為替が大きく動く！？2024年は米大統領選に要注意！
2024年は、米国最大のイベント、大統領選の年です！
米国は国の経済規模や強さを表すGDPランキングで第1位の経済大国です。そのため、大統領に誰が選ばれるかは、一国の政治的イベントに留まらず、世界経済に大きな影響を与えます。
そこで本記事では、
①米大統領選の仕組み
②米大統領選と為替市場の関係
③相場変動に備えよ！米大統領のスケジュール
というトピックスについてお話していきます。 過去の米大統領選では、為替相場はどのように動いてきたのかという傾向もお伝えしていきますので、是非最後までご覧ください。
米大統領選の仕組み
そもそも、米国の大統領選挙とはどのような仕組みで行われるのか、簡単におさらいしておきましょう。
米大統領選は、4年に一度行われます。
直近では、2016年、2020年、2024年と偶然ではありますが、夏期オリンピック・パラリンピックと同じ年です。
米国では、共和党と民主党の二つの政党が圧倒的な力を持っており、歴代の大統領は1852年以降、この二大政党のいずれかに所属しています。
具体的な大統領選の流れとしては、それぞれの政党が、予備選挙や党大会を通じて、各党の代表者を絞り込みます。
そのうえで、一般有権者である国民が投票を行いますが、一般有権者は大統領に直接投票することはできません。
各州と首都ワシントンには、人口などに応じて割り当てられた「選挙人」という人がいて、一般有権者はこの「選挙人」に投票をします。
つまり、この投票は、大統領を直接選んでいるわけではなく、自分が大統領になってほしいと思っている候補者を支持している選挙人に投票することになります。
これを「間接選挙制」といい、選挙人には各州の人口に応じて、大きな州ほど多くの人数がおり、州ごとに独立して行われる投票の集計が過半数を上回ると、大統領候補者は選挙人の意思に関係なく、その州の選挙人全員からの票を獲得できるというものです。
最終的には、全米でより多くの選挙人からの投票を獲得できた候補者が、大統領に選ばれるという仕組みです。
為替との関係
米大統領選は、金融市場にも様々な影響を及ぼします。
その一つが為替相場で、大統領選と為替相場には「アノマリー」が以前より知られています。アノマリーとは、論理的には証明することが難しいものの、経験的に観測できるマーケットの規則性のことを言います。
代表的なアノマリーとしては、大統領選の翌年は米ドルが上昇しやすい、というものがあります。
こちらは、1984年から4年間隔で行われている大統領選の翌年の米ドル円相場をまとめたものです。
このように、大統領選の翌年は過去10海中、7回が円に対して米ドル高に推移しています。こうしたアノマリーが生まれる背景としては、大統領候補者は多くの場合、選挙時に強い米国経済をアピールの為、新大統領による本格的な政権がスタートする翌年から、市場参加者が米ドル相場に対して楽観的な見通しを持つ傾向にあると考えられます。
もちろん、2024年の大統領選について必ずしも米ドル高になるとは限りません。しかし大統領選という大きなイベントが、投資家心理に影響を与えることは間違いなく、大きな価格変動と共にこのアノマリーを繰り返す可能性も頭の片隅に入れておきましょう。
相場変動に備えよ！米大統領選のスケジュール
それでは最後に、2024年の米大統領選のスケジュールも押さえておきましょう。
まず、2024年7月15日から18日に、共和党大会の開催が予定されています。共和党大会では、共和党から出馬する大統領候補者を正式に決定します。8月19日から22日には、民主党大会も開催され、民主党から出馬する大統領候補者が正式に決まります。共和党と民主党は米国で強い力を持つ二大政党の一つで、どちらかの候補者が大統領に選ばれる可能性が極めて高いため、この日程は金融市場も注目するところです。
その後、9月から10月にかけて複数回、大統領候補者二人によるテレビ討論会が行われるのが通例です。 テレビ討論会では、テレビを通じて候補者が自分の政策やビジョンを語り、一般有権者である国民にアピールします。 米大統領選の特徴の一つは、テレビ討論会が一大イベントとなっている点で、ここでの候補者の発言に為替相場が敏感に反応する可能性もあるため注意が必要です。
そしていよいよ、2024年11月5日が大統領選の投開票日です。
この日までに国民は投票兵器、投開票日の直後から開票が進められます。
開票結果は順次報道され、新大統領の勝利が確実になると、大々的に速報が流れるのもおなじみの光景です。そして、翌年205年1月20日に大統領就任式が行われる予定です。
過去の大統領選における為替相場では、「開票日」までは穏やかな値動きとなり、新大統領が確定すると、継続して激しい値動きになったり、長期的な米ドル相場のトレンドの起点になったりする傾向がありました。そのため、2024年の大統領選についても、11月5日に控える「投票日」の後、大きな値動きに注意が必要です。
まとめ
米国の大統領選は最大の政治イベントであるだけでなく、金融市場にも大きな影響を与えます。
特に次の大統領選に向けては
・歴史的に、大統領選の翌年は米ドル高の傾向がある
・新大統領が確定するまでは小幅な値動き、確定直後から大きな値動きが生じやすい
といったアノマリーにも注目です。
あくまで過去の傾向ですので、未来の為替相場が必ずそうなるとは限りませんが、一つの傾向として意識しておくべきでしょう。
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