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2025/06/03
山中康司

「ループイフダン研究室」6月の戦略〜主要通貨でBS運用〜

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#ループイフダン
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「ループイフダン研究室」6月の戦略

 

1.最近のトピックス

ムーディーズが16日に米国の信用格付けをAaa(トリプルA相当)からAa1(ダブルA+相当)へと引き下げました。既にS&Pとフィッチは米国の格付けを下げていましたし、ムーチーズも1ノッチ(1段階)の引き下げに過ぎず、依然として最上位グループであることには変わりません。

しかしドイツ、カナダ、豪州などAaa格を維持している国も多く、今後リスクオフの動きが強まる際には今まで以上に米国のトリプル安懸念が強まることとなるでしょう。また将来的に米国債が満期を迎える時に米国債からAaa格を維持している国の国債へと乗り換えリスクを分散する動きも投資家に出てくる可能性がある点にも注意が必要です。

今回は格付けについて簡単に復習しておきましょう。

米国の主要格付け会社にはムーディーズ、S&P、フィッチの3社がありますが、各社の格付けランクは以下のようになっています。

 

ランク      ムーディーズ         S&Pとフィッチ        主要該当国(ムーディーズ)
1               Aaa                        AAA                          ドイツ、カナダ、豪
2               Aa1                        AA+                          米国
3               Aa2                        AA                             韓国 
4               Aa3                        AA-                           英国、フランス 
5               A1                          A+                            日本、中国 
6               A2                          A 
7               A3                          A- 
8               Baa1                      BBB+
9               Baa2                      BBB 
10             Baa3                      BBB-                          イタリア 
11             Ba1                        BB+                          これより下は投資不適格(ジャンク)

G7サミットを控えているのでG7諸国の格付けランキングを見ると最上位グループのドイツ、カナダ、米国、上位グループの英国、フランス、日本、投資適格ギリギリのイタリアとなっていることがわかります。

 

2.マーケット概況

5月も金融市場はトランプ関税関連ニュースを中心にトランプ大統領の発言に振り回される流れが続いています。

米国の関税問題ですが主要国間では英国との合意以降は各国との協議がなかなか進んでいません。もっとも影響が大きい米中間協議も膠着しているようで30日にはトランプ大統領が中国に対して厳しい措置を取ると発言しました。さらに相互関税だけでなく個別関税についても見直しが入り、金曜引け後にトランプ大統領がUSスチールの集会で鉄鋼・アルミ関税を4日から50%に倍増することも発表しました。

いっぽうで29日には米国国際貿易裁判所がトランプ関税のうち相互関税部分について差し止め、直後にトランプ政権が控訴、控訴裁は差し止めを停止し関税を復活させました。しかし、NY州などへの原告には6月5日までに理由を示した書面を、6月9日にはトランプ政権による反論書面の提出を求めました。

当面は関税問題が金融市場のテーマとなっていくことに変わりはありませんが、6月9日の反論書面の翌週15〜17日にはカナダG7サミットが開催されます。日本、EU、カナダと中国以外の主要国首脳が揃うことから、サミットがひとつの節目となりそうですが、果たして相互関税の猶予期間となっている7月9日までに決まるのか、現状では不透明感しか感じられない状況です。

そうなると、金融市場では本流はリスクオフに動きやすく、巻き返しの局面ではカウンターで売りが出てくるという展開が続きやすいでしょう。つまり、為替市場では米ドルの戻り売りが正解となりやすい流れと言えそうです。

 

3.全体評価

【現在の戦略】
  ドル円=  BS100(ネットポジション数=±0
  ユーロ円=  BS80(ネットポジション数=-2
  ポンド円=  BS100(ネットポジション数=-6
  豪ドル円=  BS80(ネットポジション数=-1
  ユーロ米ドル=BS60(ネットポジション数=-1
       全て、取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25となっています。

【5月の損益合計】
  確定損益= +98,245円
  含み損= ―108,479円
  時価評価= -10,234円   

【【運用開始来損益合計】(2025年4月10日〜)
  確定損益= +181,760円
  含み損= ―108,479円
  時価評価= +73,281円   

【必要目安資金】
  当初取引時= 2,098,161円(4月10日)

各通貨ペア内のネットポジションについて

ネットポジションとは、同一通貨ペアの未決済のポジションを相殺して残った実質的な保有ポジションのことです。売りポジションが多い場合はマイナス表記で、買いポジションが多い場合はプラス表記で表します。

 

4.米ドル円

【チャートとポジション状況】
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【現在の戦略】
6月の戦略=BS100(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)

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  ネットポジション(※)=±0
  確定損益=+29,124円
  含み損=-22,809円
  時価評価=+6,315円 
 

  

5.ユーロ円

【チャートとポジション状況】
ユーロ円.png

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【現在の戦略】
5月の戦略=BS80(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)

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  ネットポジション(※)=-2
  確定損益=+15,423円
  含み損=-5,253円
  時価評価=+10,170円 
 

 

6.ポンド円

【チャートとポジション状況】
ポンド円.png

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【現在の戦略】
5月の戦略=BS100(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)

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  ネットポジション(※)=-6
  確定損益=+21,815円
  含み損=-42,849円
  時価評価=-21,034円 
 

 

7.豪ドル円

【チャートとポジション状況】
豪ドル円.png

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【現在の戦略】
5月の戦略=BS80(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)

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  ネットポジション(※)=-1
  確定損益=+12,202円
  含み損=-18,626円
  時価評価=-6,424円 
 

 

8.ユーロ米ドル

【チャートとポジション状況】
ユーロドル.png

【↑画像をクリックすると拡大します】

【現在の戦略】
5月の戦略=BS60(取引単位1000通貨単位、最大ポジション数25)

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  ネットポジション(※)=-1
  確定損益=+19,681円
  含み損=-18,942円
  時価評価=+739円 
 

 

9.現在の運用方針について

現在の運用は、アイネット証券が公開している運用ランキングの中から長期的な運用に向きそうな戦略をピックアップしています。具体的にはドル円、ユーロ円、ポンド円、豪ドル円、ユーロドルで過去半年のパフォーマンスをチェックの上で最大ポジション数が25となっているストラテジーを選びました。詳細は各通貨ペアの項目をご覧ください。

今後もパフォーマンスをチェックしながら運用開始から3か月後(6月末時点)に継続運用に問題が無いかの評価を行う予定です。

 

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著者プロフィール
山中康司
山中康司

1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析と独自のサイクル分析を融合させたトレンド分析には定評がある。ループイフダン関連書籍『マンガでわかる FXの新常識ループ・イフダンでらくらく稼ぐ』を監修。