経済指標発表などのイベント時によく言われる「織り込み済み」ってどういうもの?

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経済指標発表などのイベント時によく言われる「織り込み済み」ってどういうもの?

FXの一大イベント「米国雇用統計」が発表される毎月第一週目の金曜には、その結果に多くのマーケット参加者の注目が集まります。ただし、こうした重大イベントの際には、世界中の機関投資家の思惑が錯綜することになるため、教科書通りの値動きをすることはあまりありません。そんなとき、「今回の指標発表は織り込み済みだった」という言葉を耳にします。

「織り込み済み」とは、一体どういうことなのでしょうか?

短期では金利上昇発表=当該通貨買いでないこともある

FXの初心者本などではよく、「政策金利の上昇=その国の通貨が買われる」という説明がされます。確かに、2国間の通貨の交換レートである為替では、片方の国の金利が上昇すれば、上昇した通貨に交換し預金や債券を買うことで利益を出すことができるため、その国の通貨が買われる、という説明は正しいでしょう。

そのため、長期的にはその方向に動く可能性は高くなり、例えばFOMCで金利上昇という発表がされれば、市場のスタンスはドル買いとされます。

一方で、こうしたセオリーは為替市場の参加者に広く共有されている考え方であるため、あえて逆の立場を取ろうと考える人も出てきます。そのため、特に発表直前直後のような短期的な視点で見ると、ドル/円でいえばドル安円高のように素直に動かないことも多いのです。

イベントが「織り込んでいる」時がある

こうしたケースで考えられるのは、FOMCの金利上昇がマーケットに「織り込まれている」場合です。この、マーケットに「織り込まれている」状態とは、経済指標や金利の発表結果が、発表前に市場参加者によって予測されており、為替レートに先回りして反映されている状態のことを指します。

例えば、FOMC前にFRB議長が利上げを匂わす発言を繰り返していたりするような場合、市場は利上げを予測し、発表前にドルが買われます。その後FOMCで金利が発表され、市場の予測通り利上げだった場合、発表後にドルが売られるというようなことが起こるのです。

投資では「噂で買って事実で売る(Buy the rumor, Sell the fact )」という有名な格言があります。上記の例の場合、利上げがされるという噂をもとにドルが買われ、実際に利上げ(事実)が発表されると、市場を動かす材料が出きったと判断され、噂で買っていた人たちが利益確定をする動きと相まってドルが売られるといった動きにつながります。

市場のコンセンサスを確認しておく

世界中から機関投資家が参加するFX市場では、指標発表時には「噂で買って事実で売る」ような値動きのほうが多いですし、そうした前提を把握したうえでトレードする必要があります。そのためには指標発表に際して、市場がどのように予想しているかを示す「コンセンサス」を参考にするとよいでしょう。

例えばFOMCであればCME(シカゴマーカンタイル取引所)が公開している、「CME FedWatch Tool」というサービスがあります。こちらでは、次回のFOMCで発表される金利水準のターゲットがどの数字なのかをアナリストのアンケートをもとに算出しています。特に「98%が○○の水準で金利発表されると予測している」ようなケースでは、事前に価格が変動し、予想通りの発表結果になった場合、反対方向に動く可能性が高まります。

当然、いくらこのコンセンサスの数値が高くとも、実際の発表時には異なる結果になることもありますが、「市場がどのように認識しているか」を知るためには非常に有効なツールです。

 

「織り込み済み」とは、言わば教科書に書かれない人間心理を表したものと言えるでしょう。このような市場の特性を頭に入れた上で、売り買いを決められると良いですね。

 

まとめ

経済指標の発表直前直後の価格は、教科書のセオリー通りに動かないことも少なくありません。特に短期で取引する際には、市場参加者が指標の数値をどのように予測しているか(=コンセンサス)を確認しておく必要があります。ここで挙げたCMEようなサービスもありますし、FX会社のホームページなどでは、各指標の予想値が掲載されていることもありますので、予想と結果を比べて、感覚を養っていくとよいでしょう。

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