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「思い立って1年後」が投資の始め時です【鹿子木健】

これから投資を始めたいと希望される方に、私は「始めるまでは1年待ってください」とお伝えするようにしています。
古くから「思い立ったが吉日」「善は急げ」という諺があります。「いつやるの? 今でしょ!」というフレーズが流行したこともありました。物事を始めるのは早いほうが良いというのは合理的な面もありますが、FXはこれに当てはまらないと私は考えています。
投資を始めるのは「今」ではなく「1年後」がベストです。今回はその理由を解説します。
1.どうして1年?その間に何をするのか?
投資を始めるのを1年後にする理由の一つは、「より質の高い状態でスタートするため」です。
投資を始める時期を1年後に設定すれば、投資資金が溜まるというのもあります。しかしそれ以上に、翌年までに、自分がやりたい投資とそのリスク、自分自身の適性や弱点などを確認して「自分に合った投資」が見えやすくなります。
人間は努力次第で成長していきますが、これは言い換えれば、まだ努力していない段階の者は「どうしようもなく未熟」なのです。学びを積み重ねていくことで、知識を蓄え、判断力を磨き、自己管理能力を訓練していくことができます。
考えてみてください。もしあなたに1億円の資産があったとして、「妙に自信満々な投資の素人」へ、大切なお金を預けて運用させられるでしょうか? まず、そんなことはしないでしょう。
投資家は、自分の大切なお金を自分自身に託すファンドマネジャーです。何も知らない駆け出しの自分ではなく、一生懸命投資について勉強して賢くなった将来の自分にお金を託すのです。「1年間待つこと」で、投資の成功率はぐっと上がります。
1年後の自分のほうが、今の自分よりも正しく判断でき、間違いを犯しにくい。だから、投資を始めるのは「思い立って1年後」というわけです。
2.デモトレ道場で修行を積みましょう
過去に「リアルトレードを始める前にデモトレードで鍛えましょう」や「FXで勝つという目的のためにデモトレードを活用しましょう」でも述べていますが、FXはデモトレードで、資金を失うことなくトレードの練習ができます。
デモトレードは、単なる操作練習の場ではなく、自分の判断の癖や、心が揺れた瞬間を映し出す「鏡」でもあります。また、試行錯誤を重ねるという点で、デモトレードは「道場」でもあります。リスクを伴わずに技を磨き、負ける経験から多くを学ぶことができます。
この1年で、デモ環境を通じて「トレードという行動の裏側にある自分自身」と向き合うこと。それこそが、投資を継続していくうえで何より大切な訓練になるのです。
労働収入があれば、勉強を重ねてデモでトレードを実践し、反省点を記録する一方、労働で得たお金をリアルトレードの初期資金として貯めておけます。投資に用いるのは余剰資金が基本ですが、1年あれば十分な種銭を確保できるでしょう。
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3.1年で実現できる成長は無限大です
0歳児が1歳児になると、カタコトではあっても言葉が話せるようになり、立って歩けるようになり、認知能力は飛躍的に伸びます。これと同じように、投資の赤ちゃんである初心者が1年間成長を待つことは、非常に大きな効果を持ちます。
この1年で学べることは、ただの知識や操作手順だけではありません。「なぜ損切りが必要なのか」「利益が出ているのに、なぜ不安になるのか」「チャートを見ているとき、何に反応しているのか」――こうした心の動きと向き合うことが、実は一番の成長になります。
こう考えると、今から投資するよりも、1年後に投資を始めるほうが有利なのは明白です。今すぐ資産を増やしたくなる誘惑や不安に打ち勝つことで、将来得られる経済的恩恵は計り知れないものになるのです。
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