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2025/11/20
鹿子木健

「すぐやる思考」はFXでは禁物です【鹿子木健】

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「今すぐ行動しましょう」「始めるなら今!」という文言を、SNSでもYouTubeでも書籍でも見たことがあるかもしれません。

Today is the youngest day in the life.(今日が人生で一番若い日だ)といった名言が英語にもあり、「すぐに行動する大切さ」というのはある程度の普遍性を持った真実であるといえます。

ただし、それが全てに当てはまるわけではありません。特にFXのような投資では、即座に動くことが大きな損失を招く場合もあります。

今回はそうした「すぐやる思考」をFXに持ち込む危うさについてお話しします。 

1.分からないままの「すぐにやる」がいかに危険か

投資の世界では「とにかく動いた者勝ち」という言葉がしばしば語られますが、FXを始めとした投資は、行動量が結果に直結する世界ではありません。むしろ、分からないまま指した一手は、その日、その週、その月の利益を吹き飛ばしてしまうこともあるのです。

特に注意したいのは、情報収集として見ているSNSやYouTubeでよくある「チャンスが来たら即エントリー」というメッセージです。

相場は24時間動いており、特に値動きの激しい通貨ペアのチャートを見ていると、チャンス「のように見える」局面が常に存在します。しかし、その局面を的確に理解しているでしょうか。過去に勝ってきたパターンと同じ(再現性がある)でしょうか。

トレードにおいて大切なのは、「今動くべき理由が明確かどうか」「その判断は、過去の自分でも同じように行えたか」という点です。特にこれらを言葉で説明できるかどうかが、自身が「分かっている」ことの目安といえます。

ある場面を十分に分かっていないまま、あるいは根拠を十分に言語化できないままエントリーしてしまうと、損切り判断が遅れたり、含み損を抱えて行動が鈍ったりして、それが冷静な判断力を失わせる悪循環を生みます。

「分からないまますぐにやる」は、利益ではなく不安と焦りを増大させるマイナス行動になってしまうのです。


 

2.成功できる投資家はゴーサインが出てから動きます

勝てる投資家の多くは、行動を起こす前に検証やシミュレーションを行います。状況を冷静に分析して、行動を起こした場合と待った場合に得られるメリットとデメリットを天秤にかけ、勝算があればゴーサインを出します。動くのはそれからです。

そうした投資家の多くには「自分のルールが整った時にだけ動く」という姿勢が共通しています。チャンスを自ら掴みにいくのではなく、チャンスが目の前にやってくるのを待ち、いつチャンスが来てもいいように備えているのです。

逆に、勝てない投資家はじっと待つことに不安を覚えてしまい、動かないとチャンスが逃げてしまうと考えて、根拠の薄いエントリーを重ねてしまいがちです。その結果、本当のチャンスに勝負できなかったり、チャンス到来に気付けなかったりすることもしばしば。

江戸時代の米相場から伝わる格言に「見送り千両」という言葉もあります。こうした言い回しが今にも残っているということは、それが相場における一つの真実だということです。成功している投資家ほど、「待つ」という最も重要な行動の価値を知っているのです。

行動を起こしたくなったら、自分のルールに合致しているかどうかをまずは淡々とチェックしましょう。


 

3.自分自身とよく対話しましょう

対話には2種類あると私は考えています。1つは他者との対話(コミュニケーション)、もう1つは自分自身との対話(思考・思索)です。

学びが成功し、投資で成功できるのは、自分自身との対話ができる人です。逆に成功できない人は、以下のような質問を繰り返してしまいます。

・どうしてこういう投資ルールなんですか?
・どうしてこの考え方はダウ理論と異なるのですか?
・どうしてそれが「逆張りではない」といえるのですか?
・どうしてこれが勝ちパターンなのですか?
・どうして上昇局面なのに売りで入るのですか?
・どうして自分で稼げるのに他人に投資を教えようとするのですか?

共通点は分かるでしょうか。

「どうして」を自分で考えず、相手から与えられるのを求めているのです。

自分で考えていないから、答えが返ってきても納得できない。納得できないから実践もできない。実践ができないから結果も出ない。そこには「自分自身との対話」がありません。

自分自身との対話に価値があるのは、その対話を通じて「自分の世界が広がる」からです。理解度が深まる、実践力が強化される、という言い方もできるでしょう。

作物が育つためには耕された田畑が必要です。同様に、自分の心に耕された土地がなければ、学びは実を結びません。

自分自身と対話する中では「迷い」「疑い」「不安」などの要素も正直に自分自身に打ち明ける必要があります。それこそが大切です。自分なりの考察を持ってから答えを見れば、それが間違っていたとしても「なぜ間違っていたか」を考える機会に繋がります。

浮かんだ疑問をまず自分自身にぶつける姿勢が思考を深化させます。その思考力が、模範解答のない相場においては、行動を起こす前の冷静な分析力を育むのです。


 

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著者プロフィール
鹿子木健
鹿子木健
お金を扱う能力を高めるための普遍的な知恵を伝えることがライフワークとして、 2004年から個人投資家として活動。投資分野は、FXを中心に、不動産、株式、商品CFD、株価指数CFD、保険、暗号資産など多岐に渡る。 代表を務める株式会社メデュは、2020年5月に金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録が完了。現在、外国為替投資助言「FX UNLIMITED」、FX学習コミュニティ「勝ちパターンFXの学校」を提供中。