【2021年】ニュージーランドの今後の見通し【お金マン】
オーストラリアドルと並び、先進国の中でも比較的高金利な通貨として人気なニュージーランドドル。
ニュージーランドの国鳥にちなんで「キウイ」と呼ばれることもあります。
ラグビーが非常に強いことでも有名ですね。
今回の記事では、ニュージーランドドルについて徹底解説していきます。
この記事を読めば、
ニュージーランドの基本情報・特徴
為替通貨としてのニュージーランドドルの特徴
ニュージーランドの経済状況・金利状況
ニュージーランドドルのこれまでの動向
今後の見通しについて
などを理解することができます。
ニュージーランドの基本情報・特徴
ニュージーランドの基本情報や特徴について説明していきます。
ニュージーランドの特徴を理解するために、まずは産業構造について理解していきます。
そのうえで、ニュージーランドと関連の深いオーストラリアとの関係について触れていきます。
また、為替相場に大きく影響を与える財政状況や財政政策について解説します。
産業構造について
ニュージーランドの経済はGDPの約70%を貿易が占めており、輸出入の依存度が高いです。
貿易相手国は中国とオーストラリアの割合が大きく、それぞれの国が全体の20%ずつを占めています。
特に中国相手の貿易額は近年急増しており、これまで1番の貿易相手国であったオーストラリアを2013年に抜き、ニュージーランドの最大の貿易相手国となりました。
ニュージーランドの輸出品の60%は酪農製品や肉類など、農業製品のため、工業製品と比較して不況に強い産業構造になっています。
オーストラリアドルとの関係性
貿易全体の約20%を占めるオーストラリアの経済状況は、ニュージーランドにも大きく影響を与えます。
下記のオーストラリアドルとニュージーランドドルのチャートを見てください。
まずはオーストラリアドルです。
次にニュージーランドドルのチャートを見てみましょう。
それぞれ2010年5月からの10年分の為替の動きを示したチャートですが、チャートの形が非常に似ていることに気づきませんか?
オーストラリアが貿易最大手であるということもあり、ニュージーランドはオーストラリアの経済状況に大きく影響を受け、その結果為替にも影響しています。
為替の相関性が非常に高いので、オーストラリアドルとニュージーランドドル間の取引は個人投資家の間で人気です。
両国の通貨の値動きが似通っているため、値動きが穏やかであり、方向感を見極めやすいからです。
ニュージーランドの経済指標
ニュージーランドドルに大きな影響を与える経済指標は下記です。
雇用統計
GDP
GDT価格指数
政策金利
それぞれ具体的に見ていきましょう。
雇用統計
ニュージーランドの雇用統計は、アメリカや日本のように毎月発表されず、2月・5月・8月・11月の年4回3ヶ月ごとに発表されます。
基本的に上記の月の月初に統計数値が発表されます。
特に注目すべきは失業率です。
失業率が上昇してしまうと、経済悪化の懸念が高まるため、売り圧力が強まります。
一方、予想よりも失業率が低いと、買い材料になります。
雇用統計前後は値動きが非常に激しくなりますので、初心者の方は注意してトレードするようにしましょう。
GDP
GDPは国内総生産を意味しており、ざっくり言うと1年間の経済活動の合計額です。
GDPが大きくなるほど、経済が成長している、ということを意味します。
ニュージーランドでは、3月・6月・9月・12月の年4回、各月中旬ごろに発表されます。
速報版の統計数値の方がニュージーランドドルに影響を与えている傾向にあるため、GDP発表においては速報版を注目するようにしましょう。
また、速報値においても、GDPの数値がどうなったか?というよりも昨年と比べてどうなったか?を見るべきです。
前年比よりGDP成長が下がっていれば売り圧力になり、反対に昨年よりも数字が良ければ買いが進む傾向にあります。
政策金利
ニュージーランドは、以前は先進国の中では相対的に高金利通貨として人気を博していました。
2008年頃までは8.25%を誇っていましたが、リーマンショック後の金融不況により2.5%まで下落しました。
その後しばらくは2.5%で推移し、2015年に3.5%まで上昇しましたが、2016年頃から再度段階的に引き下げられ、2020年1月には1.0%まで引き下げられました。
そして、2020年の新型コロナウィルスによる不況に対し、金利引き下げによる景気刺激策を行った影響で、1.0%だった金利は0.25%と、ニュージーランドドルとしては過去最低水準まで引き下げられました。
当面はこの水準の政策金利は据え置きされると予想されています。
ニュージーランドドルの2020年の動向
このような特徴を持つニュージーランドドルは、2020年はどのような相場を過ごしてきたのでしょうか?
下記が2020年1月から12月末までのニュージーランドドル/日本円のチャートです。
2020年の年初1月は1ニュージーランドドル=72円〜74円で推移していましたが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、ニュージーランドドル安の傾向が続きました。
3月にロックダウンを実施するころには円買い・ニュージーランドドル売りの圧力は拡大し、一時62円台まで売り圧力が広まりました。
しかし、ロックダウンを開始してからのニュージーランドの市民生活の正常化・安定化までのスピードは非常に早く、6月には安定化が図れています。
4月〜5月ごろまでは1ニュージーランドドル=64円台で推移していましたが、6月に入り安定化の兆しが見えてくると、再びニュージーランドドルに買いが集まり、6月半ばには70円台にまで回復しました。
その後、11月ごろまでは69円〜72円のレンジ相場を形成していましたが、年末に72円の壁を突破し、年末には74円まで上昇しています。
国家非常事態宣言を出しロックダウンを早期に実行するなど、新型コロナウィルスに対する対策の早さが功を奏し、2021年の実質GDP成長率は5.9%増と、日本の3.0%、アメリカの4.7%よりも高い水準で景気回復に向かう見込みです。
今後の見通しについて
2021年のニュージーランドドルの見通しは、堅調に推移するだろうと予想されています。
2020年の新型コロナウィルス感染拡大の封じ込めに成功したニュージーランドは、その手腕が評価されており、リスクオフ時の安全資産として認識されつつあります。
世界的に新型コロナウィルスの感染拡大に歯止めが聞いているとはいえない状況の中で、ニュージーランドドルはリスク回避時の通貨として買いが集まる傾向です。
実質GDPも5.9%増と他国と比較して好調に推移する見込みのため、相場を力強く下支えしています。
景気動向に大きく影響を与える失業率も市場予想より低く推移しており、比較的好調であるため、今後もニュージーランドドルは堅調な展開が予想されています。
筆者としては、向こう1年間の値動きは1ニュージーランド=70円〜81円程度と予想しています。
まとめ
先進国の中でも比較的高金利な通貨であったニュージーランドドルは、昨年の新型コロナウィルスの感染拡大にともない、0.25%と、過去最低水準の金利になっています。
しかし、早期のロックダウンによる市民生活の安定化を実現したニュージーランドはいち早い景気回復を迎えており、市場からもニュージーランドドルに対してプラスの評価をしています。
今後も、経済回復が相場を下支えし、値動きが堅調に推移する展開が予想されます。
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