こんにちは、元メガバンク為替ディーラーの鈴木拓也です。

コロナ禍の影響で世界中が低金利に突入している中、FXで注目が集まるのは高金利の新興国通貨です。コロナ禍のリスクオフの流れに押されて軒並み下落しているものの、2020年後半に回復しているのが新興国通貨全体の傾向です。

はたして「南アフリカランド」（以下、南アランドと略）はどんな状況なのでしょうか？今回は「南アランド円」（ZAR/JPY）の2020年の振り返りと、2021年にどうすれば稼げるのかという点についてお伝えしていきます。

【今回の記事でわかること】
・2020年の南アランド円の状況
・南アランド円で2021年に稼ぐための戦略

2020年の南アランド円の振り返り

2016年までの下落トレンドからもみ合いに転じていた南アランド円ですが、コロナ禍の影響で最安値を更新しています。この経済事情では政策金利は下げざるを得ない状況です。

底は5.5円台で上昇傾向

2011年には1南アランド12円をつけていましたが、下落トレンドが続き、2016年までに7円まで下げています。その後、2020年に突入するまでもみ合いからやや上昇基調という感じで7.7円まで回復しましたが、コロナ禍によって2020年4月には一時5.59円まで急落しました。しかし5.5円台を割ることはなく、その後は持ち直し、2020年12月には7円まで上昇しています。コロナ禍以前までほぼ戻した状況です。「底は5.5円」だったということです。

南アフリカ共和国のGDPを確認していくと、2020年第2四半期（4月〜6月）の実質GDPは、前期比年率マイナス51.0％と過去最大のマイナス成長でした。しかし、11月8日に発表された第3四半期（7月〜9月）はプラス66.1％と、5四半期ぶりにプラス成長を見せ、南アランド買いの動きが強まっています。

政策金利は7月より3.50％を維持

世界的にゼロ金利政策が流行している中、南アフリカ共和国の政策金利も段階的に利下げが実施されています。2020年1月の段階では6.25％でしたが、7月には3.50％まで引き下げられ、その後は維持している状態です。日本やアメリカ、EUと比較すると高金利通貨であることに変わりはないでしょう。

ただし、2020年のGDP成長率はマイナス7.8％という見通しで、南アフリカ中央銀行としてはさらなる金融緩和、利下げに踏み切りたいようにも思えます。もしかすると日本との金利差はもっと縮まっていくかもしれません。

金利が下がっているにもかかわらず、南アランドがこれだけ回復できた理由には、アメリカ大統領選挙でバイデン氏が勝利したことが挙げられます。南アフリカ共和国の最大の輸出国は中国です。米中の貿易摩擦は南アフリカ共和国の経済にも大きな影響を与えるのです。米中関係の軋轢がバイデン氏によって少し緩和されるのではないかという思惑が市場にはあります。現実にそうなれば南アランド円はまだ上昇していく余地があるでしょう。

2020年の南アランド円の振り返りのポイント！
・史上最安値を更新するも、その後は回復を続けている
・政策金利は3.50％まで引き下げられたが、高金利通貨としての魅力は維持している

　

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南アランド円で2021年に稼ぐための戦略

それでは南アランド円で2021年に稼いでいくためには、どのようなトレードスタイルが最適になるのでしょうか？

2021年はAfCFTAが開始で南アランド円上昇ムード

アフリカ全体を共通市場にしようという「アフリカ大陸自由貿易圏」（AfCFTA）構想が、コロナ禍の影響でなかなか開始できずにいます。2020年7月から運用開始の予定でしたが、2021年1月に延期されました。

AfCFTAは53ヶ国、13億人、市場規模は3.4兆ドルという巨大経済圏です。まだまだインフラ整備も追いつかず、政情不安などから海外の企業投資も慎重な状態ですが、アフリカ全体の経済の向上は、南アフリカ共和国にとっても追い風です。

2021年のGDP成長率は、プラス3.3％という見通しになっており、2020年時点では財政赤字拡大の中にあるものの、将来に期待がもてる条件が揃っています。5.5円台が底ですから、6円台は買いという方向性でいいでしょう。

問題は7円がサポートラインとなるのか、レジスタンスラインになるのかという点です。7円のラインをブレイクしていくようであれば、かなり強い上昇トレンドになります。さらに買い足ししたいところです。中期的には8円台〜10円台までの高値も充分に期待できます。

逆に7円のレジスタンスラインで押し返されるようであれば、6円から7円のレンジでのもみ合いとなる可能性もあります。その場合は、ここで一端売りの利益確定が必要になるでしょう。下がりを見てからの買いというスタンスです。

スワップトレードならばループイフダンが有利

利下げが続いている南アフリカ共和国ですので、スワップポイントもあまり期待はできません。1Lot（1万通貨）で6円〜8円というのが平均的な目安です（※）。南アランド円は安いので、10Lot（10万通貨）単位で表記するFX業者が多いですが、これだと60円〜80円となります。

プラススワップで特に有利なのは、アイネット証券が提供しているシステムトレードの「ループイフダン」です。1Lot（1万通貨）で10円のプラススワップになっていますので（※）、10Lot（10万通貨）だと100円です。他社よりも毎日受け取れる利息が高いので、スワップトレードをするのであれば、ループイフダンがおすすめです。

特に上昇トレンドがはっきりしてきたら、設定した値幅とポジション量の中で、24時間売買を繰り返して利益を積み上げてくれます。7円のレジスタンスラインをブレイクしたら、しばらくの期間はロングの設定で、自動売買していくのが効率的です。この方法だと、為替差益をどんどん稼ぎながら、安定的にプラススワップも積み上げられます。

ちなみに30Lot（30万通貨）でもレバレッジ25倍を効かすと必要証拠金は8,400円（1南アランド7.0円）です。これで毎月プラススワップが9,000円ほど貯まります（※）。ここから10円まで上昇すれば、為替差益も90万円の利益になります。もちろんループイフダンだともみ合いの中でも為替差益が期待できますので、実際はもっと利益は積み上がるはずです。

※スワップポイントの数値は記事執筆12/30時点であり、今後変動する可能性があります。

南アランド円で2021年に稼ぐための戦略のポイント！
・6円台は買い、7円をブレイクしたら順張りで買い足し
・スワップポイントも効率良く稼ぐためにはループイフダンが最適

「南アランド円は2021年どうなる？為替見通しと稼ぐ戦略」のまとめ

2021年の南アランド円は7円台付近の値動きを見ながらの取引になっていくでしょう。7円をしっかりブレイクしたことを確認したら、すぐにこのトレンドに乗ることが重要になってきます。もちろんそこはダマシもありますので、様子を見ながらです。

バイデン氏の対中姿勢が強硬なものになる場合は、6円台前半まで低下することも充分に考えられるので、その辺りは含み損にも耐えられるよう余剰金の余裕もしっかりと確認していってください。状況によっては自動売買ツールの買いの設定を一度解除しておくことも忘れないようにしましょう。

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【注意事項】

・本レポートは筆者の主観及び経験に基づき執筆されており、内容の正確性や完全性を保証するものではありません。筆者及び株式会社アイネット証券は、本レポートの利用あるいは取引により生ずるいかなる損害の責任を負うものではありません。

・本レポートはあくまでも参考情報であり、筆者及び株式会社アイネット証券は、為替やいかなる金融商品の売買を勧めるものではありません。取引を行う際はリスクを熟知した上、完全なる自己責任において行ってください。

・当コラムにてループイフダンの実績を紹介する際に使われている「年利」は元金に対する年間の利益率を指しており、金利や利息を指すものではありません。

・筆者及び株式会社アイネット証券の許可無く当レポートの全部もしくは一部の転送、複製、転用、検索可能システムへの保存はご遠慮ください。

・スワップポイントは一定ではなく変更される場合がありますのでご注意ください。また、変更により、「受取」から「支払」へ転向する可能性がありますのでご注意ください。