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後付けできる値動きの理由より、今の相場に注目しましょう【鹿子木健】
為替相場や株式相場、先物相場で大きな値動きが起こると、「なぜその値動きが起こったのか」を知りたくて、アナリストやファンドマネージャー、インフルエンサーなどが発信する情報を調べまくる人が多いように感じます。
ですが、それは間違っており、すでに発生した値動きの理由を考える必要はありません。今回の記事では、なぜ値動きの理由を追う必要がないか説明していきます。
1.理由を考える意味はない
人間は「なぜその行動をとったか」「なぜそれが起きたか」と、理由を探したがる生き物です。FXや株式などで大きな値動きが起きたら、とりあえず理由を探す人は多いでしょう。
例えば、米ドル/円が急上昇したら「なぜ上がったのか」、反対に急降下したら「なぜ下がったのか」と、理由を知りたくなります。
ですが、値動きが発生する理由は「ない」のです。上がるから上がり、下がるから下がるのであって、値動きの理由を探しても迷宮入りするだけです。
暴落や暴騰になったら、よくアナリストやファンドマネージャーがもっともらしい説明をします。
例えば、米ドル/円が上昇したら「米国が金利を上げており、日本と米国の金利差でドル買い、円売りがされている」、反対に下落したら「インフレが緩和し、利上げペースが下がったことが投資家心理に影響」などと、それらしいことを言います。しかし、その説明には何の意味もないのです。
「なぜ値動きが起こったのか」ではなく、「値動きによって今の相場はどうなっているのか」に目を向けることが大切です。
2.トレンドなのか、調整なのか、レンジなのかを見極める
今の相場はトレンド相場なのか、調整期なのか、レンジ相場なのかの判断が何より大切です。
上がりすぎればいずれ下がるだろうし、ずっと上がっていなければどこかで上がるでしょう。レンジ相場なら今後も続くかもしれないし、トレンドになるかもしれないと考えます。
値動きの最中に経済指標や要人発言、戦争などのイベントがあるかもしれません。それらは、相場を動かしているのではなく、動いている相場の背中を押しているだけです。それをアナリスト達が自分たちの存在意義のために理由を後付けしているのです。
値動きの理由を血眼になって探す必要はありません。
3.織り込み済みと○○比には気をつけましょう
よく「織り込み済み」とか、「市場予想比」「前期比」みたいな「○○比」という言葉が出てきますが、この「織り込み済み」や「○○比」も評論家やアナリストが理由をつけているだけです。
例えば、経済指標で良い数値が出てきたのに、予想と反して価格が下落したとしましょう。そこで「数字は織り込み済みだった」とアナリストが言えば、価格が下落したことが正当化されますよね。一方、予想通りに価格が上昇したら「まだ織り込まれていなかった」と言えばいいだけです。
「○○比」も同じです。よく「市場予想比よりも低かったので下落した」と解説されますが、この「市場」とは為替市場や株式市場ではなく、アナリストやファンドマネージャーの予想のことです。
つまり、アナリストやファンドマネージャーの予想を基に、価格が上がったら「前月よりも数値が良かったので好感された」、価格が下がったら「前月よりも数値が悪かったので不透明感が広がった」と言っているだけなのです。
彼らの予想よりも上だった、もしくは下だったなんてどうでもよいのです。大切なのは、その値動きによって、今の相場に何が起きているかを常に把握することです。
4.直近の相場から勝ちパターンを探る
私はFXで利益を出すために、勝ちパターンという考え方を提唱しています。
勝ちパターンは何かというと、あえて抽象的に書きますが、「相場の方から、おいしい局面なのでぜひエントリーしてください」とお願いされている状態のことです。
「ここでエントリーしたら勝てるかな?」という迷いは一切生じません。儲かって当然と判断できる形になっていることが、すなわち勝ちパターンです。
勝ちパターンを構成するものは、チャート分析やトレード手法だけではありません。資金管理、相場の地合、メンタルやマインドなど、全てが揃った状態こそ、勝ちパターンです。
ですが、現在のFXの業界では、チャート分析やトレード手法のみが追い求められているように感じます。
もちろんチャートや手法は大切なのですが、それらを単体で見るのではなく、それらを含んだ総合的な判断をしていくことが、FXを資産運用としてとらえていくベースになる考え方になります。
私が皆さんにお教えしている勝ちパターンは1〜10まであるのですが、今回は勝ちパターン1の例を紹介します。
目標は200pips!!NZドルスイスフランで勝ちパターン1売りが発生!?
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