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2026/01/13
鹿子木健

「銀行預金が一番安全」が今や昔話となっている理由をお教えします

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投資をしない人の言い分としてよく聞かれるのが、「銀行預金が一番安全だから」というものです。確かに自分で引き出さない限りは額面としての残高が減ることがないため、元本割れのリスクがある投資と比べると安全であるように見えます。

しかし、預金が減らないのはあくまでも額面としての残高であり、それだけだと「一番安全」とはいえない現実があります。

1.安全には時間軸がある

私たちが安全だと思っているものには、実は時間軸があります。10年後、20年後にも今の価値があると思うからこそ財産を持つわけで、今しか安全ではないと思うものを持とうと思う人はいません。

国が経済や外交の舵取りをする際にも、今だけではなく将来の繁栄を目的とした政策を考えます(日本の社会保障政策が本当に将来を見据えているかは別として)。

人には、人生を終えるまでの長い時間があります。その時間を安全なものにしたいと思うからこそ、貯金をして備えたり、生命保険に加入してリスクヘッジをしたりするわけです。

もし人間が今を生きるだけの存在であれば時間軸を考慮する必要はありませんが、人生100年時代といわれるように、人生は長くなり続けています。

しかも、長くなるのは老後の部分で、現役世代として活動できる時間が延びているわけではありません。だからこそ、人は時間軸を含む安全を担保しようとするのです。


 

2.銀行預金にひそむ4つのリスク

物事の本質を見極める際に、極端なシナリオを考えてみる手法があります。これを銀行預金に当てはめてみて、銀行預金で考えられる極端なシナリオをあぶりだしてみると、以下のようになります。

①預金封鎖
②ハイパーインフレ
③マイナス金利
④円安

①から③までについては、今すぐ起きる可能性は限りなくゼロかもしれませんが、将来に向けて絶対に起きないかというと、そう言い切れる人はいないでしょう。事実、2025年11月の日本の消費者物価指数は2.9%の上昇でした。2022年から2%台の上昇が続いているため、インフレ傾向が定着していることがうかがえます。

物価が上昇すると、相対的にお金の価値が低くなります。物価が2.9%上昇したということは、持っているお金の価値が実質的に2.9%低くなったことになります。

2026年の年明け早々に大統領の拘束というニュースで世界を驚かせたベネズエラは、ハイパーインフレの渦中にあります。インフレ率は数万%ともいわれており、物価が何百倍にもなった社会では、お金はもはや紙くずです。

①から③までのリスクについては今すぐ起きることはないとしても、④の円安はすでにリスクが顕在化しています。ドル円レートを見ると1ドル120円前後だったものが150円台で定着し、その当時と比較すると30円も円安が進行しています。

これを、分かりやすく解説しましょう。

もし1ドル=120円だったドル円レートが240円になったとすると、世界の基軸通貨である米ドルに対する円の価値は半分です。日本は生活や社会の維持に必要なものの大半を輸入に依存しているため、円の価値が半分になると輸入コストが2倍になります。

これまで100円で買えていたものが200円になる社会が近づいています。円安になると海外旅行でお金がかかる、という話をよく聞きますが、円安が定着すると海外旅行に行かない人の生活にも深刻な影響が及びます。

銀行預金は額面の価値が変わらないことから安全だと思われています。しかし、その額面の価値が変化する可能性は大いにあり、インフレや円安によってじわじわとリスクが現実となっているのです。

銀行に1億円の預金があったとしても、その1億円の価値が半減する日が来るとしたら、どうでしょうか。これでも「銀行預金が一番安全」と言い切れるでしょうか。


 

3.円安リスクはFXでヘッジできる

銀行預金を言い換えると、「日本円への集中投資」です。FX投資家はリスクを分散するために運用する通貨を多様化しますが、投資をしていないというのは、保有通貨の分散ができていない状態です。

日本円だけで資産を保有するリスクは、FXでヘッジできます。FXではドル円やユーロ円、ユーロドル、ポンドドル、ユーロポンドといったように、世界中のさまざまな通貨をペアにして取引します。例えばドル円であれば、日本円と米ドルです。

FXでドル円の買いポジションを保有するというのは、日本円を売って米ドルを買い、それを保有する投資行動です。日本円の価値が今後さらに下がるようなことがあれば、ドル円レートは上昇します。つまり、少なくともドル円の買いポジションで保有している資産は、円安リスクから守られるわけです。

しかも日本は長期間にわたって超低金利です。2024年からはようやく徐々に利上げをしていますが、それでも世界の主要国と比べると低金利です。そのため、日本円を売って日本よりも金利の高い通貨を買うポジションを保有すると、スワップポイントがもらえます。

スワップポイントは平日の毎日発生します。外貨の買いポジションを保有すると、日本円だけで資産を保有するリスクを分散しながらスワップポイントの収入を狙えるため、一石二鳥です。

FXはハイリスク投資の代表格というイメージを持つ人が多いですが、このように資産を保有する通貨の分散によってリスクヘッジにも利用できるのです。

ドル円に加えてユーロ円やポンド円、豪ドル円などに資産を分散すると、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなど世界各地に資産を分散する効果が得られます。

もちろん、日本以外の国にリスクはあります。そこで多様な通貨に分散して資産を保有することにより、特定の国と「心中」してしまわない資産ポートフォリオを構築できます。


 

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著者プロフィール
鹿子木健
鹿子木健

お金を扱う能力を高めるための普遍的な知恵を伝えることがライフワークとして、 2004年から個人投資家として活動。投資分野は、FXを中心に、不動産、株式、商品CFD、株価指数CFD、保険、暗号資産など多岐に渡る。 

代表を務める株式会社メデュは、2020年5月に金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録が完了。現在、外国為替投資助言「FX UNLIMITED」、FX学習コミュニティ「勝ちパターンFXの学校」を提供中。