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2025/12/29
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暴落時にパニックになるのはなぜ? あなたの性格ではなく「脳のバグ」を疑え【Mr.X】

#ループイフダン
#投資心理学
暴落時にパニックになるのはなぜ?パニックか冷静かのイメージ表紙

相場が急落したとき、あなたは冷静でいられるでしょうか。

投資の世界では、暴落局面に直面しても、恐怖から底値で売却してしまう(狼狽売り)人がいる一方で、淡々と状況を見守れる人もいます。この違いはどこから生まれるのでしょうか。経済知識の量?それとも才能?いいえ、違います。

実は、その差を生み出している最大の要因は「人間の脳の仕組み」にあります。

近年、投資に関する失敗の多くは「知識不足」ではなく、「感情に引きずられた判断(認知バイアス)」によるものだと指摘されています。特に暴落局面では、私たちの脳は「警報」を鳴らし続け、普段なら絶対にしないような非合理な行動を取らせようとします。

これは投資歴1年の初心者だろうが、10年のベテランだろうが、誰にでも起こり得る現象です。

今回は、あなたの資産を守るために、投資判断を狂わせる5つの「脳のバグ(心理的罠)」の正体と、その対処法について整理していきましょう。

脳のバグを克服する5つの視点

1. 脳は変化を極端に嫌う(現状維持バイアス)

まず知っておくべきは、私たちの脳は数万年前の狩猟採集時代から、基本設計が変わっていないということです。当時の最優先事項は「生き延びること」。そのため、脳は「変化=危険」とみなし、今の状態を維持しようとする強力な本能を持っています

これを「現状維持バイアス」と呼びます

投資で含み損が出始めたとき、本来なら「これ以上傷口が広がる前に切ろう(損切り)」と判断すべき場面でも、脳はこう囁きます。

「まだ大丈夫だ」「そのうち戻るはずだ」

これは冷静な分析ではなく、脳が「損失を確定させる」という変化(痛み)を嫌がっているだけに過ぎません。結果として、判断を先送りにしてズルズルと保有し続け、いわゆる「塩漬け」状態が完成します。

そして、いざ本格的な暴落が来て、恐怖が脳の許容量を超えた瞬間、パニックになって「もう楽になりたい!」と底値で投げ売りをしてしまうのです。

さらに厄介なのが「認知的不協和」です。

「これは一時的な調整だ」 「市場が間違っている」そうやって現実から目を背けている間に、資産はみるみる溶けていってしまうのです。

2. 「もったいない」が命取り(サンクコスト効果)

もう一つ、投資家を地獄に落とすバグがあります。「サンクコスト(埋没費用)効果」です。

例えば、あなたは映画館で1,800円を払って映画を見始めました。しかし開始10分で「これはつまらない、駄作だ」と確信しました。

あなたならどうしますか?合理的に考えれば、すぐに映画館を出て、残りの時間を有意義に使うべきです。チケット代(1,800円)はもう戻ってこないのですから。

しかし、多くの人は「せっかくお金を払ったんだからもったいない。最後まで見よう」これがサンクコスト効果です。

「過去に支払ったコスト(お金や時間)」に縛られて、未来の合理的な判断ができなくなる状態です。

「もったいない」が引き起こすサンクスコスト効果

投資でも同じことが起きます。

「ここまで長く持っていたんだから」 「スワップポイントを積み上げてきたんだから」と過去のコスト(損失や時間)を取り返そうと執着するあまり、「今すぐ撤退すべき」という判断ができず、さらに傷口を広げてしまう。

皮肉なことに、「損をしたくない」という感情が、最大の損失を招く原因になっているのです。

脳のバグに負けない投資。「ループイフダン」とは?

3. 脳のクセと向き合うための「リフレーミング」

では、どうすればこの強烈な本能に抗えるのでしょうか? 意志の力だけで脳のバグを克服するのは、プロでも至難の業です。

重要なのは、捉え方を変える工夫です。

戦略1:リフレーミング(捉え方を変える)

損失を「失敗」や「恥」と捉えると、脳はその痛みから逃げようとします。 そこで、損切りを「経費」や「保険料」と捉え直してみてはどうでしょうか。

「将来の大事故を防ぐために、少額の保険料(損切り)を払った」

「相場という授業を受けるための授業料(経費)を払った」

このようにリフレーミング(捉え直し)することで、心理的な負担を和らげ、冷静な判断を下しやすくなります。

投資は「感情」から「仕組み」へ

戦略2:プレ・コミットメント(意思に頼らず「自分を縛る」)

もっと確実な方法は、「プレ・コミットメント(事前拘束)」です。 これは、感情が動いていない冷静な時に、あらかじめルールを決めて自分を縛ってしまう方法です。

「5%下がったら絶対に売る」

「利益が〇〇円になったら半分決済する」

しかし、人間は、自分で決めたルールすら、いざその場面になると破ってしまう生き物です。「今回だけは特別」と例外を作ってしまうのです。
そこで対策となるのが、「自動売買システム」の活用です。

例えば弊社の「ループイフダン(専用LPのURLを設定)」は、あなたの代わりにプレ・コミットメントを徹底してくれます。事前に設定さえしておけば、相場が急変しようが、あなたが寝ていようが、システムは感情を挟まずに「損切り」や「利益確定」を行います。

感情を排除した「仕組み化投資」

「もったいない」とか「まだ戻るかも」といった脳のノイズを強制的にシャットアウトする。これこそが、感情的な生き物である人間が、非情な相場の世界で生き残るための、合理的な手段と言えるかもしれません。

4. 【まとめ】投資は「感情の克服」から「仕組み化」へ

視点を変える「リフレーミング」

投資の結果に大きな影響を与えるのは、知識の量だけでなく、感情とどう向き合うかという点です。

短期的な値動きに一喜一憂してしまうのは、人間として自然な反応です。しかし、その感情に任せて売買を繰り返すことが、結果的に資産形成の妨げになるケースも少なくありません。

  • 自分の思考のクセを知る
  • 判断ルールをあらかじめ決める
  • 感情が入りにくい仕組みを必要に応じて活用する

ここで紹介した考え方や仕組みは、すべての投資スタイルに当てはまる万能な方法ではありません。

短期売買で相場を細かく見ながら自分の判断を重ねたい人や、裁量での売買を楽しみたい人にとっては、ルールや仕組みが窮屈に感じられる場合もあります。

また、感情を排除する仕組みを使ったとしても、相場環境によって損失が発生する可能性は避けられません。

重要なのは「負けない方法」を探すことではありません。 自分という「感情的な生き物」をどうコントロールするか。そのためのパートナー(仕組み)を持つことこそが、賢い投資家の第一歩なのです。


投資メンタルQ&A

メンタルトレーニングをすれば、暴落でも動じなくなりますか?

訓練である程度は強くなりますが、本能を完全に消すことは不可能です。

プロといわれるトレーダーでも、巨額の損失を目の前にすれば心拍数は上がります。重要なのは「動じない心」を作ることではなく、「動揺しても致命傷にならない仕組み(資金管理や自動売買)」を作っておくことです。

メンタルに頼らない投資こそが、最強のメンタル管理と言えるでしょう。

塩漬けポジションをどう処理すればいいか分かりません。

「今、ノーポジションだったらそれを買うか?」と自問してみてください。

もし「今の価格なら買わない」と思うなら、それは「持ち続ける価値がない」ということです。サンクコスト(過去の買値)は忘れて、売却して現金化し、より有望な投資先に資金を移すのが合理的とも考えられます。

これを「ポジションの入れ替え」と考えると、損切りの心理的ハードルが下がります。

自動売買なら、本当に感情を排除できますか?

システム自体には感情がありませんが、それを止めるのは「あなた」です。

ループイフダンは淡々と取引しますが、含み損が増えた時に怖くなって、人間が手動でシステムを止めてしまう(一番悪いタイミングで損切りするor停止してしまう)ケースがあります。これを防ぐには、運用開始時に「最悪ここまで下がっても大丈夫」という余裕を持った資金設定やレート変動幅を想定することが何より重要です。

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著者プロフィール
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飲食から金融まで多彩な現場を渡り歩く、猪突猛進なアイネット証券の社員。データと歴史から知恵を拾い集め、難しい投資話を「面白く、深く」紐解くことをモットーとする。