NZドル円は2021年どうなる？為替見通しと稼ぐ戦略【鈴木拓也】

鈴木拓也_トップ.png

こんにちは、元メガバンク為替ディーラーの鈴木拓也です。

「NZドル」（ニュージーランドドル・NZD）は高金利の新興国通貨として注目され、スワップトレードに用いられることが多かったですが、最近では扱われ方が大きく変わってきました。為替差益を狙ったトレードです。

このコロナ禍の中、ニュージーランド経済はどのような状態にあり、2021年はどうなっていくのでしょうか？今回は2020年のNZドル円の動向を振り返りながら、NZドル円で2021年に稼ぐ戦略についてお伝えしていきます。

【今回の記事でわかること】
・2020年のNZドル円の状況
・NZドル円で2021年に稼ぐための戦略

2020年のNZドル円の振り返り

2020年はコロナ感染拡大のため、どの国も大きな損失を受けています。ニュージーランドもその中の国のひとつですが、実は封じ込めに成功している珍しい国でもあります。

2020年6月には正常化

ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は、2020年2月、感染者ゼロの段階で中国からの入国を禁止させ、3月には国家非常事態宣言を発出してロックダウンに突入しました。この迅速な対応によって、6月8日には正常化。その後再び感染リスクは高まるものの、欧米諸国とは比較にならないほど感染の封じ込めに成功しました。

NZドル円の変動については、2019年12月に1NZドル73円台だったところから、2020年3月には63円台まで急落。しかし9月2日の時点で1月27日以来の高値を更新し、71.95円まで回復しています。2021年1月時点では、75円台ですから、コロナ禍以前までNZドルは回復しているということです。

【鈴木拓也】＃30-1.PNG

2期連続で実質GDP成長率がマイナスとなり、リセッション入りしていましたが、2020年第3四半期（7月〜9月）はプラス14.0％と、前期比プラス66.75％、同年同時期比でもプラス0.4％となり、グラント・ロバートソン財務相もいち早く感染封じ込めに尽力したことで、ニュージーランド経済は予想以上の回復を見せていると発言しています。

政策金利は過去最低だが、乳製品の価格上昇効果

ニュージーランドの政策金利は、2020年3月に過去最低となる「0.25％」まで引き下げされました。10月にはマイナス金利に言及する場面も見られ、NZドルの重石となりましたが、オアRBNZ（ニュージーランド準備銀行・中央銀行）総裁は、11月にマイナス金利導入には否定的な姿勢を示し、再びNZドル円は上昇しています。

ニュージーランド経済の柱は、輸出の6割を占める酪農製品や肉といった「農産物」です。コロナ禍で世界中の経済が低迷する中では、工業製品を輸出するよりもダメージは少なかったといえます。また、乳製品の価格上昇も、ニュージーランド経済には追い風です。そのため住宅価格も上昇しており、欧米諸国とは逆に、金融緩和よりも引き締めに動くのではないかという憶測もあるほどです。

2021年1月22日に発表された「2020年第4四半期（10月〜12月）消費者物価」は前期比プラス0.5％と、やはりニュージーランドが順調に景気回復していることを示しています。隣国のオーストラリアの景気と連動する傾向の強いニュージーランドですが、やはり今回もオーストラリア同様に堅調ぶりをアピールしており、それがNZドル円の上昇に勢いをつけている状態です。

2020年のNZドル円の振り返りのポイント！
・コロナ禍のリセッションからは抜け出し、コロナ禍以前の水準まで回復
・農産物の価格上昇によって景気は上向き

★☆★ シストレちゃんねるからお得なお知らせ！ ★☆★

NZドル円で2021年に稼ぐための戦略

それではNZドル円を扱って、今後稼いでいくために注目すべき点はどこになるのでしょうか？

中国との関係性に注目しながらの売買

上昇基調のNZドル円ですから、そのトレンドに乗って為替利益を上げていきたいところです。上値としては2014年の93円台があり、時間はかかるかもしれませんが、ここまでの上昇の余地は充分あります。日本のように人口減に苦しむ国が増えている中、ニュージーランドは人口が増えており、2055年までに現在の1.2倍になる見込みです。もちろんそれに比例し個人消費も拡大していくことでしょう。

ポイントになるのはニュージーランドの最大の輸出国である中国です。中国経済がどのような成長を遂げていくのか、そして中国とニュージーランドの関係性がどのように変化していくのかに最も注目する必要があります。

2021年1月26日、アーダーン首相は中国との「自由貿易協定」（FTA）を強化する協定に署名したと公表しました。これによりニュージーランド産農産物は中国市場でより開放されることになります。紙や木材の輸出についても99％の関税が撤廃され、その規模は30億NZドルと見られています。これにより、中国経済が安定して成長していけば、ニュージーランド経済もまた安泰でいられる可能性が高まったということです。

アメリカはバイデン新大統領が就任し、対中国との貿易摩擦をどのように対応していくのかにも敏感になる必要があるでしょう。米中が良好な関係に改善されていけば、NZドル円はさらなる上値を試せる状況です。

2020年10月の総選挙で労働党は単独で半数の議席を得るという歴史的勝利を収めています。コロナ禍におけるアーダーン氏の日々のアナウンスを含め、そのリーダーシップが評価された証ですし、ニュージーランドは2021年のAPECの議長国ですので、その手腕がさらに期待されます。何かと明るいニュースが多いのもニュージーランドの特徴といえます。

上昇トレンドでは自動売買ツールのループイフダンが効果的

上昇基調の中でも、反発しての小幅な下落を繰り返して上昇していきますので、その変動の幅も利用しながら利益を上げていくには、24時間自動売買を繰り返してくれる、アイネット証券の「ループイフダン」が有効です。値幅は事前に設定できますので、その値幅になると自動で新規注文を入れ、自動で決済してくれます。

本業や家事で忙しく、なかなかチャートを確認できなかったり、チャンスを逃してしまうことが多いトレーダーも、ループイフダンを利用すれば問題を解消することができます。負担なくFXで利益を積み上げていけるのが自動売買ツールの強みです。

上昇トレンドの中、上がったら決済し、下がったら買い足し、また上がったら決済するという循環を24時間続けられるのです。ただし市場が米中関係の悪化などによりリスクオフのムードになると、転換期を迎える可能性もありますので、その際には設定を見直す必要があります。

NZドル円で2021年に稼ぐための戦略のポイント！
・上昇基調を利用しての順張り。ループイフダンを使えばさらに効果的
・米中関係には警戒。リスクオフの場合は、ループイフダンの設定変更で対応

「NZドル円は2021年どうなる？為替見通しと稼ぐ戦略」のまとめ

2021年、ニュージーランドは政策金利が低い状態で維持されていくでしょうが、NZドル円はスワップポイントではなく、為替差益で稼いでいきやすい状態にあります。裁量トレードに固執することなく、為替変動のポイントを押さえ、ループイフダンを用いて積極的に取引していくことでさらに効果的に稼ぐことができるでしょう。