと思いますので、今後もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

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著者プロフィール

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Yuki
FX歴11年目のファンダメンタルズ派トレーダー。主に短期から中期でのトレードを得意としており、最近は自動売買やスワップ投資も行っております。
2010年より為替研究所を運営。相場の見通しや、FXでのおすすめの投資方法などを分かりやすく解説しております。

ループイフダンでは、豪ドル/NZドルやトルコリラ等を運用中。

為替研究所ブログ:https://kawase-fx-lab.com/

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