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2025/09/10
鹿子木健

敵にも味方にもなるレバレッジとの付き合い方を考える【鹿子木健】

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多くのFXトレーダーはレバレッジをご存じのことと思います。てこの原理で、小さな資金でも大きな金額を動かすことができる仕組みです。2025年9月現在、FXではレバレッジを最大25倍かけることができます。

かつてFXにおけるレバレッジは事実上「無制限」でした。証拠金の数百倍にあたる資金をかけた取引も横行していました。過度なリスクを抱える投資家が増えたことから、金融庁がレバレッジの仕組みにメスを入れました。

現在は個人投資家に対して最大25倍へ「制限」され、リスク管理を前提とした取引環境が整えられています。海外ではそうした制限のない業者もありますが、それと比較すれば日本の25倍規制は投資家保護を重視した水準であるといえます。

レバレッジは、使い手の考え方次第で敵にも味方にもなる「諸刃の剣」です。その上手な付き合い方を、今回は一緒に考えていきましょう。 

1.レバレッジの性質を今一度見直しましょう

レバレッジは、もともとのトレード成績を強化する働きをします。単純に考えると、レバレッジを3倍にすることで、トレードの利益も3倍になります。これだけ見るといかにも「レバレッジを常に25倍にしていれば、たくさん利益を出せる」と思いがちです。

しかし、現実はそう甘くありません。「トレード成績が3倍になる」ということは、「利益が3倍になる可能性」と同時に、「損失が3倍になるリスク」も抱えることになります。

レバレッジをかけずに1万円の損失を出すトレードをしてしまったとしましょう。同じ取引を25倍のレバレッジで行えば、損失は25倍に膨らみ25万円となります。証拠金の大半を一度に失い、そのまま退場してしまうかもしれません。考えるのもゾッとしてしまいますね。

実際、かつてレバレッジが日本で無制限に近かった時代は、数百倍のレバレッジをかけていたために、わずかな相場の変動でもトレード結果が強化されすぎて、一夜にして多くの投資家が資金を失ったこともありました。

数百倍のレバレッジは、利益を拡大する一方で損失も数百倍に膨らませます。想定外の値動きに口座が耐えられず、口座残高がゼロどころか追証に追い込まれるケースも珍しくなかったのです。

冒頭で述べたように、このような苦い歴史が、現在の「25倍規制」に結びついているわけです。

初心者トレーダーの中には、レバレッジをそれ単体で考える人もいるようですが、レバレッジは他の資金管理と一緒に考えてこそ、その力を発揮します。資金管理を欠いた状態でのフルレバは、諸刃の刃を自分に向けているも同然といえるでしょう。


 

2.レバレッジを低くしてみましょう

レバレッジは最大25倍までかけることができますが、そこまでかけなければならない義務はありません。低く抑えることもできますし、長期的にはその方が安定しやすいのです。

レバレッジ1倍を基準に考えてみましょう。1倍は現物、および外貨預金と同じで、為替変動によるリスクをそのまま負います。レバレッジを下げたところでリスクが消えるわけではなく、あくまでもその「大きさ」を調整するのみです。

レバレッジでは、ポジションを持つ1トレードのレバレッジと、口座全体のレバレッジで分けて考える必要があります。より重要なのは「口座全体のレバレッジ」です。これが証拠金のリスクを左右します。

たとえば、口座全体のレバレッジを2倍に抑え、かつ1トレード0.5倍のレバレッジでポジションを持つ場合は、0.5倍のポジションを4つ持つことで、合計2倍になります。

私自身は、レバレッジ0.25倍を基準にしており、リスク許容に応じて0.25倍、0.5倍、0.75倍、1倍…などと計算してポジションを持つ量を設定します。

 

3.損失許容からもポジションの持ち方を考えられます

「資金管理をするための大切な考え方をお教えします」で述べた「損失許容」でポジションサイズを決める方法もあります。この場合、レバレッジは考慮しません。

損失許容でポジションサイズを決める場合は、発注価格とストップ逆指値注文価格の値幅を広くとればレバレッジが下がり、逆に狭ければレバレッジが上がります。ストップが近ければポジションをより多く持てて、遠ければ持てるポジションは少し、ということです。

口座全体のレバレッジは通常2倍程度以内に、最大でも3倍以内を基準に考えます。明らかにローリスクハイリターンが見込まれる場合はそれ以上もあり得ます。しかしその目安を逸脱すると安定的な運用からは遠ざかってしまいます。

長期間FXで利益をあげたければ、レバレッジは適正範囲を死守することが大切です。高いレバレッジをかけることが当たり前になってしまうと、一時的には高い利益を出すことができるかもしれませんが、それでは長続きしなくなってしまいます。

レバレッジのコントロールは、自分の欲のコントロールとも言い換えられます。レバレッジをかけすぎて大きな損失を被ってしまった人は、相場に負けたのでもなく、レバレッジという仕組みに負けたのでもなく、自分の欲に負けてしまった、ということになります。

どの程度のレバレッジが適正なのかは人によって異なりますが、高いレバレッジは高いリスクと同義です。敵に回すと恐ろしく、味方に回せば心強いレバレッジと、自分にあった付き合い方を見つけましょう。


 

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著者プロフィール
鹿子木健
鹿子木健
お金を扱う能力を高めるための普遍的な知恵を伝えることがライフワークとして、 2004年から個人投資家として活動。投資分野は、FXを中心に、不動産、株式、商品CFD、株価指数CFD、保険、暗号資産など多岐に渡る。 代表を務める株式会社メデュは、2020年5月に金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録が完了。現在、外国為替投資助言「FX UNLIMITED」、FX学習コミュニティ「勝ちパターンFXの学校」を提供中。