山中康司のループイフダン戦略レポート(2025年3月②)
ループイフダン「2025年3月の戦略・月中レビュー」
1.気になるトピックス
今回も「気になるトピックス」から始めましょう。直近で気になったニュース、ファンダメンタルズ、テクニカルの中から毎回読者の皆様に気にしておいていただきたいことを書いています。
今回はテクニカルのテーマから、金融占星術による日柄の話を扱います。
テクニカル分析の中でも日柄分析はわかりにくい上に名人芸的な要素が大きい分析と言えます。過去の目立った高値・安値あるいは重要な日柄(これが一番難しい)を起点に次の高値・安値といった変化日を探るものです。
この日柄分析にアストロ・サイクル(金融占星術)を使った手法がありますが、メリットとしては過去の変化日に捉われず将来の変化日を予測することが可能です。例えば月の位置を例にすると、小惑星が月に衝突して軌道が変わるといったことでも無い限り10年先でも100年先でも月の位置は計算可能だからです。
そして金融占星術というと単語の響きがやや怪しげになりますが、基本は天体のサイクルをベースとしたもので、昼と夜のサイクルも季節のサイクルも天体のサイクルから来ているものですから地球上で生活する限り天体サイクルは無視できません。
こうした天体サイクルの中で相場関係者が気にするサイクルに惑星の逆行サイクルがあります。これは太陽を公転する地球が1年で太陽を1周するのに対して地球の内側にある内惑星はより短い公転周期を持ち、地球の外側にある外惑星はより長い公転周期を持つため、内側にある惑星が外側にある惑星をインコースで追い抜く際に見かけ上の逆行現象が起きるというものです。
特に1年に3回約3週間続く水星の逆行の注目度が高く、水星逆行中はボラティリティが上昇し相場が振れやすくなり、またサポート・レジスタンスといったテクニカルなポイントが効きにくいということも多く目にします。
この水星の逆行が3月15日から4月7日の期間に起きています。特に逆行初期のボラティリティ上昇は大きくなるため今週の為替市場の動きには注意が必要です。しかも19日には日米双方の金融政策決定会合があります。要注意と言えるでしょう。
2.米ドル円
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※赤い線が移動平均線です。
3月14日までのレンジ=146.54〜151.29
3月17日時点の戦略=S100を継続
【市況】
3月前半の米ドル円はトランプ関税に関連して米国の景気鈍化懸念から米株が売られ、また6月以降にFRBの緩和ペースが拡大するとの見方から米金利(10年債利回り)が低下しました。いっぽうで日本の経済指標は強めで賃上げ環境も予想以上に大きくなることから日銀の早期利上げ思惑を背景に日本の金利(同)は上昇、結果として日米金利差の縮小となり米ドル円もドル売り・円買いが強まる月前半となりました。
【確定損益】
米ドル円はS100で運用しています。現時点のポジションは2単位(平均コスト147.888)、7,634円の含み損となっていますが下降局面での利食いを待っている状態です。ここまでの確定損益は18,735円の利益となりました。
3.ユーロ円
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3月14日までのレンジ=155.58〜162.35
3月17日時点の戦略=S100を継続
【市況】
3月前半のユーロ円は1週目に米ウ首脳会談が決裂したことを受け、欧州としてウクライナを支援すること、特にドイツでは憲法改正を伴う財政パッケージの協議がCDU/CSUを中心に協議されることからドイツ金利の上昇がユーロ買いを招きました。ドル円では円高方向に動いている間に大きく上昇したことでユーロドルでの上昇がどれだけ大きかったのかがわかる動きです。先週末時点で移動平均線を上回って引けましたので、今週末も上回るようであればB100への転換となるのですが、ユーロドルが先に買い転換し実現損を出しているため、ユーロ円での買い転換時にはポートフォリオ全体としての損切ルールに引っかかる可能性もあります。
【確定損益】
ユーロ円はS100で運用しています。現時点のポジションは5単位(平均コスト159.655)、51,877円の含み損となっていますが下降局面での利食いを待っている状態です。ここまでの確定損益は損切設定に引っかかったオーダーもあり17,017円の損失となりました。(利益額:34,123円、損失額:-51,140円)
4.ポンド円
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3月14日までのレンジ=188.24〜193.09
3月17日時点の戦略=見送り
【市況】
3月前半のポンド円もユーロ円同様で1週目は大きく上昇、2週目の週前半には下げる動きを挟んだもののすぐに買い戻され、ユーロ円とともに月中の高値を更新する動きとなっています。ただ、ポンド円は192円台後半に上昇すると売りが出て来て2月、3月と193円が反落する目途となっています。移動平均線も近い水準に位置しているため、今後は2週続けて移動平均線を上回るか、このまま下で推移するのかを見て行くこととなります。
【確定損益】
ポンド円は現在ポートフォリオから外して様子見のスタンスを継続しています。戦略的にS150継続となります。
5.豪ドル円
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3月14日までのレンジ=91.84〜94.71
3月17日時点の戦略=S100を継続
【市況】
3月前半の豪ドル円は欧州通貨のクロス円が大幅上昇する動きに対して安値圏でのもみあいを続けています。トランプ関税が対中国では既に実施されていること、4月以降更に追加関税が実施予定となっていることから、中国との貿易が多い豪州にとっては悪材料となり、豪ドル円の上値を抑えることとなりました。
【確定損益】
豪ドル円はS100で運用しています。現時点のポジションは2単位(平均コスト93.026)、11,397円の含み損となっていますが下降局面での利食いを待っている状態です。ここまでの確定損益は14,630円の利益となりました。
6.ユーロ米ドル
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3月14日までのレンジ=1.0376〜1.0946
3月17日時点の戦略=B100に転換(3月14日終値で確定)
【市況】
3月前半のユーロ米ドルは、ユーロ円の項目でも書いた通り欧州としてウクライナを支援すること、特にドイツでは憲法改正を伴う財政パッケージの協議がCDU/CSUを中心に協議されることからドイツ金利の上昇がユーロ買いを招きました。ユーロ米ドルとしては珍しく連続した大陽線が出たことで月初からの上昇幅は2週間で570pipsにも到達、14日終値で2週連続で移動平均線を上回ったことで17日の早朝にB100へと転換しました。
【確定損益】
ユーロ米ドルはS100で運用していましたが、買い転換となったためポジションを全決済しB100へと転換しました。現時点のポジションは1単位(平均コスト1.08771)、119円の含み益となっていますが設定値幅での利食いを待っている状態です。ここまでの確定損益はポジション転換による損失が大きく94,434円の損失となりました。(利益額:3,046円、損失額:-97,480円)
7.現在のポートフォリオ運用について
「移動平均で攻めるループイフダン戦略」
使用チャートは日々の動きを明確にするため、複数時間枠表示という手法で日足チャートに週足移動平均線を重ねています。階段状になっているのはそのためで、1週間(5営業日)単位で移動平均線の値が変化していることがわかります。また、週足終値の位置を間違えないよう、日足を1週間ずつ青い四角で囲ってあります。つまり、青い四角の中の最後の日足終値が週足終値と同じです。また紫の四角で1か月を囲み、各月の値動きもわかりやすくしてあります。
長めのポジション保有を前提に「週足終値が20週移動平均線よりも上にあるか、下にあるかでトレンドを判断」します。ダマシを回避するため「実際の売買は、2週連続で終値が上か下というフィルター」をかけます。ポジションを閉じた後の再エントリーの場合もフィルターをかけます。
リスク管理としては、最大ポジション数が全ての通貨ペアで5、損切設定はあり、とします。ひとつの通貨ペアの資金管理として「1か月の最大想定損失額を証拠金の3%(当レポートでは15万円以上)に到達した通貨ペアに関しては、いったん全てのポジションを仕切った上で月末まで運用見送り」とします。
ポートフォリオ全体の資金管理として「証拠金の5%を超える損失(当レポートでは25万円超、現状4通貨ペアなので20万円)で、利益が出ているポジションも含め全て成り行き決済とし、その場合は月末まで一切ポジションを持ちません。これは、複数通貨ペアで想定以上の損失が出ることが無いようにするためのセーフネットです。
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【本レポートに関するご注意】
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- 記述されている意見ならびに予想は分析時点のデータを使ったものであり、予告なしに変更する場合もあります。レポート内のチャートはFibonacci Trader社のテクニカル分析ソフトを承諾を取り使用しています。
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