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2018/12/03
シストレ活用事例

山中康司のループイフダン戦略レポート(2018年12月号①)

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ループイフダン「2018年12月の戦略」

説明中に出てくる各レートは、斜線部分の「黄緑のライン」のレートとその上下の「ピンクのライン」のレートです。ピボット「緑点線のライン」(P)を中心に、上側の黄緑のラインを(R1)、上側のピンクのラインを(R2)と示し、下側の黄緑のラインを(S1)、下側のピンクのラインを(S2)と示しています。レートが見難い位置もありますが、すべて等間隔となっていますので簡単に計算できると思います。

また、それぞれの月においてS2以下がゾーン1、S2〜S1がゾーン2、S1〜Pがゾーン3、P〜R1がゾーン4、R1〜R2がゾーン5、R2以上がゾーン6を示しています。

(詳細は『確率を味方につけるループイフダン戦略』をご参照ください。)



●ドル円

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11月のレンジ=始値112.93、高値114.21、安値112.31、終値113.54

?11月は日経平均株価の動きに沿って多少の上下は見られたもの前月のレンジの中で値幅を狭めるもみあい相場となりました。112円台は買い、114円台は売りという流れが続き、ループイフダン的には都合の良い値動きであったと思います。12月に入り年末相場となりますが、このままですと2018年は変動相場制移行後もっとも狭いレンジの一年となることが確実な状況です。

?11月は押し目買い戦略「B25」でスタートし、その後も狭いレンジが継続したため、月末まで当初の運用が継続しました。12月の戦略は、11月とは逆に戻り売りの「S25」となっていますので、既存ポジションをいったん閉じて、新たに運用を行います。既存ポジション3単位を閉じた損益も含めて確定利益は48,711円となりました。

?ゾーンの組み合わせ(黄色)=11月終値ゾーン4、12月始値ゾーン3

?4で引けて4で始まるパターンは、もみあいを想定した戻り「売り」の逆張り戦略がメインシナリオです。タイプとしては「Sタイプ」、12月も「S25」がおすすめ戦略となります。

?ドル安が進み112.40(S1)に到達した場合、いったん売りポジションを全て利食い、月末まで「B25」に買い転換することとします。ただし、その場合は113.35(P)まで戻したら買いポジションを全て利食い月末までポジションは持ちません。思惑に反して114.30(R1)以上のドル高となった場合には運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。また買い転換した後に111.45(D2)以下のドル安となった場合も、運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。

?当レポートでは1万通貨を「S25」、最大ポジション数10で113.516から運用開始しました。



●ユーロ円

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11月のレンジ=始値127.77、高値130.15、安値127.50、終値128.50

?11月のユーロ円はこれまで同様にブレグジットの進展、そしてイタリア予算案修正の有無に焦点が集まりました。ユーロの材料としては悪材料が目立ったのですが、円の材料として日経平均株価が堅調だったこともあって中旬以降はほとんど動意のないままに一か月を終えることとなりました。ループイフダンで運用する分にはリスクも少なかったのですが、あまりに値幅が狭く取引自体が少ないという月になっています。

?ユーロ円は「B40」で前月からの運用を継続し、月末までどの水準にも到達しませんでした。12月は売り戦略と方向が変化するため既存ポジションは閉じて新たに運用を行います。既存ポジション3単位を閉じた損益も含めて確定利益は69,833円となりました。

?ゾーンの組み合わせ(黄色)=11月終値ゾーン3、12月始値ゾーン4

?3で引けて4で始まるパターンは、もみあいを想定した戻り「売り」の逆張り戦略がメインシナリオです。タイプとしては「Sタイプ」、12月は「S40」がおすすめ戦略となります。

?ユーロ安が進行し127.40(S1)に到達した場合、売りポジションを全て利食い月末まで「B40」に買い転換します。ただし、その場合は128.72(P)まで戻したら買いポジションを全て利食い月末までポジションは持ちません。思惑に反して130.04(R1)以上のユーロ高となった場合、また買い転換した後に126.07(S2)以下のユーロ安となった場合には、運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。

?当レポートでは1万通貨を「S40」、最大ポジション数10で129.013から運用開始しました。



●ポンド円

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11月のレンジ=始値144.22、高値149.49、安値144.03、終値144.75

?11月のポンド円は月前半はブレグジットの進展期待にリスクオンの円売りの動きも重なり149.49まで買われる動きとなりましたが、ここ2か月ほど149円台半ばでは上値を抑えられていること、またブレグジット案が英国議会で通るのか(12月11日採決)に対する懸念もあり、反落後はもみあいのまま引けています。12月はブレグジット案の採決結果次第では荒れ相場となる可能性がありますが、当レポートの手法ではリスクは限定されます。

?11月は「B50」で運用開始しましたが、7日にR1に到達したため「S50」にポジションを転換、さらに15日にPに到達したため、すべてのポジションを決済し、ポジションが無いままの月末クローズとなりました。11月の確定損益は146,645円の利益となりました。

?ゾーンの組み合わせ(黄色)=11月終値ゾーン3、12月始値ゾーン3

?3で引けて3で始まるパターンは、もみあいを想定した押し目「買い」の逆張り戦略がメインシナリオです。タイプとしては「Bタイプ」、12月は「B50」がおすすめ戦略となります。

?ポンド高が進行し148.82(R1)に到達した場合、買いポジションを全て利食い月末まで「S50」に売り転換します。ただし、その場合は146.09(P)まで押したら売りポジションを全て利食い月末までポジションは持ちません。思惑に反して143.35(S1)以下のポンド安となった場合、また売り転換した後に151.55(R2)以上のポンド高となった場合には、運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。

?当レポートでは「B50」を1万通貨単位、最大ポジション数10で145.085から運用開始しました。



●豪ドル円

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11月のレンジ=始値79.91、高値83.19、安値79.86、終値83.03

?11月は月初にドル円での円売りから最近のレンジの上限へと上昇してのスタートとなりましたが、その後もほぼ高値圏でのもみあいを継続し、先週はパウエルFRB議長の発言で米金利上昇に打ち止め感が出てきたことも重なって、高金利通貨の一角を占める豪ドルもまた強い地合いで引けました。週末の米中首脳会談の制裁関税猶予は中国の景気に左右されやすい豪ドルにとっては好材料となって、月初の豪ドル円はギャップアップしてのスタートとなりました。

?11月はBタイプを考え「B20」で運用開始しましたが、7日にR1に到達したことで「S20」にポジションを転換させ、その後は月末まで運用を続けてきました。そして、ここでひとつ問題が出てきました。当レポートの戦略では通常始値は3か4であるべきなのですが、ギャップアップして窓が開いたことで、稀な始値が5というパターンが出てしまいました。これは、当レポートをスタートするにあたって過去を調べた範囲では無いパターンで、逆張り戦略(この場合、売り)が有効なのか、あるいは順張り戦略(この場合、買い)が有効なのか、データがありません。

?ただ、ギャップを空けているスタートはテクニカルには、トレンド継続(この場合、上昇)と考えることが一般的ですから、データはありませんが、順張りと考え「B20」での運用としてみることにします。今後同様に、始値が5あるいは6という場合にはBタイプで、逆に始値が2あるいは1という場合にはSタイプで順張りの運用を行うこととします。

?12月の戦略は11月の方向転換したポジションと逆方向の買いであるため、既存のポジション9単位も全て閉じて新たに運用を開始します。12月の確定損益は既存ポジションを閉じた影響が大きく77,927円の損失となりました。

?ゾーンの組み合わせ(黄色)=11月終値ゾーン5、12月始値ゾーン5

?5で引けて5で始まるパターンは、想定外のパターンですが上述の通りで、トレンド継続として運用を行うこととします。今回のタイプとしては「Bタイプ」、「B20」がおすすめ戦略となります。各水準も想定外なのですが以下の通りとし、今後もこれに準じた運用手法を取ることとします。

?豪ドル高が進行し85.36(R2)に到達した場合、買いポジションを全て利食い月末までポジションは持ちません。また、思惑に反して82.03(P)以下の豪ドル安となった場合、運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。過去にないパターンなので極力保守的な運用とします。

?当レポートでは「B20」を1万通貨単位、最大ポジション数10で83.675運用開始しました。



●ユーロドル

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11月のレンジ=始値1.1344、高値1.1500、安値1.1216、終値1.1318

?11月のユーロは、ユーロを取り囲むブレグジットとイタリア予算という材料自体には変化が無く、その時々の思惑でユーロ買いとなったりユーロ売りとなったりしましたが、目立った動きとしては1.13を割り込んで売りが強まったものの、その後は買いも根強く後から振り返って見ると、一時的な売り以外はもみあいに終始した一か月でした。12月は材料にいったんは結論が見えてきますので、その結果によって方向感が出てきそうです。

?11月の戦略は「S40」でしたが、どのポイントにも到達せず(S1とPの中値より下の始値となりS2を選択したため)月末を迎えました。12月も「Sタイプ」での運用となるため、既存ポジションを持ったまま、継続運用とします。なお、11月の既存ポジション4単位はスタート時点で41,173円の含み損となっていますが、下降局面での買い戻しを待っている段階です。また、12月の確定利益は78,100円となりました。

?ゾーンの組み合わせ(黄色)=11月終値ゾーン3、12月始値ゾーン4

?3で引けて4で始まるパターンは、もみあいの中で逆張りの売り戦略を想定したシナリオとなります。タイプとしては「Sタイプ」、12月も戦略こそ異なりますが「S40」がおすすめ戦略となります。

?ユーロ安が進行し1.1200(S1)に到達した場合、売りポジションを全て利食い月末まで「B40」に買い転換します。ただし、その場合は1.1345(P)まで戻したら買いポジションを全て利食い月末までポジションは持ちません。思惑に反して1.1486(R1)以上のユーロ高となった場合、また買い転換した後に1.1061(S2)以下のユーロ安となった場合には、月末まで既存ポジションのみの運用とします。

?当レポートでは1万通貨を「S40」、最大ポジション数10で11月から継続運用しています。



【参考】

フィボナッチ・ピボットをもっと詳しく

◆山中康司の確率を味方につけるループイフダン戦略とは?

ピボットをもっと詳しく

◆テクニカル解説集 ピボット|アイネット証券



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著者プロフィール
山中康司
山中康司
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析と独自のサイクル分析を融合させたトレンド分析には定評がある。ループイフダン関連書籍『マンガでわかる FXの新常識ループ・イフダンでらくらく稼ぐ』を監修。