豪ドルの今後の見通し(2019年、2020年)予想と、FXでのおすすめ戦略【Yuki】
こんにちは。為替研究所のYuki(@kawaselab)です。
今回は、2018年から下落基調で、さらに最近は利下げも続いていることから、スワップ投資派の多くの方を心配させている豪ドルについて、今後の見通しと、おすすめ投資戦略を描きたいと思います。
結論から言うと、
- 2019年内から2020年頭にかけては、まだ利下げの打ち止め感はなく、当面下落基調が続く可能性が高く、スワップポイントも下がりそう
- 一方で、豪ドルという通貨で見ると、2020年の間に底打ちすると予想
- 豪ドル円については、後もう1〜2回利下げがあり、60円台に落ちてきた辺りからゆっくりと買い下がって行きたい
- ただし、世界経済の低迷リスクから、豪ドル要因ではなく円高要因で、豪ドル円も下がるリスクはあり、その点については注意が必要
- 今は豪ドル円より、豪ドル/NZドルという通貨ペアの方がおすすめで、この通貨ペアだと、今から投資するのにも非常におすすめ
と考えております。
一番最後の豪ドル/NZドルというのは、豪ドルを買いながら、豪ドルと同じような値動きをするNZドルを売ることで為替変動をヘッジした通貨ペアで、その結果、非常にレンジ相場になりやすく、自動売買に最適の通貨ペアで、私も実際に利回り40%以上で運用出来ている戦略もあるものです。
関連記事:豪ドル/NZドルループイフダン私の実績と、自動売買における含み損の重要性【Yuki】
後で書くように、しばらくはスワップ狙いをしようにも、そのスワップの基となる金利がかなり低くなっており、しかもまだこれからも下がる見通しで、スワップ狙いもあまり美味しくないので、今は豪ドル円より、豪ドル/NZドルの自動売買で利益を積み重ねていく方がおすすめです。
一方で、この利下げも2020年の間には打ち止めが来ると考えられ、そうなると今後は為替も上がれば、今後どこかで利上げしたタイミングではスワップも狙えるようになるという点で、その時には再び豪ドル円のスワップ投資も旨味が出てくると考えており、今は待ちの時間帯なのかなと思っております。
以下の順番で書いていきます。
- 豪ドルの現状 2018年以降下落基調で、利下げも続いている
- 豪ドルのIMM通貨先物ポジションの長期推移と現状分析
- 豪ドルに重要な影響を与える、オーストラリア政策金利の今後の見通し
- 豪ドル円の今後の見通し予想(2019年、2020年)
- 2020年以降の豪ドル円投資の最大のリスクとは?
- FX豪ドルのおすすめ投資戦略(豪ドル/NZドルも含む)とその理由
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豪ドルの現状 2018年以降下落基調で、利下げも続いている
まず、豪ドルについての現状分析から行います。豪ドルは、2018年に入ってからは基本的に下落基調にあり、今もまだ下落トレンドからは抜けられておりません。
【豪ドル円 週足チャート 2018年以降】
【豪ドル/ドル 週足チャート 2018年以降】
これを見ると、特にドルストレートの豪ドル/ドルで、非常に美しい下落チャートを描いていることが分かると思います。
この理由は、
- オーストラリアと関係の深い中国の景気減速見通し
- それに加えて、2018年から米中貿易戦争も始まり、「一時休戦」することや市場が飽きることはあっても、全体的にはどんどん悪化傾向にある
- 2018年はアメリカが利上げしている一方、オーストラリアは据え置き、2019年に入るとどちらも利下げムードで、まだオーストラリアの方が利下げの打ち止め感が小さい
といったことから、ジリジリと下げ続ける形になっております。
豪ドルのIMM通貨先物ポジションの長期推移と現状分析
この「ジリジリと豪ドルが売られ続けている」という状況は、IMM通貨先物ポジションという、シカゴ投機筋のポジション動向からも見て取ることができます。まずは、2007年以降の長期推移をご覧ください。
【豪ドル/ドル IMM通貨先物ポジション 2007年以降】
期間が長いので少し見づらいですが(笑)
- 全体的には買い越しの時の方が多い
- しかし2018年以降は一度売り越し超過になってからはずっと安定して売り越し超過が続いている
- 今は長期で見た時に「売られすぎ」という程ではなくなっているが、それでも売り越し超過としては小さくない水準
ということを見て取ってもらえればと思います。
ちなみに、2018年以降だけで見ると、以下のようになっております。
【豪ドル/ドル IMM通貨先物ポジション 2018年以降】
このように、若干の上下動はあれど、ある意味で「安定して売り越されている」ということが分かると思います。
豪ドルに重要な影響を与える、オーストラリア政策金利の今後の見通し
次に、豪ドルの為替が下落した理由の1つであり、また、最近豪ドル円のスワップポイントが下がっている最大の理由でもある利下げ傾向について説明します。
オーストラリアは2016年8月に政策金利を1.5%に利下げしてから、2018年まではずっと1.5%をキープしていたのですが、2019年に入ってから合計3回の利下げを行い、現在の政策金利は0.75%となっております。
この政策金利については、先日10/29に豪中銀のロウ総裁がコメントを出しており、そのポイントは以下の通りです。
- 必要であればさらなる追加緩和を行う用意がある
- 最近の利下げが雇用と全体的な所得の伸びを支え、豪経済を支えている
- 他の主要中銀が緩和政策をとっている中で、緩和をやめると不必要な豪ドル高を招く可能性がある
- ただしマイナス金利が必要になる可能性は非常に低い
この発言から考えると、今の世界的な金融緩和傾向の中では、オーストラリアが後1-2回利下げする可能性は高そうだが、今の政策金利が0.75%であることを考えると、3-4回の利下げの可能性は低そうであり、あと1〜2回の利下げがあって、そこで打ち止めの可能性が高いと考えられます。
今後の政策金利は、年内には11月5日と12月3日にありますが、11月はさすがに2回連続利下げの可能性は低いと考えられるため、市場の予想では据え置きとなっており、12月に利下げがあるか、来年どのくらい利下げがあるか、という点が注目されております。
以上のように、しばらくは利下げ傾向は続くと考えられるものの、利下げの余地はかなり小さくなっており、来年の間には底打ちする可能性が高いと考えられます。
豪ドル円の今後の見通し予想(2019年、2020年)
それでは、次に豪ドル円が今後どうなるかという予想をしたいと思います。上でも書いたように、私としては、2020年前半くらいまで当面は下落基調、ただしその辺りで底を打って反転上昇と予想しております。
まず上で書いたように、豪ドルが下がっている大きな理由は、
- 中国経済の低迷
- 米中貿易戦争
- 豪の利下げ
といった要因でした。
その内、利下げについては2020年の早い段階で打ち止めになりそうだと書きましたが、実はもう一つ、米中貿易戦争についても、2020年の内には一旦休戦モードに入る可能性が高いと考えております。
これは、2020年11月に米大統領選が控えていることが理由で、トランプ大統領としては、この時に何としても株価を維持して、さらに「外交的な成果」も必要としていること、中国側からしても、アメリカによる関税が中国経済に打撃を与えている側面は確実にあることから、ある程度アメリカが妥協しての一時休戦となる可能性が高いと予想しております。
こうなってくると、上でも見たように、今の豪ドルの売り越し超過というのが、長い目で見てかなり珍しい状況であることも合わせて考えると、この売りポジションの解消からの上昇の可能性が高いと見ており、2020年内に底を打つ可能性が高いと予想します。
2020年以降の豪ドル円投資の最大のリスクとは?
このように、2020年内で豪ドル円は底打ちというのがメインシナリオで考えておりますが、豪ドル円については、それでもリスクは存在すると考えております。
そのリスクは、世界経済の停滞によるリスクオフ→円高という可能性で、これが起こってしまった場合には、豪ドル円も円高の影響で下落する可能性が高いと思っております。
これは、
- 世界最大の消費国である中国の経済停滞(米中貿易戦争も一つの要因ではあるが、これが全てではない)
- ヨーロッパの景気低迷
- アメリカの経済指標の悪化傾向や、今年に入って発生した逆イールド
等々、リスクを示す兆候は色々なところで出ており、このように世界経済への悲観見通しが高まると、安全資産である円に買いが入り、その結果豪ドル円も円高要因から下落することになります。
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FX豪ドルのおすすめ投資戦略(豪ドル/NZドルも含む)とその理由
こうしたことから、あと1-2回利下げした辺りで豪ドル円は買いで入っていきたいとは思っておりますが、それでもかなりロスカットまでは余裕を見て、ゆっくりとした買い下がりでいきたいと思っております。
少なくとも、豪ドル円のリーマンショック後の55円前後には耐えられるようにしつつ、最悪50円割れも覚悟しながらのゆったりとした買い下がり戦略が良いと思います。
【豪ドル円 月足チャート】
このように、豪ドル円は買い下がりで入ろうと思っておりますが、豪ドル円以上におすすめ度が高いのは、冒頭にも書いた通り豪ドル/NZドルという通貨ペアです。
この通貨ペアについては、別の記事で詳しく解説しているので、一部を引用すると、
豪ドル/NZドルという通貨ペアは、「豪ドルを買って、NZドルを売る」という通貨ペアです。そして、豪ドルとNZドルは、
- どちらもオセアニア諸国の通貨
- どちらも中国経済の影響を大きく受ける
- どちらも先進国の中では比較的高金利
- どちらも緩やかに長期間経済成長が続いている
- どちらも公的債務残高が少なく、財政リスクが低い
というように、特徴が非常に似ているため、為替もほぼ同じような動きをして、その結果、豪ドル/NZドルという通貨ペアは、非常にレンジ相場になりやすい通貨ペアです。
実際、直近30年間の豪ドル/NZドルのチャートをご覧ください。
このように、1.0から1.4の間で安定してレンジ相場を形成しております。
このレンジ相場になりやすさは、他の通貨ペアと比べても圧倒的であり、他に自動売買で人気の高いドル円、豪ドル円、NZドル/ドルと直近30年間の値動き幅を比べると、以下の通りです。
豪ドル/NZドル ドル/円 豪ドル/円 NZドル/ドル 高値 1.464 160.32 107.84 0.88414 安値 1.006 75.29 54.92 0.391 差異 0.458 85.03 52.92 0.49314 差異率 45.5% 112.94% 96.36% 126.12% このように、豪ドル/NZドルは、長期でレンジ相場になりやすく、レンジの幅も豪ドル円等と比べても狭いという特徴があります。
また、豪ドル/NZドルのレートは、執筆時現在1.07くらいで、オーストラリアとニュージーランドの経済規模の差を考えても、豪ドル/NZドルが1.0を下回る(=ニュージーランドドル>豪ドルになる)可能性は低く、実際に過去にも割ったことがないことを考えると、レンジを下方向に抜ける可能性は低いという点も、自動売買に向いているポイントです。
豪ドル/NZドルループイフダン私の実績と、自動売買における含み損の重要性【Yuki】
このように、レンジ相場になりやすく、値幅も小さいため、自動売買で利益を得るには最適の通貨ペアであり、実際に私も利回り40%以上で運用できている戦略もあり、非常におすすめの通貨ペアです。
また、豪ドル/NZドルであれば、
- リスクオン・オフ
- 中国経済の悪化
- 米中貿易戦争
といった、豪ドル円には大きな影響を与える要因について、「良くなればどちらも良くなり、悪くなればどちらも悪くなる」という点で、豪ドル/NZドルという通貨ペアで見ると、大勢に影響を与えないという点も非常に魅力的です。
このように様々な不確定要素を排除しつつ、その上でレンジ相場の中で自動売買を運用できるという点が、豪ドル/NZドルの最大の魅力と言えます。
なお、豪ドル/NZドルという通貨ペアは、自動売買で運用するのがおすすめなのですが、自動売買可能なFX会社の豪ドル/NZドルの条件を比べると、
スプレッド |
スプレッド※1 |
手数料 |
買いスワップ※2 |
売りスワップ※2 |
ループイフダン |
6 |
無料 |
2 |
-12 |
トライオートFX |
9.8※ |
無料 |
-7 |
-28 |
iサイクル注文 |
10 |
40 |
0 |
-20 |
トラッキングトレード |
7.1 |
40 |
2 |
-12 |
トラリピ |
取り扱い無し |
※1 スプレッドは原則固定で、単位はpips
※2 スワップポイントは、円単位で記載があるところは執筆時現在のスワップポイント、NZドル単位での記載があるところは1NZドル=70円で換算
※3 1,000通貨単位での取引の際のマークアップを含むスプレッド
となっております。
このように、ループイフダンがスプレッド、スワップ、取引手数料どれも一番条件が良く、頭一つ抜けているので、豪ドル/NZドルを自動売買で取引する場合は、スペックの面から見ても、ループイフダンがおすすめです。
このループイフダンについては、この記事から口座開設+取引で、3,000円のAmazonギフト券が貰える限定タイアップもあるので、もしまだ持っていない場合、口座開設はこの記事からしていただくのがおすすめです。
口座開設は、
からできます。
また、Twitterでも相場の見通しや、私のトレードも書いているので、よろしければそちらもフォローお願いします!
Twitter:Yuki(@kawaselab)
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