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2018/05/24
シストレ活用事例

シストレとの上手な付き合い方【芳賀浩一】

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シストレとの上手な付き合い方

シストレでお金を運用していく上で、良いシステム(≒儲かるシステム)を見つけることは非常に重要です。しかし、どんなに良いシステムでも使い方を間違えれば損失を出してしまうことも。

・稼働した直後に損失続きで運用中止

・停止した後に調子が良くて機会損失

・資金を少なくしたらロスカット

そんな失敗をしないように、この記事ではシストレとの上手な付き合い方について書いて行きたいと思います。

 

シストレの肝は証拠金管理

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シストレと上手く付き合っていくには、証拠金管理が極めて重要です。

例えば、以下のような運用成績のシストレがあったとしましょう。(グラフはイメージ、以下同。)

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優秀ですね、こんなシストレ運用したいですね。

でも、こんなに優秀な成績のシストレを使っても大損する人がいるのをご存知ですか?

勘の良い方は薄々お気付きかもしれませんが、大きく二つのパターンが考えられます。

 

・ちょっと損失を出したらすぐ辞める人

上記の画像は運用開始後に上昇、下落、上昇・・・と推移していますが、当然ながら全員が同じタイミングで運用を開始する訳ではありません。

例えば、160%の線を超えたタイミングで運用開始した人にとっては以下のような運用成績になる訳です。

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開始早々、20%超の損失を出すところから始まります。

このまま続ければV字回復を見せるのですが、実際に運用している段階では将来の動きなんて分からない訳ですから「続けていれば反転するだろう」と思う人がいる一方で「調子が良かったから始めたのに、いきなり損が出た」「もうこのシステムはダメだな」なんて思って、すぐ止めてしまう人がいるのです。

 

とはいえ、このグラフのように上手くは行かず下がり続ける可能性がある以上「続ければ必ず利益が出る!」と信じ込むのも危険。『シストレの損切り』も大切です。

続けるか止めるかの一つの指標として、最大ドローダウンを更新したら稼働を止めるというものがあります。

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最大ドローダウンとはその運用において一番大きく落ち込んだ箇所のことで、これを更新するということは、過去最大の損失を上回ったということ。

検証期間が短いならまだしも、年単位の検証をしているのにそれを更新したということは、そのシステムが現在の市場に適応できていないという一つの判断材料となります。

 

・過剰にレバレッジを掛ける人

シストレは多くの場合、保有するポジション分の必要証拠金と想定される最大のドローダウン・含み損に基づいて推奨証拠金を設定していきます。

推奨証拠金=ポジション分の必要証拠金+想定ドローダウン+α、といった具合ですね。(+αは想定を上回った場合のバッファ)

しかし世の中には、欲張って推奨証拠金よりも少ない金額で運用してしまう人がいるのです・・・。

『シストレ口座に入金していないだけで、いつでも動かせる余裕資金がある』というなら構わないのですが、そういうことをする人に限って資金ギリギリで背水の陣に挑んでいるケースが多いように感じます。

例えば先程のグラフのシストレが推奨証拠金100万円・必要証拠金40万円だったとしましょう。

『ちょっと損失を出したらすぐ辞める人』の例に挙げたように、いきなり最大のドローダウンが直撃すると-20%強で、100万円が80万円弱にまで減少します。しかし必要証拠金は維持しているので、充分に稼働はできていずれ挽回できます。

これが欲張って、資金50万円で運用していたらどうでしょう。必要証拠金を下回り、稼働が停止、その後挽回することさえできなくなってしまいます。

資金効率を求めたあまり、かえって損をする。初心者にありがちな失敗です。

 

シストレは、シストレらしく。

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当たり前の話ですが、シストレは一定のロジックに沿ってエントリーから決済まで自動で行ってくれるものです。(例外あり)

その為、画面を見なくても寝ていても自動でトレードをしてくれるのですが・・・最初の頃はついつい気になって見てしまう

画面を見ていると「おっ、含み益だんだん伸びてきた・・・あれ、減って来た。このままじゃマイ転※する・・・」「ああー・・・含み損が膨らんでいく・・・・」なんて時、つい手動決済をしてしまいがち・・・。

じゃあ、裁量トレードやれば?って話なんですよね。

※マイ転:利益が消え、成績がマイナスに転じること。

 

実はこれ、筆者がFXを始めたばかりの頃に陥ったパターンで、余計なことをしなければ増えていたのに手動で決済などを乱発したせいで資金を半分にまで減らしてしまいました。

シストレだって根拠があってエントリー・決済をする訳ですから、素人は黙ってろってことですね。はい。

 

まとめ

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・予め想定されているドローダウンは耐え忍ぶ。過去最大を更新したら考え直しを。

・推奨証拠金はしっかり守る。入金はせずとも、せめて資金の確保を。

・余計な手出しはせず、シストレに全てを委ねる。

一言でまとめると『ルールに則り、正しく、お行儀よく運用する』ということですね。

シストレはとても便利な道具ですが、ノコギリで釘は打てないように、正しい使い方をしなければ望む結果は得られません。当たり前だけど、基本って凄く大事。

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