FXは「ロスカットが狙われるもの」であるという話【Yuki】
こんにちは。為替研究所のYukiです。
2019年は、フラッシュ・クラッシュとも呼ばれる「売り仕掛け」にはじまり、その後ドル円や日経が上げており、それが「ショートが狩られて踏みあげられている」と説明されることが多く、また、GWの10連休が近づいてきて、今度は「売り仕掛けがあるのではないか」という声もよく出ております。
実は、これらの「ショートの踏み上げ」と、「売り仕掛け」ということには、「投資家のロスカットは、常に狙われている」という背景があり、これを理解しているかしていないかで、相場の見え方が全然違ってくると思うので、今回は、これについてできるだけ分かりやすく解説したいと思います。
なお、分かりやすさを優先するために、時折表現に厳密性を欠く場合も出てくるかと思いますが、その点はご容赦頂ければ幸いです。
まず何故投資家のロスカットが狙われるのかを説明するために、前提として
- 為替の世界では、実需以外の「投機」の量が多いと言われている
- 為替の世界はゼロサム(厳密にはマイナスサム)である
という2つの事項を説明します。
為替の世界では、実需以外の「投機」の量が多いと言われている
まず、為替の世界では、全ての取引量の合計の内、貿易などの実需の取引量は1-2割程度と言われており、大部分がそれ以外の、いわゆる「投機」によるものと説明されることが多いです。
この8-9割が投機という数字は、スワップ取引が二重・三重に計上されたりしているせいで、厳密には正しくないことのようですが、とはいえ、相場が実需の動向と関係なく動くことも多々あり、また、例えば日本の為替取引では、今ではFXの個人投資家の影響がかなり高まってきているという話もあり、「投機」(実需以外の動向という意味)の影響は、かなり大きいと考えられます。
「投機」が多いことが何を意味するかというと、?
- 含み損が一定額に膨らむと、ロスカットすることになる
- 特に手動でロスカットを入れるプレイヤーのロスカットラインは、似たような位置(節目、テクニカルのポイント等)に集まる場合が多い
- なので、そこを抜けた時に、一気にロスカット注文が入って相場が大きく動くことがある
ということがあります。なので、ファンド等から見ると、ロスカットをうまく狩ることができれば、大きく相場を動かして利益を出すことができるチャンスがあるということになります。
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為替の世界はゼロサム(厳密にはマイナスサム)である
為替というのは、例えば自分がドル円を買うというのは、ドルを買って円を売るという行為であり、これは、逆に「円を買ってドルを売る」相手がいなければ成立しません。
FXの場合、多くはFX会社がその反対売買の相手となりますが、FX会社も別のお客さんでドル円を売る人がいればそこと相殺し、いなければカバー取引として金融機関に注文を流すという動きをします(いわゆるマリー取引とカバー取引)
そして、そのカバー先の金融機関も、ドルを売って円を買うお客さんがいればそこで相殺し、そうでなければ必要に応じてさらに先のカウンターパーティーに流すというように、いずれにしても、最終的には誰か「円を買ってドルを売る」ポジションを持つ人がおります。
つまり、自分がドル円を買って利益を出すときは、必ず相場の反対側に誰かドル円を売って損を出している人がいるということであり、さらに言うと手数料相当額(スプレッドや、スワップポイントの売買差額も含む)もあるため、市場のトータルで見ると、ゼロサムないしはマイナスサムとなります。
そして、このことは、言い換えると、「自分が損をしている時は、誰かが得をしている」ということでもあり、「他人のロスカットは蜜の味」と表現されることもあります。
ここまでをまとめると、
- 為替取引には「投機」の影響がある程度大きい
- 「投機」のポジションにはロスカットがある
- ロスカットは、似たような位置に集まることがあり、あるポイントが狩られた時に、大きく動くことがある
- 市場参加者にとって、「他人のロスカットは蜜の味」であり、虎視眈々とロスカットを狙ってくるプレイヤー(いわゆる投機筋)がいる
ということとなります。
このことを前提に、「ショートの踏み上げ」「売り仕掛け」を考えてみましょう。
「ショートの踏み上げ」「売り仕掛け」はどちらもロスカットが関係している
まず、ショートの踏み上げというのは、「投資家がショートのポジションを多く持っていて、そのロスカットを狙って買いを入れられて、それがロスカットされることでさらに上げていく」ということです。
一方、「売り仕掛け」というのが何かというと、「投資家がロングのポジションを多く持っていて、そのロスカットを狙って売りを入れられて、それがロスカットされることでさらに下げていく」ということです。
これらは、一見全然違う現象のように見えて、根本にあるものが、「投資家のロスカットが狙われて、そこが狩られることでさらに大きく動く」という点で、全く同じものであることが分かります。
2019年は、2018年末に株価やクロス円が急落して、さらに年始にはフラッシュクラッシュという「売り仕掛け」があった影響で、多くの人が売り目線で入ることとなりましたが、今度は逆にそれが理由で「踏み上げ」を食らうというように、なかなか難しい相場となっております。
その背景には「投資家のロスカットが狙われている」ということがあり、このことは意識しているのとしていないので、相場の見え方がまた違ってくると思うので、是非それらを意識しながら、日々の相場を見てもらえればと思います。
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