山中康司のループイフダン戦略レポート(2020年7月号①)
ループイフダン「2020年7月の戦略」
●移動平均で攻めるループイフダン(戦略概要)
長めのポジション保有を前提に「週足終値が20週移動平均線よりも上にあるか、下にあるかでトレンドを判断」します。ダマシを回避するため「実際の売買は、2週連続で終値が上か下というフィルター」をかけます。リスク管理はこれまで同様で最大ポジション数10(ポンド円のみ5)、損切設定はあり、とします。
使用チャートは日々の動きを明確にするため、複数時間枠表示という手法で日足チャートに週足移動平均線を重ねています。階段状になっているのはそのためで、1週間(5営業日)単位で移動平均線の値が変化していることがわかります。また、週足終値の位置を間違えないよう、日足を1週間ずつ青い四角で囲ってあります。つまり、青い四角の中の最後の日足終値が週足終値と同じです。また紫の四角で1か月を囲み、各月の値動きもわかりやすくなります。
ポートフォリオ全体の資金管理としては、以前の戦略と同様「1か月の最大想定損失額25万円以上に到達した通貨ペアに関しては、いったん全てのポジションを仕切った上で月末まで運用見送り」というスタンスです。なお、この状態で「ポジションが無い状態での翌月のエントリーは、2週連続で終値が上か下かというトレンドが確定した週末を待つこと」としています。つまり、再エントリーの場合でもフィルターをかけます。
ポートフォリオ全体としては、証拠金の6%を超える損失(当レポートでは30万円超の損失)で、全ての利益が出ているポジションも含めて成り行き決済とし、その場合は月末まで一切ポジションを持ちません。これは、複数通貨ペアで25万円以上の損失が出ることが無いようにするためのセーフネットです。
●はじめに
前回6月の月中レポートをお読みでない方は、まずそちらを先に読んでいただきたいのですが、5月後半からの失策(上述のルールに反する行動)の影響から6月上旬時点で全てのポジションを決済、その後一切ポジションを持たないままで月末を迎えました。よって、月中レポートの損益イコール月間の確定損益となっているため、ポジションの未確定損益も含め、損益部分の記述については今月はあえて書いていません。
それでは、7月の戦略を見ていきましょう。
●ドル円
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6月のレンジ=始値107.66、高値109.85、安値106.23、終値107.93
7月の戦略=S50を再開
6月のドル円は、前回のレポートに書いた通りですが、米国雇用統計とFOMCへの思惑で乱高下しました。後半は5月までのもみあい相場に戻った印象ですが、米国内での経済活動再開に伴い新型コロナウイルス感染者が再び急増していることなどがドルの上値を抑えていました。6月末から7月初にかけては実需によるドル買いともみあいを上抜けたことから一時的に円安に動きましたが、上下ともにドル円はオーダーが並んでいることから円安の流れが続く状態とはならず、20週平均線との攻防は続きそうです。
7月は週足終値が移動平均線を下回る状態が続いていますので、ドル売りの戦略を再開することとします。値幅的に50銭間隔から25銭間隔に戻すことも検討しましたが、6月上旬の激しい動きを見ると値幅は広めにしておくことを続けた方が運用を継続しやすいと思いますので、今月以降もしばらくは50銭間隔での運用を続けます。
当レポートでは、107.637からS50、最大ポジション数10で運用を再開しました。
●ユーロ円
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6月のレンジ=始値119.69、高値124.43、安値119.31、終値121.25
7月の戦略=B80を再開
6月のユーロ円は、月前半に5月の2016年以来の安値圏から10円以上もの反騰を見せましたが、主な要因はドル円の振れとECBの追加緩和、米国FOMCの思惑といった材料であることは前回書いた通りです。その後は下げの流れが続き120円の大台をも割り込むこととなりましたが、大台割れでは買いも出て121円台に乗せての月末クローズとなりました。
ユーロ円は週足終値が移動平均線を上回る状態が続いていますので、ユーロ買いの戦略を再開することとします。また、これまでは40銭間隔での運用としていましたが、5月から6月にかけての大きな動きを考慮して今回から80銭間隔へと広げることとしました。これはドル円同様に運用を継続することを主眼とした変更です。
当レポートでは、120.770からB80、最大ポジション数10で運用を再開しました。
●ポンド円
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6月のレンジ=始値132.65、高値139.75、安値131.78、終値133.83
7月の戦略=S100を継続
6月のポンド円は、他のクロス円同様に月初上昇、2週目下落という値動きは変わりませんでしたが、例えばユーロ円と比べてポンド円がより上値が重たい地合い(移動平均線との位置関係も逆)となっていたことは、6月末でブレグジット移行期間の延長が出来なくなり、英国が予定通り延長を望まなかったという影響もあったと言えるでしょう。当レポートでの扱いはありませんが、ユーロポンドの取引も可能ですから、ブレグジット移行期間後に向けてユーロの対ポンド取引も考えてみてもよさそうです。
ポンド円は週足終値が移動平均線を下回る状態が続いていますので、ポンド売りの戦略を再開することとします。
当レポートでは、133.052からS100、最大ポジション数5で運用を再開しました。
●豪ドル円
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6月のレンジ=始値71.66、高値76.79、安値71.62、終値74.49
7月の戦略=B80を再開
6月の豪ドル円は月前半こそ前回のレポートに書いた通りですが、豪州がコロナウイルス調査を中国に強く要求していることが悪材料と考えられながらも思ったほどは影響が出ていなかった印象です。月後半は値幅を狭めるもみあい状態となりましたが、6月末には短期のもみあいを上抜けつつある値動きを見せていました。
また豪州は資源国として中国との関係が深いがゆえに対中問題が上がると、悪材料視されるのですが、6月末に中国が香港での国家安全法を成立させました。一国二制度の終わりの始まりと見る向きも多く、コロナに続いての中国指導部の動きに対して、欧米諸国は中国との距離を置く方針を今後打ち出してくる可能性もあり、そうなるとそれも豪ドルにとっては悪材料とされそうな気がします。9月の香港立法議会選挙の立候補が7月18日から始まりますが、民主派の立候補者に影響が出てくるかどうかが最初の関門でしょう。
豪ドル円は週足終値が移動平均線を上回る状態が続いていますので、豪ドル買いの戦略を再開することとします。また、これまでは40銭間隔での運用としていましたが、豪ドル円も今回から80銭間隔へと広げることとします。
当レポートでは、120.770からB80、最大ポジション数10で運用を再開しました。
●ユーロドル
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6月のレンジ=始値1.1115、高値1.1423、安値1.1101、終値1.1234
7月の戦略=B60を再開
6月のユーロは5月下旬から続く欧州委員会主導のコロナ復興基金を好感した動きに、ECB理事会で追加緩和が決まったことが加わってユーロは一時1.14台に乗せました。しかし、基金はオーストリア、オランダ、スウェーデン、デンマークの4か国にフィンランドも反対していて、果たして7月のEUサミットで合意に持ち込めるかどうか不透明な状況です。また英国がブレグジット移行期間を延長しないことから今後急速に協議を進めていくこととなりますが、それも難航が予想されユーロの上値を抑える要因となっています。
ユーロドルは週足終値が移動平均線を上回る状態が続いていますので、ユーロ買いの戦略を再開することとします。
当レポートでは、1.12230からB60、最大ポジション数10で運用を再開しました。
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●スイス円(チャート、ゾーンのみ)
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7月の戦略=B80を継続
●ランド円(チャート、ゾーンのみ)
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7月の戦略=S50を継続(かなり移動平均線に近いため月中に転換の可能性も)
●トルコリラ円(チャート、ゾーンのみ)
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7月の戦略=S50を継続
●メキシコペソ円(チャート、ゾーンのみ)
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7月の戦略=S50を継続
●NZドルドル(チャート、ゾーンのみ)
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7月の戦略=B80を継続
●豪ドルNZドル(チャート、ゾーンのみ)
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7月の戦略=B80を継続
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