トルコリラ投資についての注意点【Yuki】

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こんにちは。為替研究所のYukiです。

トルコリラは、3/22(金)に急落し、一時期18円台まで下落しておりました。その後、現在は20円台まで回復し、「結局あれは何だったんだ」という感じになっておりますが、何故下げたのかということと、トルコリラ投資をする際の注意点を説明したいと思います。

   

トルコリラの下落の理由

    

3/22にトルコリラは大きく下げたのですが、より細かく見ると、日本時間で言うと、17時くらいから一回目の下落が、22時45分ごろに二回目の下落が、23時45分ごろに三回目の下落がありました。

それぞれ、何が起こったのかを説明します。

まず1回目の下落は、

  • トルコのエルドアン大統領がアメリカのトランプ大統領を非難し、対米関係悪化が懸念された
  • 17時半発表のドイツPMIが非常に悪い結果で、欧州との関係も深いトルコリラがさらに売られた

    というものでした。

     

エルドアン大統領がトランプ大統領を非難

   

まずはじめに下落のきっかけとなったのは、トランプ大統領が「ゴラン高原でのイスラエルの主権を認めるべきだ」と発言したことに対し、エルドアン大統領が非難し、トルコとアメリカの関係悪化が懸念されたことが原因でした。

 

このニュースは、確認したところ、16時41分には報道されていたので、おそらく発言自体はもう少し前に行われ、それを嫌って急落したと考えられます。

 

アメリカとトルコの関係悪化といえば、昨年8月頭のいわゆる「トルコショック」の原因の1つで、10月以降に回復したのもブランソン牧師を解放し、アメリカとの関係改善が大きく影響したことや、さらにさかのぼれば2017年のビザ相互発給停止でも急落したように、このような展開になると、どうしてもトルコリラは売られやすくなります。

 

また、トルコはロシアからS400というミサイルを購入し、それに対してアメリカが強く懸念していたこともあり、アメリカとの対立は元々市場から懸念されており、その中で一つの材料として使われたという背景もあります。

 

このように、元々S400ミサイルの件もあって市場が懸念していた中で、別件とはいえ、エルドアン大統領がトランプ大統領を公然と非難したことから、対米関係の悪化が連想され、トルコリラは売られました。

   

17時半に発表のドイツPMIの結果でさらに下落

    

このようにトルコリラが下落する中、さらに悪材料が重なり、ドイツのPMI(景況感をヒアリングして、その結果を指標化したもの。50が境目で、それより下なら景気が悪い、上なら景気が良いという方向)が非常に悪い結果となりました。

 

具体的には、非製造業は予想54.8、前回55.3で結果54.9と想定通りながら、製造業PMIは予想が48.0、前回47.6の中で結果は44.7となっておりました。

 

トルコの輸出の最大相手国はドイツで、輸出品目も自動車や機械類が主というように、ドイツの製造業の景気悪化はトルコにとっても悪材料であり、トルコリラはさらに売られることになりました。

    

    

22時45分ごろに二回目の下落をした理由

  

この後少し落ち着きを取り戻したトルコリラでしたが、その後また大きく下落しました。

 

その要因は、今度はアメリカのPMIが悪く、さらに3か月ものと10年物の金利差が逆転(3か月の方が高くなりました)という、いわゆる「逆イールド」が発生したことにより、リスクオフの空気が強まり、円高、株安、新興国通貨安という展開になり、トルコリラもさらに下落しました。

 

「逆イールド」というのは、これが起こると2年以内に景気後退が起こると言われているもので、それも単なるジンクスではなく、きちんとした理屈があるものであり、これが起こったということ自体が、リスクオフになる要因となります。

  

23時45分ごろからさらに下落した理由

 

このようにトルコリラが下落している中で、23時45分ごろからさらに大きく下落しました。

 

その理由は、「トルコの外貨準備高が予想外に下落した」ということが嫌われて下落して、そのタイミングで投資家のロスカットが引っ掛かって、売りが売りを呼んだからだと考えられます。このあたりの時間で、1分足チャートを見ると、円で言うと19.4円、ドルでいうと5.67のあたりから急に値がぶっ飛んだというのが分かりますが、これは、その辺りにあったロスカットが巻き込まれたときに典型的な動きであり、おそらく大口のポジションがあったのだろうと推測されます。

 

なお、外貨準備高の減少や、Twitterで一部話題になった「中銀の金融引き締め報道」については、以下の記事で非常に丁寧に書かれており、その中で「外貨準備高の減少は、中銀の発表によると、エネルギー会社(ロシアから天然ガスを輸入しており、外貨が必要な会社)に外貨を売ったことと、対外債務の支払いだとされているが、市場ではトルコリラへの為替介入を行っていたからではないかとも疑われている」等、非常に面白いことも書かれているので、是非ご覧ください。

Ahvalnews(英語)

https://ahvalnews.com/central-bank/turkeys-central-bank-suspends-one-week-repo-auctions-lira-slides

 

確かに、ここ数か月間のトルコリラの相場の安定感は逆に異常なレベルであり、介入していたと言われても、正直個人的には納得いくかなと思っております。

 

以上が、先日のトルコリラ暴落の理由でした。その上で、トルコリラ投資での注意点を書きたいと思います。

    

    

トルコリラ投資の注意点

  

最後に、トルコリラ投資の注意点を書きます。

 

少し厳しい言い方をすると、今回の急落で、「短期のポジション」以外のスワップポイント狙いのポジションがロスカットされたというのであれば、それは少し油断しすぎだったのではないかと思います。

 

トルコリラという通貨は、2018年にははじめて20円を割ったかと思えば、あれよあれよという間に「トルコショック」が起こり、一時期15円台まで下落したことは記憶に新しいと思いますが、それ以外でも急に下落するというのがよくある通貨で、たった2円落ちただけでロスカットされるというのは、リスクを取りすぎではないかと思います(もちろん、短期トレードであればそれも良いと思うので、スワップ狙いのポジションとしてはという意味です)

 

2018年トルコショックの時には15円台をつけましたが、2019年に入っても対外債務問題やインフレの問題、さらにはエルドアン大統領がいきなり何かをやりだすというリスクは残っており、その最安値を割ったとしても特に驚きはないと思っております。

 

なので、スワップポイント目的で投資する場合は、最低でも15円までは耐えられるようにするべきで、できれば11円(ドル円110円として、ドル/トルコリラ10)くらいまでは耐えられるようにしておいた方が良いと思っております。

 

ちなみに、私のループイフダンは、11円台まで耐えられる設定にしており、今回の急落もノーダメージで、久しぶりに決済約定もされてむしろプラスでした。

 

トルコリラという通貨は、レバレッジ1倍でもスワップポイント利回り20%前後、値動きも激しく、急落後は為替差益も狙えると、非常に魅力的な投資先であるのは間違いないと思いますが、リスクが高いからこそそれだけ利回りも高いのであって、欲張ると痛い目に合うので、そこはご注意ください。

     

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著者プロフィール

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Yuki
FX歴11年目のファンダメンタルズ派トレーダー。主に短期から中期でのトレードを得意としており、最近は自動売買やスワップ投資も行っております。
2010年より為替研究所を運営。相場の見通しや、FXでのおすすめの投資方法などを分かりやすく解説しております。

ループイフダンでは、2019/2/11現在、豪ドル/NZドルとトルコリラを運用中。

為替研究所ブログ:https://kawase-fx-lab.com/

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