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2026/09/09
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日銀がお金を増やすと預金も増える?マネタリーベースとマネーストックの違い

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本音声は、記事をもとにAIを活用して制作しています。一部、発音やイントネーション、漢字の読み方が不自然または正確でない場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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「日銀がお金を増やした」と聞くと、私たちの銀行預金も同じだけ増えると感じませんか。

しかし、日銀が直接供給する「マネタリーベース」と、企業や家計などが保有する「マネーストック」は別の統計です。
日銀がお金を増やしても、私たちの預金が同じ金額だけ増えるわけではありません。

その違いを見ていきましょう。

1.「世の中のお金」は一つの数字で表せない

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私たちが普段「お金」と呼んでいるものには、いくつかの種類があります。
財布に入っている1万円札もお金ですし、銀行口座にある普通預金もお金です。
さらに、銀行などの金融機関は、日本銀行に「日銀当座預金」という口座を持っています。
日銀当座預金は、金融機関同士の決済や日銀との取引などに使われるお金です。一般の家計や企業が、普通預金のように直接保有するものではありません。

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そのため、「世の中にお金がどれくらいあるのか」を考えるには、何をお金として数え、誰が保有している分まで対象にするのかを決めなければなりません。
その代表的な数え方が、マネタリーベースとマネーストックです。
違いを簡単に整理すると、次のようになります。

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ざっくりいえば、マネタリーベースは日銀が直接供給するお金、マネーストックは企業や家計などが保有するお金です。
ただし、正確には、誰が通貨を発行しているのか、誰が保有しているのか、何を通貨として数えるのかという範囲が異なります。

2.マネタリーベースとは

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日本銀行は、マネタリーベースを「日本銀行が世の中に直接的に供給するお金」と説明しています。
具体的には、次の3つの合計です。

マネタリーベース=日本銀行券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金

「日本銀行券発行高」は、日銀が発行する紙幣です。
「貨幣流通高」は500円玉や100円玉などの貨幣で、貨幣そのものは政府が発行しています。
そして、マネタリーベースを理解するうえで重要なのが日銀当座預金です。

日銀当座預金は「銀行などが日銀に持つお金」

銀行などの金融機関は、日本銀行に当座預金を持っています。
銀行間の資金決済や、日本銀行との取引などに使われます。
たとえば、日本銀行が金融市場調節の一環として国債を買い入れる場合、その取引内容や相手方によって、決済を通じて日銀当座預金が増えることがあります。

ただし、日銀当座預金が100増えたからといって、私たちの銀行預金も自動的に100増えるわけではありません。
日銀当座預金は、一般の家計や企業が持つ普通預金とは別のお金だからです。

金融政策によって金融環境が変われば、銀行貸出や企業・家計の行動などを通じて経済に影響する可能性はあります。

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「日銀がお金を増やした」というニュースを見たときは、まず何のお金が増えたのかを確認することが大切です。

3.マネーストックとM1・M2・M3の違い

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マネーストックについて、日本銀行は「金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」と説明しています。
具体的には、一般法人、個人、地方公共団体などが保有する現金や預金などを集計したものです。
金融機関や中央政府は、マネーストックの「通貨保有主体」には含まれません。
そのため、マネタリーベースに含まれる日銀当座預金は、マネーストックには含まれません。
私たちの生活により近い「お金の量」を表しているのは、こちらといえるでしょう。

M1・M2・M3とは?

マネーストックには、どこまでを通貨として数えるかによって複数の指標があります。
代表的なのがM1、M2、M3です。

  • M1
    主な内容:現金通貨+預金通貨
    特徴:普通預金など、決済に使いやすいお金が中心
  • M2
    主な内容:現金通貨+預金通貨+準通貨+CD
    特徴:定期預金なども含む。預金などの発行者は「国内銀行等」
  • M3
    主な内容:現金通貨+預金通貨+準通貨+CD
    特徴:金融商品の範囲はM2とほぼ同じで、発行者は「全預金取扱機関」

M1の「預金通貨」には、普通預金や当座預金などの要求払預金が含まれます。
M2やM3に含まれる「準通貨」は定期預金などが中心で、CDは「譲渡性預金」のことです。

M2とM3は何が違う?

M2とM3は、対象となる金融商品の範囲はよく似ています。
大きな違いは、どの預金取扱機関が発行した預金などまで含めるかです。
M2では発行者が「国内銀行等」に限定されていますが、M3ではゆうちょ銀行、農業協同組合、信用組合などを含む「全預金取扱機関」へ対象が広がります。

つまり、M1・M2・M3は数字の大小で重要度が決まるものではありません。
何をどこまで「お金」として見たいのかによって、使う指標が変わるのです。

なお、日本銀行は、M3に投資信託や国債なども加えた「広義流動性」も公表しています。

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4.銀行預金が増える仕組み

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では、私たちが銀行に持っている預金は、どのように増えるのでしょうか。
その仕組みを理解するうえで重要なのが、銀行による貸出です。
たとえば、銀行が企業に100万円を融資したとします。
単純化すると、銀行の帳簿では、

  • 資産:企業への貸出+100万円
  • 負債:企業の預金+100万円

となり、貸出と預金が同時に増えます。
銀行が貸出を行うことで、支払手段として使える預金が生み出される。

この働きが「信用創造」です。

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預かったお金をそのまま貸しているだけではない

銀行の融資を、「Aさんが預けた100万円を、そのままB社に貸している」と考えている人もいるかもしれません。
しかし、銀行が貸出を実行して借り手の預金口座に入金すると、新たな預金が生まれます。
借り手が別の銀行の取引先へ支払いをすれば、銀行間では日銀当座預金などで決済が行われます。
反対に、借入金が返済されれば、単純化した例では貸出と預金が減少する方向に働きます。

もちろん、銀行が好きなだけ無制限に預金を作れるわけではありません。
実際の貸出は、借り手の資金需要や返済能力、銀行のリスク判断、自己資本・流動性に関する規制、金利など、さまざまな条件に左右されます。

マネタリーベースが増えても貸出が同じだけ増えるとは限らない

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日本銀行が資金を供給し、日銀当座預金が増えれば、マネタリーベースは増える方向に動きます。
ただ、企業や家計の借入需要が乏しければ、日銀当座預金が増えていても、銀行貸出が同じだけ増えるとは限りません。
銀行側が信用リスクを高いと判断すれば、融資に慎重になることもあります。
逆に、設備投資や住宅購入などの資金需要が強まり、銀行貸出が増えれば、預金の増加につながる場合があります。
このように、マネタリーベースとマネーストックの間には、金融環境や銀行、企業、家計の行動など、さまざまな要因が介在しています。
そのため、両者が一定の比率で機械的に増減するわけではありません。

なお、日本銀行の取引内容や相手方によっては、日銀の資産買い入れなどが民間の預金にも影響する場合があります。

大切なのは、「日銀が100増やしたら、私たちの預金も100増える」という1対1の関係ではないということです。

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5.ニュースで「お金の量」を見るときの注意点

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マネタリーベースとマネーストックの違いが分かると、金融政策のニュースも読みやすくなります。
たとえば、「日銀がお金を大量に供給した」「市場に資金があふれている」といった表現を見ても、企業や家計が自由に使えるお金が同額増えたという意味とは限りません。
確認したいのは、その数字が、以下のどれを示しているのかです。

  • マネタリーベース
  • マネーストック
  • 日銀当座預金
  • 銀行貸出

同じ「お金の量」の話に見えても、意味は異なります。
また、マネーストックが増えたからといって、それだけで「景気が良い」「これから物価が上がる」と判断することもできません。
日本銀行も、マネーストックと実体経済や物価との関係は短期的には不安定になることがあると説明しています。
金融政策を見るときは、お金の量だけでなく、金利、銀行貸出、企業・家計の資金需要、物価、景気などもあわせて見る必要があります。
日本銀行もマネーストックを金融政策の目標や金融調節の操作対象としているわけではなく、金融情勢を判断するための指標の一つとして利用しています。

「お金が増えた」という言葉だけで判断せず、何を数えた数字なのかを見ることが第一歩です。

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まとめ

日銀が「お金を増やした」といっても、そのお金がそのまま私たちの銀行預金になるわけではありません。
マネタリーベースは、日本銀行が直接供給する通貨。
マネーストックは、企業や家計、地方公共団体などが保有する通貨。
両者は、数えているお金の範囲が異なります。

さらに、銀行貸出によって預金が生み出される信用創造や、企業・家計の資金需要なども関係するため、マネタリーベースとマネーストックが同じように増減するとは限りません。
金融政策のニュースで「お金が増えた」と聞いたら、まずは「どのお金を数えた数字なのか?」を確認してみてください。
それだけでも、ニュースの意味をより正確につかみやすくなります。

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マネタリーベースとマネーストックに関するQ&A

Q1. 日銀が1兆円のお金を増やしたら、国民の預金も1兆円増えますか?

A. いいえ。1対1で同じ金額が増えるわけではありません。

マネタリーベースの増加には、日銀当座預金の増加などが含まれる場合があります。
一方、企業や家計などが保有する預金を含むマネーストックは、銀行貸出や資金需要など、さまざまな要因によって変化します。

Q2. 日銀当座預金を一般の人が引き出すことはできますか?

A. 一般の家計が、自分の普通預金のように日銀当座預金を保有して引き出すことはできません。

日銀当座預金は、銀行など日本銀行に当座預金口座を持つ機関が、決済などに利用するものです。

Q3. M1・M2・M3のうち、どれを見ればよいですか?

A. 目的によって異なります。

現金や普通預金など、決済に使いやすいお金を中心に見るならM1、定期預金などを含めたより広い範囲を見るならM2やM3が参考になります。
大切なのは、数字だけを比べるのではなく、その指標が何を含んでいるのかを確認することです。


 

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著者プロフィール
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飲食から金融まで多彩な現場を渡り歩く、猪突猛進なアイネット証券の社員。データと歴史から知恵を拾い集め、難しい投資話を「面白く、深く」紐解くことをモットーとする。

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