最近の豪ドルについての所感【Yuki】

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こんにちは。為替研究所のYukiです。

今回は、最近下落傾向にある豪ドルについての私の見通しと、その上でトレードする場合どういった戦略が考えられるかについて書こうと思います。

 

まず、豪ドルは、先週まで明確に下落基調にあり、ドルストレートで見ると、先週安値は0.6865と、2015年の安値(8月のチャイナショック後のレート)を超えて、2016年安値(1月の上海総合指数暴落後のレート。フラッシュクラッシュを除けば、リーマンショックでの下落を戻した後だと最安値)の0.683も射程圏内に捉え、どこまで下がるのか・・・という状態にありました。

 

【豪ドル/ドル 日足チャート】

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何故豪ドルがこのように下げているかというと、この背景には、

 

・5月に入るまでずっと好調アピールされていた米中関係が、トランプ大統領のツイートや関税引き上げから一気に米中対立懸念として再燃した

・5月のRBA政策金利・声明発表では据え置きであったものの、隣国のNZは利下げして、豪についても年内利下げの空気がいまだ根強い

・そのRBAが「利下げ」を検討する材料とされた雇用について、先週発表の雇用統計も、失業率が予想より悪く、雇用者数は予想以上であったものの、それはパートタイマーの雇用増で、フルタイム雇用は減少というように、悪い結果であった

・総選挙で政権交代が起こるとみられており、政局の混乱が嫌われた

 

と言ったように、様々な悪材料が重なり、その結果大きく下落しておりました。

 

 

ただし、その中で総選挙については、事前予想に反して与党が勝利したこともあって、週明けは窓開け上昇し、また、米中対立についても、トランプ大統領が株価下落を気にしてか最近はトーンダウンしているように、見通しが難しい状態になっております。(実は、この総選挙で過半数を取れたかどうかは、執筆時点(5/20の18時ごろ)でも未確定ではありますが、残り5議席が未確定な中、与党過半数まであと1議席なので、おそらく過半数を取るのではないかと思いながら書いております)

 

今後の見通しについては、正直に言うと、「上がるとも下がるとも言いづらい」と考えており、その理由として、

 

 

【ポジティブ材料】

・米中対立は、ファーウェイ問題はいまだ深刻ながら、それでも株価を気にしながらのものであるため、今以上に深刻化は考えづらい

・中国景気は緩和の影響なのか回復傾向にある

・中国が回復すれば、世界景気の見通しも改善し、利下げの可能性は下がる

・チャイナショックの時の安値に近づいており、また、市場でショートポジションもたまりつつあるので、そろそろ踏み上げがありそう

 

 

【ネガティブ材料】

・中国の景気回復が本当なのか疑わしい

・豪中の関係が悪化傾向にある

・「割安感」からのロングが入ると、そこを振り切るためにもう一段下がりそう

 

というように、上げる要因も下げる要因もどちらの要因もあるためです。

 

 

この中国の景気回復については、以下の記事が英語ですがかなり参考になり、ざっくりと要約(意訳)すると、「本当に景気が回復しているとすると、

 

・土地の売上が減少している

・輸入量が減少している

・エネルギー消費量が減少している

 

ということが考えづらく、真実性に疑問がある」「ただし、こうした公式発表をした以上、金融緩和を抑える方向で政策が行われる可能性がある」という感じです。

 

 

Three Reasons To Question China's Blockbuster Economic Data

https://www.zerohedge.com/news/2019-04-17/three-reasons-question-chinas-blockbuster-economic-data

 

 

個人的にも「金融緩和をして、こんなに早く結果が出るものなのか?」というのや、「輸入が下がっているのに景気回復しているのか?」という疑問はあったので、割と納得感のある記事だと思っております。

 

 

このように、中国経済に疑問がある以上、「安くなったから買い」とは言いづらい一方で、とはいえショートで入るにしても、チャイナショック時の安値付近の現状でショートを持つとつっこみ売りとなってしまう可能性も高いので、どちらにもポジションを持ちづらいなというのが正直な印象です。

 

では、どのようにして豪ドルをトレードするかというと、もし裁量でやるのであれば、

 

・ロングでもショートでも、浅めにロスカットを入れて、自分の思う方向にトレードする

・豪ドル円ならロング、豪ドル/ドルならショートというように、スワップが貰える方向で、かなり広めにレンジを想定した上で、今は様子見でのエントリーに徹する

 

というのが良いかなと思っております(私は、今のところどちらもしておりませんが・・・・)

 

 

それ以外だと、個人的に良いと思っているのは、これまでも書いていたように、豪ドル/NZドルでのトレードで、これであれば、米中対立や中国経済の影響は「どちらにも最終的に同じくらいのインパクト」となり、一番の不確定要素が相殺されることから、比較的やりやすいのではないかと思っております(こちらは私も最近自動売買や裁量でのポジションを増やしております)

 

 

この豪ドル/NZドルのトレードについては、私のサイトや、あるいはシストレちゃんねるでも以下の記事で書いているので、興味があれば是非そちらもどうぞ。

 

豪ドル/NZドルのススメ【Yuki】

https://inet-sec.co.jp/column/20190322-2/

 

 

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著者プロフィール

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Yuki
FX歴11年目のファンダメンタルズ派トレーダー。主に短期から中期でのトレードを得意としており、最近は自動売買やスワップ投資も行っております。
2010年より為替研究所を運営。相場の見通しや、FXでのおすすめの投資方法などを分かりやすく解説しております。

ループイフダンでは、2019/2/11現在、豪ドル/NZドルとトルコリラを運用中。

為替研究所ブログ:https://kawase-fx-lab.com/

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