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2020/03/11
資産運用全般

今抑えたい!ポンド円とブレグジット問題の基礎・今後【FXジャック】

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ニュースなどで連日報じられている「ブレグジット」問題。

この問題により、大きな影響を受ける可能性の高いポンド円相場が再注目されています。

そこで、今後の動向が気になるポンド円相場を現在・過去・そして今後の3ポイントに分けて、全3回にわたりざっくりと解説します!

特に読んでいただきたい最終章では、私が普段行なっている取引方法もご紹介する予定です。

さて、第1回目の今回は、ポンド円が辿ってきた過去10年をチャートと共に振り返ります。

さらに、目が離せないブレグジット問題の基礎と、ポンド円相場に与える影響などをまとめていきます。

それでは早速、考察の足掛かりとなる過去の値動きを振り返っていきましょう。



今までのポンド円の値動き

ポンド円の全体像を捉えるために、過去10年から現在までの値動きを確認します。



ポンド円の2020年2月17日現在のチャート

まず、ポンド円の最新のチャートから見ていきましょう。

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2019年からの1年間のスパンで見ると、8月ごろに底を固める→上昇トレンドに転換→ボックス相場→急落、といった流れであることが分かります。

次に、さらに大きなスパンでの値動きを確認していきましょう。



過去10年・5年のポンド円の長期的推移

今から8年前、2012年頃にアベノミクスが取り沙汰され、円安ポンド高が進みました。

(チャートのスクリーンショットを用意できませんでした、申し訳ないです。)

この値動きは金融緩和の影響が通貨安につながる典型的なパターンと考えられます。

アベノミクスの影響がポンド円相場に現れている、ということです。

続いて、過去5年のチャートを見ていきましょう。

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イギリスのブレグジット問題が大きくなった時期に合わせて、ポンド円が下落しています。

リスクが高まってくると円高傾向になる、というのもよくあるパターンです。



過去2年のポンド円の中期的推移

お次は、ポンド円の過去2年におけるチャート。

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イギリスの景気が良くなり、インフレ率、政策金利が上がりました。

ブレグジット問題が大きくなった直後は景気が悪くなりましたが、2017年には持ち直しています。

ブレグジット問題が長期に渡り大きな影響を及ぼしていることがわかりますね。



過去1年のポンド円の短期的推移

最後に過去1年間のチャートです。

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先行きの見えないブレグジット問題により、2019年の前半から中盤にかけてポンド円が下落しています。

2019年7月にメイ首相からジョンソン首相に交代したことで先行きが不透明になり、円の買いが進み円高になったと推測できます。



今後の見通しに必須!ポンド円に影響する要因3つ!

過去のチャートをみると、ポンド円相場がブレグジット問題により大きな影響を受けていることがわかりますね。

今後の見通しを立てるためには、こうした外部的な要因を把握しておくことが重要です。

ここからは、ポンド円の値動きに大きなインパクトを与える3つの要因を確認していきましょう!



ポンド円への影響要因1政策金利

ポンド円に影響を及ぼしやすい要因の1つ目に、政策金利が挙げられます。

政策金利はスワップポイントに直接影響するため、値動きにも大きく関わってきます。

2017年のポンド高円安(「過去2年のポンド円の中期的推移」を参照)は、イギリスの政策金利が上がったことも要因の1つでしたね。

利上げされるほどたくさんのスワップポイントがもらえるので、ポンド高につながる傾向があります。

ですが逆に、日本の政策金利が上昇した場合には円高ポンド安になりやすいので注意が必要です。



ポンド円への影響要因2経済情勢

ポンド円の見通しを立てる際には、各国の経済情勢を踏まえることも重要です。

特に注視したい3つの国ごとに詳しくお伝えしていきます!



イギリス

政策金利の項目と若干被りますが、イギリスの経済情勢が好転すれば当然ポンド高に繋がりやすくなります

2017年のようにインフレ率が上がると景気が良くなり、ポンド高円安になりやすいと覚えておきましょう!

しかし、インフレのスピードが速すぎるとデフレスパイラルに反転する可能性もあるので注意が必要です。



EU

ポンドはユーロとの関連性が強く、EUの経済状況から強い影響を受けます。

そこで注目したいのが、経済状況を数値化して指標としたものであるGDPです。

2020年のEUのGDPはどうなるのでしょうか。

外務省「欧州委員会の中間経済見通しの概要」によれば、停滞が予想されています。

米中貿易戦争に端を発した貿易不安により、投資と製造業、貿易の失速、脆弱化が起こると考えられるからです。

つまり、外部的要因により欧州経済が伸び悩むことが予想されているのです。

以上のことから、ポンド円の値動きを予測するにはEUの経済状況はもちろんのこと、EUを取り巻く外部的な情報にも目を向けることが重要と言えます。

欧州経済、GDPの推移をもっと知りたい!という方は「欧州委員会の中間経済見通しの概要」をチェックしてみましょう。

またこのように政治的、経済的な情勢を踏まえて相場を分析する手法をファンダメンタルズ分析と言います。



日本

ポンド円のトレードをするなら日本の経済状況も見落とせません。

2012年のアベノミクス(「過去10年・5年のポンド円の長期的推移」を参照)のように、金融緩和による円安がポンド高につながると予想できるからです。

FXのトレードは通貨の相対的な価値に左右されますし、日本の状況なら把握しやすいですよね。

FX会社が提供している情報やニュースアプリなどでもいいので、利益を上げるために積極的に情報収集しましょう。

アイネット証券はマーケット情報やオンラインセミナーも充実しており、ループイフダンで自動売買をするにあたっての情報収集に苦労しません。

ポンド円の取引が盛り上げっている今は、利益を狙うチャンス。

このタイミングを逃さないためにも、口座をお持ちでない方は早めの口座開設がおすすめです!



ポンド円への影響要因3ブレグジット

チャートの解説でも何回か出てきましたが、直近のポンド円に最も大きな影響を与える要因はブレグジットです。

ブレグジットとはイギリスがEUから離脱することを指します。

ポンド円でトレードするなら避けて通れないので、私もブレグジットを注目しています。

詳しくチェックしていきましょう!



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ポンド円に影響を与える「ブレグジット」って一体何!?

ほとんどの方にとってはおなじみの話題かとは思いますが、原点に立ち返って「ブレグジットとは一体どんなものなの?」という点から確認していきましょう。



ブレグジットとはイギリスがEUをやめること

ブレグジットとは「BritainがEUをExit」することを指す造語です。

イギリスがEUを離脱する、そのまんまですね。

イギリスでは2016年6月の国民投票において、事実上のブレグジットが決まりました。

その後、イギリス議会での承認を経て、2020年1月31日に正式離脱する運びになりました。

2020年2月1日以降の移行期間で通商協定や安全保障のルールなどについて交渉が進められています。

以前から不安視されてきた「合意なき離脱」を回避したとはいえ問題が山積しており、予断を許さない状態が続いています。

ちなみに、「ブレグジット = 合意なき離脱」だと思っている方もいるのではないかと思います。

私も誤解していたのですが、ブレグジットは「合意なき離脱」ではなく「イギリスがEUをやめること」までを指しています。

「合意なき離脱」のことは「ハード・ブレグジット」なんて呼んだりします。



イギリスがブレグジットしたい理由

では、そもそもイギリスはどうしてブレグジットしたいのでしょうか?

イギリスがブレグジットを望む理由は大きく分けて「移民問題」と「貿易問題」の二つです。

まず移民問題

従来、移民はEU間を国境を気にせず自由に行ったり来たりできます。

EU内でも経済が好調で働き口が多いイギリスにはたくさんの移民が来るのです。

これにより、治安の悪化やインフラ整備コストの増大が起きます。

つまり、ずっとその地に住む人のためならまだしも、いつまで留まるかわからない人たちのために莫大なお金をかけるなんてたまったもんじゃない!ということですね。

EUから抜けて移民の増加を制限したい、という狙いがあるわけです。

 

次に貿易問題についてですが、イギリスはそもそも世界で5位のGDPを誇る経済大国。

EUに頼る必要がない、という主張は今に始まったことではありません。

イギリスはEU全体としてではなく自らの考えで産業を守り、強みを生かすためにブレグジットしたい、という意図があるのです。



ブレグジットがポンド円に与える影響

では今後、ブレグジット問題の動向によってポンド円にどのような影響が出るのでしょうか。

ブレグジットの今後と影響を、シナリオごとに考察していきましょう!



合意なき離脱は回避したが、依然急落に注意が必要

ブレグジットが合意なき離脱になった場合、イギリスの国力が低下しポンド円が急落する可能性が高いとされていました。

先述の通り合意なき離脱は回避できましたが、依然としてブレグジットの影響によるポンドの下落には注意が必要です。

今後の見通しがまったく読めないことで過去の最安値が参考にならないと考える人が増え、市場に混乱をきたすからです。

参考までに、各所が発表しているレポートを引用しておきます。

●?? 三菱UFJ銀行:2020年の予想レンジ 121.0円〜146.0円
ブレグジットがうまく進んだとしても、離脱案をまとめるのは難しく見通しは明るくできない

●?? 野村證券:2020年の予想レンジ 132.0円〜157.0円
前回よりも見通しが明るくなったが理由は明記されておらず、今後の状況にしっかりと見守る必要がある



穏やかにブレグジットするとポンド円が上がる可能性も

ここまでみてきた通り、基本的にブレグジットはポンド円の下落を誘発する可能性が高いとされています。

しかし、それも絶対と言えません。

ブレグジットによりイギリス経済が明らかに上向きになれば、当然ポンド円は上昇するでしょう。

現時点のポンド円のチャートにはある程度の不安が織り込まれているとされています。

つまり、そこから予想外にブレグジットがうまく進んだ場合には、ポンド円の値上がりもあり得るというわけです。



ポンド円の今後まとめ

今回は、過去のポンド円チャートからの考察とブレグジットについて、そしてブレグジットがポンド円に与える可能性のある影響をまとめて説明しました。

次回はブレグジットについての理解をさらに深めるため、最新ニュースや、抑えておきたい今後トピックを様々な観点から解説していきます。

 

ぜひご期待ください!



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